おいしい抹茶ラテの作り方!抹茶で認知機能対策も!?
2022.12.092022年12月10日
初心者でも簡単!抹茶アートのやり方も
プロに学ぶ!茶道の作法と抹茶の点て方・作り方
抹茶といえば茶道。正式なお点前はハードルが高いですが、家で簡単にできる方法も。そこで今回は、伊藤園のティーテイスターで、裏千家専任講師の資格を持つ阿井崇さんに、初心者でもできる抹茶の点て方を教えていただきました。抹茶アートも必見です!
抹茶を点てるのに必要な道具は?
今回、抹茶の点て方を教えてくれたのは、伊藤園マーケティング本部リーフブランドグループ・チーフで茶道歴は10年以上という、阿井崇さんです。
まず、家で抹茶を点てるためにはどのような道具を用意すればよいのでしょうか。
「お点前にはさまざまな道具が必要ですが、家でそこまで本格的に揃えるのは大変ですよね。必ず使っていただきたい物もありますが、ご家庭にあるもので代用できる物もありますので、まずはやってみて、楽しくなってきたら少しずつ揃えていくのがおすすめです」
抹茶
まず必要なのが、抹茶(粉末)です。最近はスーパーなどでも手に入りますが、点てていただくなら「お点前用」「茶道用」などの記載があるものを選びましょう。せっかくだから少し本格的な物を使いたいという場合は、百貨店やお茶専門店で選ぶのがよいでしょう。
茶筅(ちゃせん)
抹茶を点てるための道具です。ぜひこちらは専用の物を用意しましょう。お茶の専門店はもちろん、大きなスーパーの日用品売り場、百貨店の食器売り場などで販売されている場合もあります。また、最近はネットショップでも簡単に購入できます。
茶碗
専用の抹茶碗がなければ、家にある物で代用することもできます。お茶を点てる際に茶筅が振りやすい、少し口の部分が広い物を選ぶのがおすすめ! 例えば、小さめのどんぶり、カフェオレボウルなどで代用可能です。
茶杓(ちゃしゃく)
茶杓は抹茶をすくって茶碗に入れるための道具ですが、家で楽しむ場合は、ティースプーンなどで代用できます。茶杓の場合、2杯で約2gなのに対し、一般的なティースプーンでは1杯2gとなるので、入れる量に注意しましょう。
茶こし
抹茶は粉が細かいため、摩擦による静電気でダマになることがよくあります。そのままだと点てにくいだけでなく、飲む時の口あたりもよくありません。そこで点てる前にダマをなくす必要があります。専用の抹茶ふるいなどもありますが、家で楽しむなら、100円ショップの茶こしでOKです。
これらの道具とともに「お家で抹茶を点てる場合も、ぜひお茶菓子を用意してください」と言う、阿井さん。
「飲む前に甘いお菓子をいただくことで、抹茶の苦味が和らぎ、よりおいしく感じられます。季節の和菓子は味だけでなく、見た目も美しい物が多いので、ぜひ選ぶ楽しさも味わってみてください」
薄茶と濃茶の違いは?簡単な抹茶の点て方をチェック
実際の抹茶の点て方を紹介する前に、茶道の基礎知識として「薄茶(うすちゃ)と濃茶(こいちゃ)の違い」を知っておきましょう。
「お抹茶には、薄茶と濃茶の2種類があります。薄茶はサラサラの液体の上にうっすら泡が立ったお茶のことです」
「これに対して、濃茶は抹茶(粉末)の量が多く、とろっとした見た目のお茶です」
その他にも本格的な茶道では、薄茶と濃茶では使用する茶碗の種類が異なり、色は薄茶はどんな色でもよいのですが、濃茶は黒が基本です。薄茶には干菓子、濃茶には主菓子(生菓子)を合わせるなど、作法や楽しみ方にさまざまな違いがあるそう。
家で楽しむ場合は、そこまで厳密に考える必要はありませんが、初心者は、より親しみやすい薄茶から始めるのがおすすめです。
「お茶の点て方は茶道の流派によっても変わりますが、今回は家で簡単にできる薄茶(うすちゃ)の点て方をご紹介します。お茶を点てる前の準備として、茶碗には一度お湯を入れて軽く温めておきましょう。これにより、抹茶が点てやすくなり、飲む時も温かいまま、おいしくいただけます」
家で簡単にできる薄茶の点て方
- 茶杓(もしくはティースプーン)で抹茶をすくい、茶碗に入れます。茶杓なら2杯、ティースプーンなら1杯(どちらも約2g)になります。抹茶はあらかじめ茶こしで振るっておくか、茶碗に入れる際に茶こしで振るいながら入れてダマをなくしましょう。
- 80~90℃のお湯60mLを注ぎます。沸騰させたお湯を一度マグカップなど別の容器に入れて、そこから注ぐと、ちょうどいい温度に下げることができます。
- 茶筅でお茶を点てていきます。茶筅には向きがあり、茶筅に結んである紐の結び目のある方が正面です。そこに人差し指を置き、人差し指と親指で挟むようにして持って、あとの指は軽く添えます。 茶筅で抹茶を点てる方法ですが、最初に抹茶とお湯を馴染ませ、その後、手首のスナップを効かせて数字の「1」を書くように上下に素早く動かしていきます。最後は上の方の大きな泡をなでるようにして消し、「の」の字を書いて真ん中からふわっと茶筅を抜きます。
「最初はうまく点てられないかもしれませんが、何度かやるうちにコツが掴めてくると思います。手首のスナップを効かせて、茶筅の穂先が茶碗の底を軽くこするように動かすのがポイントです。表面にうっすらとクリーミーできめ細かい泡が立ったらOKです」
もっと手軽に!シェイカーで作るのもおすすめ
このように丁寧に抹茶を点てるのが理想ですが、朝の忙しい時間など、抹茶をサッと飲みたいこともありますよね。そんな時におすすめなのが、100円ショップなどで買えるシェイカーを使う方法です。
抹茶の作り方(シェイカー編)
- 最初にシェイカーに氷を1つ入れておきます。これにより、粉末の抹茶と水が程よく拡散されて、ムラなく混ぜることができます。
- シェイカーに抹茶(粉末)2gを茶こしで振るいながら入れ、80~90℃のお湯60mLを注ぎます。
- フタを閉めてシェイクし、全体が混ざり泡が立ったら器に注ぎます。
「できあがった抹茶は、そのままシェイカーで飲んでもOK! フタがしっかり閉まるボトルタイプなら、そのままカバンに入れて持ち歩くこともできて便利です」
知っておくと役に立つ!お抹茶のいただき方
あとは、お好みのお菓子と合わせて、おいしく抹茶をいただくだけです。もし、お友達などお客様のおもてなしとして、家で抹茶を出す時はどんなことに注意すればよいのでしょうか。
「抹茶を点てる際に器の縁が汚れたら、きれいに拭き取ってからお出ししてください。お茶碗の正面を相手に向けて出すようにしましょう」
家で楽しむ場合は、あまり意識する必要はありませんが、抹茶やお茶会というと「茶碗を回す」イメージが強いものです。そこで抹茶の飲み方についても、阿井さんに伺いました。
「本格的なお茶会では、おじぎの仕方や歩き方など、さまざまな作法がありますが、ここでは基本となる抹茶のいただき方・飲み方を紹介します。相手に敬意を払って、茶碗をまわして正面をはずしてから、いただきます」
お抹茶のいただき方・飲み方
- 茶碗は左の手の平に載せます。
- 右手で茶碗を手前の方向に2度回します(※回し方は流派によって異なります)。
- 飲み終わったら、飲み口を拭って、正面を向こう側に向けて茶碗を返します。
余った抹茶で「抹茶アート」も楽しもう!
抹茶を点てるのに慣れてきたら、ぜひ挑戦してみていただきたいのが抹茶アート。点てた抹茶に簡単な絵や文字を描くことで、自分だけのオリジナルの一服が楽しめます。
抹茶アートの楽しみ方
- お湯10mLに抹茶2gを入れて練り、“抹茶絵の具(とても濃い抹茶)”を作ります。とろっとなるぐらいが目安です。
- 抹茶(2g) 、お湯(50~60mL)を茶碗に入れ、お茶を点てます。
- 黒文字(和菓子をいただく時に使う楊枝)または爪楊枝などを使い、1で作った抹茶絵の具で、2の抹茶の上に絵や文字を描いていきます。もし失敗しても、茶筅で抹茶を点て直して、何度でも描き直すことができます。 「上手に描くコツは、スーと線を引くように続けて描くのではなく、チョンチョンチョンと少しずつ抹茶絵の具を置くようにしながら描いていくことです。お子様でもできますので、ご一緒にやってみても楽しいと思いますよ」
家で簡単にできる抹茶の点て方と抹茶アート、いかがでしたか? これなら自分でもできそうですよね。
「さらに手軽に抹茶を楽しみたいなら、お~いお茶 お抹茶 POWDERもおすすめです。お湯・水を入れるだけで本格的な抹茶が作れるのに加えて、ヨーグルトやアイスクリームにかけることもできます。家で過ごす時間が増えた今、さまざまな形で抹茶を楽しんでくださいね」
監修者プロフィール:阿井崇さん
伊藤園リーフブランドグループ・チーフ。お茶について幅広い知識を有する人のみが取得できる社内検定資格「伊藤園ティーテイスター」(厚生労働省認定資格)1級を持ち、茶道歴は10年以上。裏千家専任講師の資格を持ち、茶道にも精通している。
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取材協力:伊藤園