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- 皮下脂肪と内臓脂肪の違いって?適正値や見分け方
体脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があります。付きやすさ・落としやすさなどそれぞれの違いや特徴、平均値や適正値について解説します。自分の体に付いている脂肪の原因や特徴を知って、効果的な方法で減量・ダイエットを行いましょう。
体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の違い
ダイエットや減量中に気になる「体脂肪」「皮下脂肪」「内臓脂肪」。効果的に減量するためには、これらの違いを知っておくことが大切です。
体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪のそれぞれの違いについて、見ていきましょう。
体脂肪とは
体脂肪とは、体につく脂肪の総称のことで、中性脂肪(血液中の脂肪)がもとになっています。体脂肪は、蓄積される部位によって「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つに分けられます。
体重のうちの体脂肪の割合をパーセンテージで表したものが「体脂肪率」で、数値化することによって、肥満や痩せ過ぎの目安にできます。
体脂肪率とBMIの違い
ダイエットの指針となる基準としては、BMI(Body Mass Index)もよく知られていますが、体脂肪率とどのような違いがあるのでしょうか?
BMIは肥満度を表す体格指数のことで、「体重kg÷(身長m×身長m)」の式で算出します。日本肥満学会ではBMI22を適正体重(標準体重)とし、18.5以下は低体重、25以上は肥満となります。
「体脂肪率=体に占める脂肪の割合」、「BMI=体重と身長のバランスから肥満度を測る指数」と、体脂肪率とBMIでは視点が異なるため、ダイエットのときは両方の数値を活用しましょう。
BMIは低いものの、体脂肪率が高い場合は「隠れ肥満(内臓脂肪型肥満)」と呼ばれ、生活習慣病リスクが高まるため注意が必要です。
皮下脂肪とは?皮下脂肪型肥満の体型の特徴
皮下脂肪とは、皮下組織にたまる脂肪のことで、外的刺激の衝撃から内臓や骨を守ったり、体温維持の役割を果たしています。
皮下脂肪は男性よりも女性につきやすく、お尻や太ももなど下半身、お腹まわり、二の腕などあまり動かさない部位につきます。皮膚の下に付くため、見た目からも脂肪が付いていることがわかりやすいです。
皮下脂肪が多いタイプの肥満を「皮下脂肪型肥満」といい、洋ナシの形のように下半身が太って見えることから洋ナシ型肥満とも呼ばれます。
体を守る役割を果たしている皮下脂肪は少しずつ蓄積し、一度つくとなかなか落ちないことが特徴です。
皮下脂肪が異常に増えると、体型など見た目に変化が生じ、腰や膝などに負担をかけることで整形外科的疾患のリスクが上昇します。
内臓脂肪とは?内臓脂肪型肥満の体型の特徴
内臓脂肪は、胃や腸など、臓器と臓器の隙間を満たすように蓄積する脂肪です。内臓を覆っている膜に脂肪が蓄積されるため、一見太って見えないこともあります。(隠れ肥満)
内臓脂肪が多いタイプの肥満を「内臓脂肪型肥満」といい、内臓脂肪が増えるとお腹がぽっこりと出るため、リンゴ型肥満とも呼ばれます。内臓脂肪型肥満は、男性に多い肥満のタイプです。
内臓脂肪は健康リスクに関わることが知られており、高血圧、脂質異常、高血糖、メタボリックシンドローム、動脈硬化など生活習慣病と強い関連があります。
女性も更年期を迎えると内臓脂肪が蓄積しやすくなるため、注意しましょう。
内臓脂肪はたまりやすいものの、皮下脂肪よりも落としやすい脂肪です。
体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の平均値や適正値
ここからは、男女それぞれの体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の平均値や適正値をご紹介します。
【女性の体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の平均値や適正値】
- 体脂肪率:20.0%~29.9%が標準。これを超えると体脂肪量が多いとみなされる
- 皮下脂肪率:18.5~26.7%未満が標準。これを超えると皮下脂肪率が高いとされる
- 内臓脂肪:ウエスト周囲径で90cm以上を超えると、内臓脂肪が多いとされる
【男性の体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の平均値や適正値】
- 体脂肪率:10.0%~19.9%。これを超えると体脂肪量が多いとみなされる
- 皮下脂肪率:8.6~16.7%未満が標準。これを超えると皮下脂肪率が高いとされる
- 内臓脂肪:ウエスト周囲径で85cm以上を超えると、内臓脂肪が多いとされる
内臓脂肪は家庭用の体組成計(体重計、体脂肪計)では「内臓脂肪レベル」で表示され、9.5以下であれば内臓脂肪蓄積のリスクが低い「標準」、10.0〜14.5は運動や食事制限によって、標準レベルを目指す必要がある「やや過剰」、15.0以上は積極的な運動や食事制限が必要な「過剰」と判定されます。
内臓脂肪レベル10以上になると、内臓脂肪型肥満(内臓脂肪面積100平方センチメートル以上)となり、生活習慣病のリスクが高まるため注意が必要です。
なお、上記はあくまで平均です。女性は50代を迎えると更年期の影響による女性ホルモン減少や筋肉量の低下で脂肪がつきやすくなります。健康的な体型を目指すのであれば体脂肪率24%〜28%程度を目標にするといいでしょう。
体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪の測り方
ここからは、体脂肪・皮下脂肪・内臓脂肪それぞれの測り方をご紹介します。
体脂肪:生体電気インピーダンス法(体組成計)など
体脂肪率の測り方には、以下のようにいくつかの計測方法があります。
- 生体電気インピーダンス法
- DEXA法(二重エネルギーX線吸収法)
- 水中体重秤量法(水中体重測定法)
- 空気置換法 など
家庭用の体組成計・体脂肪計で使われている仕組みが「生体電気インピーダンス法」です。
生体電気インピーダンス法とは、足を乗せる部分についた電極から体に弱い電流を流し、電気の流れやすさを測ることで、体脂肪率などの数値を推定する方法です。
生体電気インピーダンス法は自宅でも手軽に体脂肪率などを測定できることがメリットですが、測定結果が体内の水分量に影響されるため、なるべく正確な数値を測るためには測定条件を常に同じにする必要があります。
内臓脂肪:ウエスト周囲径、腹部CT
内臓脂肪の簡単な測り方としては、ウエスト周囲径を測定する方法があります。
メタボリックシンドロームの診断基準では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が女性は90cm以上、男性は85cm以上で血圧(130/85mmHg以上)・血糖(110mg/dL以上)・脂質(中性脂肪150mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満のいずれか、もしくは両方)のうち2項目以上が基準値を超えると「メタボリックシンドローム」と診断されます。
しかし、お腹まわりを測るのみでは、皮下脂肪が多いのか、内臓脂肪が多いのかを正確に測定することはできません。
正確な測定をする場合は、CT検査を行い、腹部の断面図を撮影する方法があります。CT検査とは周囲を回転しながらX線を照射する方法で、痛みはなく、内臓脂肪の測定の場合は造影剤は不要です。
CT検査の断面図では、内臓脂肪だけではなく皮下脂肪が色付けされているため、どちらが多いのか、どんな付き方をしているのかがひと目でわかります。
皮下脂肪:キャリパー法(皮下脂肪厚測定法)
皮下脂肪は、キャリパー法(皮下脂肪厚測定法)によって測定できます。
キャリパーと呼ばれる測定機器を使い、上腕背側部(肩と肘の中間)と肩甲骨下部(背中の肩甲骨の下)の2か所の皮膚をつまみ、皮下脂肪の厚みを測定します。
測定機器の挟む圧力の調整など、測定技術が求められるため、測定者によって誤差が生じることがあります。なお、キャリパーがなくても、つまんだ部分の厚みを定規などで測ることで皮下脂肪の厚みを把握可能です。
キャリパー法で測った2か所の合計値をもとに、以下のように体脂肪率を算出することもできます。
【皮下脂肪の合計値(mm)と体脂肪率(%)】
- 10mm=約10.8%
- 15mm=約13.3%
- 20mm=約15.8%
- 25mm=約18.3%
- 30mm=約20.8%
- 35mm=約23.8%
- 40mm=約26.8%
- 45mm=約29.8%
- 50mm=約32.8%
- 55mm=約35.85%
- 60mm=約38.8%
- 65mm=約41.8%
- 70mm=約44.8%
皮下脂肪と内臓脂肪の見分け方は?
皮下脂肪と内臓脂肪では特徴が異なるため、ある程度見分ける方法があります。ここからは、皮下脂肪と内臓脂肪の見分け方をご紹介します。
体型で見分ける
太っている原因が皮下脂肪なのか内臓脂肪なのかは、体型からある程度判断可能です。
お尻や太ももなど、主に下半身に脂肪がついている洋ナシ型体型の場合は、皮下脂肪が集中していることが原因と考えられます。
一方、いわゆる「太鼓腹」など、お腹まわりに脂肪がついてぽっこり出たリンゴ型体型の場合は、内臓脂肪が胃や腸の周囲に蓄積していると考えられるでしょう。
皮膚を触ったり、つまんだりして判断する
体型から判断が難しい場合は、皮膚を触ったり、つまんだりして判断する方法もあります。
皮下脂肪は、皮下組織の下にあるため、簡単につまむことが可能で、柔らかさを感じる感触をしています。
内臓脂肪は腸間膜に付着するものであり、表面からつまんだり、感触を確かめることはできません。内臓脂肪がついている場合、脂肪が内側からお腹を膨らませるため、皮膚がパンと張ったような弾力や硬さがあります。
皮下脂肪がつく原因・減らし方
皮下脂肪が付くのは、カロリーの取り過ぎや運動不足が原因です。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、余ったエネルギーが脂肪として体に蓄積されてしまいます。
皮下脂肪の減らし方としては、タンパク質と食物繊維をしっかり取り、筋トレ(無酸素運動)で筋肉を増やすことが挙げられます。ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れるのもおすすめです。
内臓脂肪がつく原因・減らし方
内臓脂肪は代謝活性が高く、エネルギーの出し入れがしやすいという特徴があります。そのため、食べ過ぎによって蓄積されやすい脂肪です。ストレスや喫煙も、内臓脂肪の蓄積を促進します。
内臓脂肪の減らし方は食べ過ぎないことが基本です。その上で有酸素運動を行い、脂肪を燃焼しましょう。
皮下脂肪と内臓脂肪の違いを理解して健康的に減量!
体脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪があり、どちらも人間が健康を維持する上で欠かせないものです。しかし、いずれも増え過ぎたり、少な過ぎたりすれば健康に悪影響を及ぼします。
性別に関係なく、加齢とともに内臓脂肪は蓄積しやすくなるため、バランスのいい食事や運動を心掛け、適正値な体脂肪率を維持することが大切です。
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