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体脂肪率の正確な測り方って?ダイエット中や健康維持のために気になる「体脂肪率」ですが、家庭では測定に誤差が出がち。正確な測定のコツや、ベストなタイミングをご紹介!体組成計で体脂肪を測る仕組みや注意点についても解説します。
体脂肪計や体組成計で体脂肪率を測る仕組み
体脂肪計や体組成計とは、体の中の脂肪や筋肉量、推定骨量、体水分量などを測定するための機器のことです。体脂肪計や体組成計を販売している主なメーカーには、タニタ(TANITA)、オムロン(OMRON)、エレコム(ELECOM)、パナソニック(Panasonic)、ドリテック(DRETEC)などがあります。
体脂肪とは、体全体にある脂肪のことで「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つに分けられます。脂肪は油脂であるため、臓器のように水分はあまり含んでおらず、電気が通りにくいのが特徴です。
体脂肪計や体組成計では、体に弱い電流を流し、電気の流れやすさを測ることで体脂肪を推定しています。体脂肪率を測る機能の付いた体重計には足を乗せる部分に電極がついており、ここから弱い電流が流れるようになっています。
体脂肪率の測り方にはさまざまな方法がありますが、ほとんどの体脂肪計でこのような「生体電気インピーダンス法」によって体脂肪計が計算されています。
体脂肪率の計測方法の種類
体脂肪率の測り方には、いくつかの種類があります。ここからは、体脂肪率の計測方法の種類についてご紹介します。
生体電気インピーダンス法
生体電気インピーダンス法は上記でご紹介した、体に微弱な電流を流すことで体脂肪率を測定する方法です。
簡単に測定できることが特徴で、家庭用体脂肪計にも使われており、ほとんどの体脂肪計がこの方法で測定しています。
キャリパー法
キャリパー法とは、「キャリパー」と呼ばれる専用の測定機器を使って体脂肪を推定する方法です。キャリパーで指定の部位の脂肪をつまんで測った脂肪の厚みをもとに、体脂肪率を計算します。
皮下脂肪の厚みは体の中の水分量に影響されないため、入浴後や飲食後でも結果に影響が出にくいこと、測定機器さえあれば場所を選ばずに測定可能なことがメリットです。しかし、測定者によって測定結果に誤差が生じる可能性があります。
DEXA法(二重エネルギーX線吸収法)
DEXA法(Dual Energy X-Ray Absorptiometry/二重エネルギーX線吸収法)は、波長の異なる2種類のX線を体に照射し、透過率の差から体組成を測る方法です。
骨粗鬆症の診断や治療のために骨密度や骨量を測定する際に用いられる方法で、体脂肪率も測定可能です。高い精度で体組成を測定可能ですが、医療機関などで測定する必要があり、計測にも時間がかかります。
水中体重秤量法(水中体重測定法)、空気置換法
水中体重秤量法(水中体重測定法)は、陸上と水中の両方で体重を測り、その差を特殊な式に当てはめることで体脂肪率を推定する方法です。
空気置換法は、大きな卵のようなカプセルに入り、その中の空気の圧力の差から体脂肪率を測定する方法です。
水中体重秤量法(水中体重測定法)と空気置換法は、体脂肪率を最も正確に測定できる方法とされています。しかし、測定のために大規模な設備が必要となることや、身体的な負荷もかかるため、一般的ではありません。
トップアスリートの場合、一般の人とは筋肉の付き方が異なり、生体電気インピーダンス法では正確な体脂肪率が出せないため、このような方法で正確な体脂肪率を計測することもあります。
体脂肪率の測り方の基本「毎日、同じ時間に計測する」
体脂肪率などの体組成を自宅で正確に測るためには、「毎日、同じ時間に計測する」ことが基本です。
体脂肪や体重などは毎日同じではなく、変化しています。食べ物や飲み物、運動、入浴などに影響されるため、毎日バラバラの時間に測ったのでは、正確な数値を出すことができません。
食事や運動、入浴による増減なのか、それともダイエット効果が出たことによる増減なのか、体脂肪率の変化を正しく把握するためには、なるべく毎日同じ時間に測ることが大切です。
体脂肪率はいつ測ればいい?
体脂肪率は同じ時間に測定することが大切です。ここからは体脂肪率はいつ測ればいいのか、おすすめのタイミングや、避けた方がいいタイミングをご紹介します。
体脂肪率を測るおすすめのタイミング
体脂肪率を測るおすすめのタイミングは、「朝起きた後」「入浴前」「寝る前」です。
このようなタイミングであれば、食事から時間が経っており、体内の水分の状態が安定している可能性が高いためです。
また、朝であればパジャマから着替える、入浴前は服を脱ぐ、寝る前はパジャマに着替えるタイミングで薄着になるので、ちょうどいいタイミングでしょう。
体脂肪率を測るときに避けた方がいいタイミング
体脂肪率を測るときに避けた方がいいタイミングとしては、「食後」「入浴後・サウナ後」「運動した直後」などです。
食事をした後やお酒を飲んだ後は水分が増えた状態になるため、正確な数値にならない可能性があります。入浴後やサウナ後、運動後は汗をかくことで体内の水分量が減るため、こちらも正確な数値にならない可能性があります。
体脂肪計の測定結果の見方
体脂肪率とは、体に占める体脂肪(皮下脂肪と内臓脂肪)の割合をパーセンテージで示した数値です。体脂肪が過剰に蓄積された状態が、「肥満」となります。
体脂肪は、低ければ低いほどいいというわけではありません。体脂肪は体温維持やホルモン分泌コントロール、外的衝撃から内臓を守る、健康的なボディラインを保つなどの役割を担っており、体脂肪率が低過ぎると健康に悪影響が出ることがあります。
40〜59歳の女性の体脂肪率の平均値は、22〜35%までが標準の範囲です。
体脂肪率は見た目からもある程度予想することができますが、一見痩せて見える人でも内臓脂肪が多くついている「隠れ肥満」の可能性があります。体脂肪率を落としたい、ダイエットしたい、健康管理したいという場合は、きちんと体脂肪率を測定するのがおすすめです。
体脂肪率を正確に測るポイント
ここからは、体脂肪率を正確に測るポイントをご紹介します。
毎日同じ時間、服装で測る
測るタイミングに気をつけるだけでなく、同じ時間帯に測ることも大切です。「昨日は夜、今日は朝」では条件が変わり、測定結果に誤差が出る可能性があります。
朝なら朝、昼なら昼、夜なら夜と、体脂肪率を測る時間を決めておきましょう。そうすることで、体内の水分量の変化に伴う誤差を最小限にできます。
また、服を着て測定する場合は、パジャマやTシャツなど、毎回同じような服装を選ぶのがおすすめ。服の重さによっても誤差が生じるためです。
測定前に排尿や排便を済ませておくこともポイント。毎日なるべく同じ条件で測ることが、正確な体脂肪率を測る上で大切です。
身長・性別・年齢を正確に入力する
体脂肪計や体組成計では、測定前に身長・性別・年齢などのデータを入力します。このデータが間違っていると、測定結果が正しいものにならないため、必ず正しいデータを入力することが大切です。
平らで硬い場所で計測する
体脂肪率を測るときは、計測場所にも注意が必要です。平らで、しっかりと硬い場所に体脂肪計や体組成計を置いて、計測しましょう。
畳や絨毯、マットなど柔らかいものの上に置いた状態では安定せず、正しい数値が測定できません。
素足、軽装で測る
体脂肪率を測定できる体重計は、足の裏が乗る部分に電極があり、ここから微弱な電気を送ることで体脂肪率を測定しています。そのため、素足で乗る必要があります。
靴下やストッキングなどを履いていたり、足が濡れている状態、足の裏にゴミがついていたりすると、うまく測れずに誤差が生じる可能性があります。足の裏をきれいにしてから、素足で乗りましょう。
体脂肪率を測るときの服装は、可能であれば何も服を着ていない、裸の状態で測るのがベスト。その方が正確な数値になりやすいです。
しかし、裸で測定するのが難しい場合は服を着てもOK。服の重さが測定結果に影響しないよう、なるべく軽装を選びましょう。
体脂肪率を測るときの注意点
ここからは、体脂肪率を測るときの注意点をご紹介します。
食後や運動直後は避ける
体脂肪計や体組成計は、体の中の体脂肪率を直接計測しているわけではありません。体の中に微弱な電気を流すことで体脂肪の量を推定するという仕組みのため、体の中の水分量が変わると、電気の流れ方が変わり、結果に誤差が出てしまいます。
人間の体は約60~65%が水分でできていますが、飲み物を飲んだり、汗をかいたりすることで水分量は増減します。体に水分がたくさんあると電気が通りやすい状態になり、体脂肪率が通常よりも低く表示されます。
また、入浴や運動による体温の変化も、電気の通り方に影響します。正確な体脂肪率の数値を把握するためにも、なるべく水分や体温の影響を受けないタイミングで計測することが大切です。
ペースメーカーを装着している人は体脂肪計を使用できない
体脂肪計や体組成計では、体内に弱い電流を流すことで体脂肪率などを計測しています。この電流により、医用電気機器が誤作動を起こす可能性はゼロではありません。
そのため、ペースメーカーなどの医用電気機器を装着している人は、体脂肪計や体組成計などを使用できません。
体脂肪率は正しい測り方で計測することが大切!
体脂肪率は、家庭用に販売されている体脂肪計や体組成計を使うことで、簡単に測定できます。しかし、測定結果が体内の水分量に影響される点には注意が必要です。体内の水分が増減したタイミングでは、正確な測定ができません。
正確な体脂肪率を知るためには、体内の水分量が変化する食後や運動後は避け、毎日同じ時間、同じ服装など、同じ条件で測ることが大切です。
なお、体組成計の中には「電極のようなもの(本物の電極ではない)」が付いた安価なものも出回っており、これでは体脂肪率は測れません。体脂肪計や体組成計を購入する場合は、信頼できる高精度なものを選びましょう。
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