気になるぽっこり下腹とはもうお別れ!すぐできる減量

専門家監修│お腹の脂肪を落とす方法と肥満の原因

吹田 春佳(LIGHT CLINIC 副院長)
監修者
LIGHT CLINIC 副院長
吹田 春佳

公開日:2022.08.31

更新日:2023.12.21

若い頃はスリムだったウエスト、今はどこへ行ってしまったの? お腹まわりにつくのは脂肪だけとは限りません。脂肪の種類や、むくみなど考えられる原因を専門家監修のもと詳しく解説。適度な運動や食生活など、健康的に改善する方法も教えてもらいました!

監修者プロフィール:吹田 春佳さん

吹田 春佳さん

LIGHT CLINIC 副院長。30年、50年先の健康を見据えた肥満治療普及を目指してダイエット専門クリニックLIGHT CLINIC(ライトクリニック)を立ち上げ。健康的にダイエットができるよう、内服治療の相談、ダイエット施術から食事・運動指導まで、ダイエットのトータルサポートを提供している。

お腹がぽっこり!出ている理由5つをチェック!

お腹の脂肪とは?ぽっこり出ている理由をチェック!

「お腹がぽっこりと出ているのが気になる……」そんなときにまず考えるのが、脂肪ではないでしょうか?

お腹まわりには皮下脂肪と内臓脂肪がついていますが、必ずしもぽっこりお腹の原因が脂肪であるとは限りません。ここからは、お腹がぽっこり出ている場合に考えられる理由をチェックしてみましょう。

皮下脂肪

人間の体につく脂肪の総称を体脂肪といい、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つがあります。

皮下脂肪は文字通り皮下組織に蓄積される脂肪で、「体温を維持する」「外的刺激の衝撃から内臓や骨を保護する」という役割を果たしているため、少しずつ蓄積されていき、一度つくとなかなか落ちないことが特徴です。

女性は男性に比べて皮下脂肪がつきやすいといわれており、お腹まわりの他にも、お尻や太もも、二の腕など、あまり動かさない部分にお肉がつきます。

皮下脂肪が多いタイプの肥満は「皮下脂肪型肥満」と呼ばれます。

内臓脂肪

内臓脂肪とは、臓器と臓器の隙間にたまる脂肪のことです。皮下脂肪とは違い、内臓脂肪の場合は増えても気づかないことがあり、一見太って見えないのに内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の可能性もあります。

内臓脂肪は生活習慣病に深いかかわりがあることが特徴です。内臓脂肪が増え過ぎた「内臓脂肪型肥満」になると高血圧、高血糖、脂質異常、動脈硬化、メタボリックシンドロームなど、生活習慣病リスクが高まるため注意が必要です。

内臓脂肪は女性よりも男性につきやすいといわれますが、更年期を迎えて女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、女性も内臓脂肪がつきやすくなるため、注意したい脂肪です。

便秘

お腹まわりが気になる場合、皮下脂肪や内臓脂肪ではなく、便秘によってお腹がぽっこりと出ている可能性も考えられます。

食生活の乱れや運動不足の影響で便秘になると、排出されないまま腸内にたまった便やガスによってお腹が出てしまうことも。

便秘によって腸の働きが低下すると、脂肪をため込みやすい体質になってしまうため、減量中の人はダイエットにも悪影響が出ます。肌荒れにもつながるため、便秘には注意しましょう。

むくみ

冷えなどが原因になって起こるむくみも、お腹まわりが気になる原因になります。

むくみがぽっこりお腹の原因となっている場合、体にたまった水分を排出させるだけでもすっきりする可能性があるため、むくみ解消のためのマッサージやストレッチ、ツボ押しなどを試してみるのがおすすめです。

かかとを上げる簡単な体操をするだけでも、むくみ解消効果が期待できます。

病気の可能性

肝臓の腫瘍や卵巣腫瘍などは、無症状でどんどん肥大化する場合があります。

上記4つに対処しても改善されない、突然お腹がでてきた、どんどん大きくなってくるようであれば検査が必要な可能性もありますので、心に留めておいてください。

体脂肪率の理想値はどのくらい?

体脂肪率の適正値は、年齢や性別によって変化します。

目安としては、40〜59歳の女性の場合は22〜35%、60歳以上の女性の場合は23〜36%が適正な体脂肪率です。

体脂肪率は見た目でもある程度予測できますが、内臓脂肪の場合はたくさんついていても一見太って見えないこともあるため、体脂肪率を知りたい場合は家庭用体組成計・体脂肪計などで測定してみましょう。

お腹まわりに脂肪がついてしまう原因

お腹まわりに脂肪がついてしまう原因

ここからは、お腹まわりに脂肪がついてしまう原因をご紹介します。

トランス脂肪酸の摂取

農林水産省が公表した「トランス脂肪酸の摂取と健康への影響」によれば、トランス脂肪酸は肥満、アレルギー性疾患、冠動脈性心疾患との関連が認められており、人間に必要不可欠なものではないため、できるだけ摂取量を減らすことが推奨されています。

また、海外の研究では、トランス脂肪酸は他の部分の脂肪を腹部に移動させることでウエストに脂肪をつけてしまうという結果も出ています。

ただし、脂肪は欠かせない栄養素であるため、トランス脂肪酸ではなく、良質な脂肪を摂取しましょう。

ストレスの影響

ストレスにさらされると、コルチゾールの分泌が多くなります。コルチゾールが増加すると食欲が増進するため、食べ過ぎや飲み過ぎにつながり、余計なカロリーを摂取してしまうことに。

また、ストレスを感じると暴飲暴食につながるだけではなく、高カロリーな食べ物を欲するようになります。普段からストレスにさらされている人は、ストレスがお腹まわりの脂肪につながっている可能性も考えられるでしょう。

腸内環境

腸内環境も、太りやすさに影響する要素です。人間の腸にはおよそ100兆個もの細菌が住んでおり、その割合は一人ひとり異なります。

腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸には胃腸の働きをゆるやかにし、満腹感を得やすくなることで自然に食事量を減らす効果があると考えられています。

日本で肥満の人と痩せている人の腸内環境を調べたところ、肥満の人は痩せている人に比べて短鎖脂肪酸を作り出す腸内細菌が少ないという結果が出ています。

お酒の飲み過ぎ・食べ過ぎ

食べ過ぎれば摂取カロリーが消費カロリーを上回りやすくなるため太る原因になりますが、お酒の飲み過ぎにも注意が必要です。

お酒は糖質が含まれているものが多く、飲み過ぎは太る原因に。また、糖質の少ないお酒の場合も、体がアルコールを分解するときに中性脂肪が作られるため太る原因になります。

悪い姿勢

猫背などの悪い姿勢は、お腹まわりに脂肪がつく原因になります。悪い姿勢は、お腹まわりの筋肉の衰えや内臓の働きの低下につながるためです。

筋力低下

お腹まわりの筋力が低下すると、内臓が下垂し、お腹がぽっこりと出やすくなります。また、筋肉の量が減ると基礎代謝量が下がるため、脂肪を燃焼しにくくなります。

お腹の脂肪を落とす方法

お腹の脂肪を落とす方法

ここからは、お腹の脂肪を落とす方法をご紹介します。

有酸素運動+筋トレ

お腹の脂肪を落とすためにおすすめの運動が、「有酸素運動と筋トレ(無酸素運動)の組み合わせ」です。有酸素運動だけ、筋トレだけで行うよりも、両方を組み合わせた方が効果的に体脂肪を燃やすことができるといわれています。

有酸素運動にはウォーキングや水泳、ジョギングやランニング、サイクリングなどがあり、自分の好きなものを取り入れてみましょう。今はトレーニングをサポートしてくれるスマートフォン用のアプリもあるので、アプリを使って減量につなげるのもおすすめです。

運動習慣のない人や、運動が苦手な人は、まずは手軽にできるウォーキングがいいでしょう。

簡単にできるお腹まわりに効果的な筋トレとしては、プランクがあります。

  1. 床にうつ伏せになり、肩の真下になるようにして肘を90度に曲げて床につける
  2. そのまま体を浮かせ、前腕から肘までと、つま先だけが床についている状態になる
  3. 頭から足が一直線になるように意識して、10秒キープする
  4. 3回を目安に行い、慣れてきたら少しずつキープする時間を延ばす

栄養バランスの食事を心掛け、タンパク質を摂取する

無理な食事制限をすると、一時的に体重が減ったとしても体脂肪が増えやすい体になってしまいます。

食事を抜くなどの無理なダイエットは避け、栄養バランスのいい食事を心掛けることが大切です。早食いは食べ過ぎにつながるので、よく噛んでゆっくり食事をすると自然と満腹感を得られます。

また、筋肉の維持・向上につながるタンパク質を積極的に摂取しましょう。食事での摂取が難しい場合は、プロテインを活用するのもおすすめです。

肉・卵・乳製品を控え、魚や野菜、豆、穀物を中心にした食習慣の「地中海式ダイエット」を取り入れるのも効果的です。

砂糖入りの甘い飲み物をやめる

砂糖が入った甘い食べ物は、カロリーが高いです。甘い清涼飲料水などを飲む習慣がある人は、砂糖を含まない飲み物に変えてみましょう。

なお、人工甘味料は取り過ぎると余計に甘い物を欲するようになる可能性もあり、避けた方がいいとされています。

効果的にダイエットをするのであれば、砂糖入りの甘い飲み物の代わりにお茶を飲むのがおすすめです。緑茶や抹茶などのお茶に含まれる「ガレート型カテキン」には、体脂肪率の低減やコレステロール値を下げる効果が期待できます。

最近では体脂肪を減らすお茶のペットボトルも多く販売されているので、手軽に取り入れられるのもポイントです。

ストレスを発散する

ストレスは食べ過ぎにつながるだけでなく、脂肪燃焼を妨げる効果もあるといわれています。また、ストレスは心身の健康にも悪影響を与えるため、定期的にストレス解消をすることが大切です。

睡眠の質を高める

十分な休息が取れないと、人間の体はエネルギー節約のため基本的な機能を低下させます。すると、代謝の低下や、欲望を抑えられなくなるなど、脂肪の蓄積につながってしまいます。

また、睡眠不足になると食欲を増進させるホルモン「グレリン」が増加し、満腹感を与えるホルモンの「レプチン」が減少してしまい、食べ過ぎにつながります。

誰かを誘って減量にチャレンジする

「ダイエットを始めても挫折してしまう」「減量を継続するのが難しい」という人は、家族や友達を誘って減量にチャレンジするのもおすすめです。

海外の研究では、チーム別対抗減量大会を行ったところ、チームメイトからの励ましがあった場合は、減量を達成する確率が20%も増えたそうです。

お腹まわりのお肉を取りたいと思ってがんばっても、なかなか思うように結果が出ないこともあります。そんなとき、励まし合う仲間がいれば、挫折せずにダイエットを続けられるでしょう。

お腹の脂肪は健康的に落とす!

お腹まわりにお肉がついたり、下腹がぽっこり出てしまう原因には脂肪の他にもさまざまなものがあります。

無理な減量は逆に体脂肪を増やしてしまう可能性があり、体を壊す原因にもなるため、健康的にダイエットを行うことが大切です。ダイエットで挫折してしまいがちという人は、誰かを誘って一緒にがんばってみてもいいでしょう。

砂糖入りの甘い飲み物をお茶などに置き換え、バランスのいい食生活や運動を取り入れて、健康的にお腹の脂肪を落としていきましょう。

※この記事は2022年8月の記事を再編集して掲載しています。

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