プロに学ぶ!カテキンたっぷり緑茶の美味しい入れ方
2021.03.152021年05月27日
コロナ禍で注目!コレステロール低減効果も
カテキンとは?カテキンの量が最も多いお茶は何?
コロナ禍で健康意識が高まっている今、注目されているのが、お茶に含まれる成分「カテキン」の健康効果です。そこで、種類や効能、気になる「カテキンの量が最も多いお茶は何?」という疑問について、わかりやすく解説します。
カテキンとは?ガレート型カテキンって何?
カテキンは、ポリフェノールの一種。日本では特にお茶の苦み成分(タンニンとも呼ばれる)として知られていますが、ココアや大豆・小豆などの食べ物にもカテキンは含まれています。
1929年に理化学研究所の辻村博士らによって発見され、その名前はインド産のアカシア・カテキュー(マメ科アカシア属の低木)の樹液から採れる「カテキュー」に由来します。
お茶に含まれる「茶カテキン」は8種類ある
お茶の中には、茶葉に含まれる4種類のカテキンと、加工過程で変化した4種類のカテキン、あわせて8種類のカテキンが含まれています。
茶葉の中に存在するカテキンは、以下の4種類でそれぞれ形が違います。
- エピカテキン
- エピガロカテキン
- エピカテキンガレート
- エピガロカテキンガレート
この4種類のカテキンが、茶葉を加工する過程で加熱処理を行うことで、それぞれ以下のように変化して、8種類になります。
- エピカテキン → カテキン
- エピガロカテキン → ガロカテキン
- エピカテキンガレート → カテキンガレート
- エピガロカテキンガレート → ガロカテキンガレート
ガレート型カテキンは脂肪の吸収を低減する効果も
さらに、これら8種類は、機能上の分類として「ガレート型カテキン」と「遊離型カテキン」の2つのグループに分けることができます。
- ガレート型カテキン:エピカテキンガレート、カテキンガレート、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート
- 遊離型カテキン:エピカテキン、カテキン、エピガロカテキン、ガロカテキン
それぞれ作用が異なり、ガレート型カテキンは脂肪の吸収を穏やかにする効果があることが知られています。最近では、ガレート型カテキンの働きで体脂肪を減らすお茶の葉も登場しています。
健康にいい!カテキンの効能をチェック
そのほかにも、さまざまなカテキンの効能が知られています。以下に代表的なカテキンの効能をまとめました。
カテキンの効能1:抗酸化作用
体内の細胞を酸化させてしまう、活性酸素。カテキンを摂取すると、その抗酸化作用により活性酸素を除去することができるため、老化や病気を予防する働きが期待できます。
カテキンの効能2:抗ガン作用
カテキンには、ガン細胞の抗突然変異抑制作用やガン細胞の増殖を抑える働きがあると言われています。そのため、ガン予防にも効果が期待できます。
カテキンの効能3:コレステロールを下げる作用
食事によるコレステロールの吸収を抑え、排出を促す効果が期待できます。それにより、動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞のリスク低減に役立ちます。
カテキンの効能4:抗ウイルス作用
インフルエンザなどのウイルスは、体内に入ると細胞の中で増殖します。カテキンを摂取すると、ウイルスが細胞に付きにくい状態になるため、ウイルスの増殖を抑制できます。
カテキンの効能5:虫歯予防
虫歯の原因はミュータンス菌が歯に付着し、酸をつくることで歯の表面のエナメル質が溶けること。カテキンはミュータンス菌の増殖を抑えるので、虫歯を予防できます。
カテキンの効能6:肥満予防
カテキンを継続的に摂取することで、肝臓での脂質代謝が高まり、体脂肪の減少が期待できます。さらに消費エネルギーをアップさせる効果もあるため、肥満予防にも役立ちます。
カテキンが一番多いお茶とは?
カテキンを豊富に含むことで知られるお茶ですが、その種類によって含まれるカテキンの種類が異なります。基本的には不発酵茶(緑茶)・半発酵茶(ウーロン茶など)・発酵茶(紅茶)、いずれにも、カテキンが含まれます。
しかし、カテキンは“発酵”による影響を受けやすく、カテキンの中でも生理活性が高い成分としてよく知られている(-)エピガロカテキンガレートなどは、“発酵”をとめて作られる緑茶に一番多く含まれています。
ただし、緑茶(煎茶)は茶殻にカテキンが多く残ってしまうため、簡単に調理して、茶葉に残ったカテキンも丸ごと食べるのがおすすめです。一方、茶葉を丸ごと粉状にしている抹茶は、成分を余すことなく取ることができます。最近はスティックタイプで気軽に飲める抹茶もあるので、緑茶と合わせて活用しましょう。
効果的なカテキンの抽出方法は?
もし煎茶でより多くのカテキンを摂りたい場合は、カテキンを多く抽出する緑茶の入れ方をマスターしましょう。
お茶を入れる際、お湯の温度を高く、抽出時間を長くすることで、より多くのカテキンを抽出することができます。
例えば煎茶の場合、一般的には美味しいお茶の抽出温度は70~80℃、そして抽出時間は40秒程と言われています。それをお湯の温度を90℃に上げ、抽出時間を60秒に延ばすことで、いつもより多くのカテキンを抽出することができます。
カテキンはいつ摂取するのがおすすめ?
健康のためにも、より多くのカテキンを摂取したいところですが、実はお茶などから摂取したカテキンは、2~3時間ほどで血中からなくなってしまいます。
その効果を最大限に実感したいなら、一度にたくさんの量を飲むのではなく、1日2~3回に分けてこまめにカテキンを摂取するのがおすすめです。
煎茶や抹茶には覚醒作用があるため、朝をシャキッとしたい時、まずは朝ごはんと一緒にお茶を飲むことを習慣にしてみてはいかがでしょうか。読者やウォーキングの前の「朝抹茶」もGood。その上で、ランチやおやつと合わせてお茶を飲む習慣を。
さまざまな健康効果が期待できるカテキン。毎日の生活にお茶を取り入れて、イキイキ健康な生活を目指しましょう。
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取材協力:伊藤園