足・顔・手指別に紹介します

むくみを今すぐ取りたい!即効解消法&ツボマッサージ

鍼灸・接骨・漢方の犬山堂
監修者
鍼灸・接骨・漢方の犬山堂
三輪考司

公開日:2021.08.13

更新日:2024.09.16

つらい手足のむくみは、一刻も早く取りたいですよね。また、起き抜けに顔がむくんでいても、忙しい朝はゆっくりケアする時間は、中々ありません。今回はそんなときにやってほしい、即効でむくみを解消する方法やツボをご紹介します。

そもそも「むくみ」ってどういうもの?

そもそも「むくみ」ってどういうもの?

むくみの症状は、足や顔など体のいろいろな部位に発生します。そのとき体の中ではどんなことが起こっているのでしょうか。まずは体がむくむメカニズムを知っておきましょう。

むくみとは体内に余分な水分がたまった状態のこと

むくみは医学的には「浮腫(ふしゅ)」と言い、なんらかの要因によって体内に余分な水分がたまった状態のことを言います。

細胞と細胞の間を満たしている水分は、細胞に栄養を送ったり、老廃物を流す働きがあります。そして細胞や血液の中を行き来して、体内の水分バランスを保っています。何らかの原因で、このバランスが崩れ、細胞の間に水分がたまることで、むくみが起きるのです。

ひどいむくみのときは、体重の5~10%以上の水分をためこんでいると言われています。例えば体重50kgの人が、むくみにより体重は52~55kg以上に増えてしまうのです。

むくみは血流が悪くなることで起こります。特に足は心臓より下にあるため、重力の影響で血液や水分がたまりやすい部位です。夕方になると足がむくむのは、このためです。

日々の生活習慣やストレスもむくみの要因に

デスクワークなどで長い時間ずっと足を動かさないと、むくみやすくなります。ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして血液やリンパを足から心臓などに送っているのですが、動かないままでいると、重力に負けて水分が足にたまってしまうのです。

飲酒もむくみの要因に。お酒を飲むことで血中のアルコール濃度が高くなると血管が拡張し、血管やリンパ管から水分が漏れ出すのです。

また、睡眠不足のときも、むくみが発生しやすくなります。寝不足で体の疲れが回復していないと、心臓の働きが低下して血液の循環が悪くなります。血液の循環が悪くなると、体の冷えにも繋がります。

さらに、ストレスなどによる自律神経の乱れも要因になります。自律神経はリンパ液や血液の流れを調整しています。自律神経が乱れていると血行も悪くなり、水分がたまりやすくなってしまうのです。自律神経を整えると老廃物も流れやすくなり、むくみの解消に繋がります。 

むくみが女性に多いのはホルモンが関係していた

むくみは、男性よりも女性の方が発生しやすい症状。特に生理前などに起きやすく、更年期の代表的な症状でもあります。これには女性ホルモンが関係しています。

生理前にむくみやすいのは、女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌が一時的に増えるため。プロゲステロンは妊娠した状態を安定させるために、水分を体にためこむという作用があるのです。

また、更年期に起こりやすいむくみは、もう一つの女性ホルモンであるエストロゲンの分泌の減少が関係しています。女性ホルモンのバランスが崩れることで、体内の水分バランスに不調をきたし、そして、更年期は自律神経も乱れやすいので、その影響で血行やリンパの流れも悪くなりむくみが起こるのです。

「むくむから水分を控える」のは逆効果!

「むくむから水分を控える」のは逆効果!

ため込んでしまうのなら、水分を取るのを控えようと思っていませんか。実はそれは間違い。水分の取り過ぎがむくみの原因ではありません。では、なぜ体は水分を溜め込んでしまうのでしょうか。

むくみの要因は水分不足!

人の体には、適切な水分の割合を維持する仕組みがあります。それにより、水分が足りない場合は喉が乾くことにより、水分を補給するように促し、水分が多くなると尿として排泄されます。

水分不足になると、脳はこれ以上水分を減らさないために、尿を出さないようなホルモンを出します。生命維持のために水分をためこもうとするのです。

喉の乾きを感じていないのに体が水分不足と判断する要因の一つに、塩分の取り過ぎが上げられます。体内の塩分濃度は、常に0.9%に保たれています。塩分濃度が高すぎても低すぎても細胞は活動できません。

そのため塩分を取り過ぎると、体は塩分濃度を薄めようと水分の排出を抑えて、体内に水分をためこむようになります。これが、むくみとなって表れます。

醤油や味噌など塩味を好む日本人は、特別濃い味好きでなくとも塩分過多になりやすいと言われているので、注意が必要です。

正しい水分の取り方は?

むくみは水分不足が原因。では水分をたくさん取れば、むくみは解消するのでしょうか。確かに、むくんだとき水分を取るのは大切ですが、ただ水を飲んだだけでは尿や汗として排出されてしまいます。

むくみを取るには、たまった水分と一緒に塩分も排出しなければいけません。そこで注目するのが「カリウム」です。カリウムとはミネラルの一種であり、塩分であるナトリウムの量を調整する作用があります。

そこで、ミネラルを多く含む硬水を飲むこともおすすめ。ただし、超硬水と呼ばれるミネラルウォーターはナトリウムも含んでいるため、かえってむくみを誘発することがありますので気を付けて。カルシウムやサルフェートが豊富な中硬水が良いと言われています。

水分を取るときは一気に飲まないことが大事。体が一度に吸収できる水分は250mLが限界だからです。1日に8~9回ほど、コップ1杯の水を飲むように習慣付けましょう。

実は夏場は、むくみが起きやすい季節。暑い時期に気を付けたいのが、冷たい水をがぶ飲みすること。なるべく常温か温かい飲み物を取るようにしましょう。冷たい飲み物は体を冷やし、胃腸や細胞の働きも鈍くしてむくんでしまう可能性があります。

部位別!即効むくみ解消法

部位別!即効むくみ解消法

「予防をしていても、やっぱり夕方にはむくんでしまう」そんなとき、一刻も早くむくみを取るには、どうすればいいのでしょうか。むくみの部位別に解消法をご紹介します。

一日がんばった足を優しくほぐそう

足のむくみの症状は、代表的なものが3つあります。

  • 足のすねを指で押すと、へこんだまま戻らない
  • 靴下のゴムの跡が消えない
  • 足先全体がパンパンになり靴が入らない

このようなむくみは夕方起こりやすいものです。立ち仕事やデスクワークなどで一日がんばった足を労る、むくみ解消法を試してみましょう。

【足首回し】
椅子に座って右足を左の太ももの上に乗せ、右足の先を持ち足首を回します。時計回りと反対回りを各10回ずつ行いましょう。また、ふくらはぎを下から上に揉んでたまった水分を押し上げましょう。

【かかとの上げ下げ】
立った状態でかかとの上げ下げを10回ほど繰り返します。下ろすときにかかとが床に着かないスレスレで、再度かかとを上げましょう。つま先立ちでふらつく人は、壁や椅子を支えにしてください。

【アキレス腱伸ばし】
足を前後に開いてアキレス腱を伸ばすのも効果的です。しかし、場所が無かったり恥ずかしい場合は、座って行う方法もあります。

膝を揃えて椅子に座り、かかとを床につけたまま爪先を、反らせるようにぐーっと上げます。10秒ほどキープしゆっくり戻る動作を3回ほど繰り返しましょう。

顔のむくみは耳を刺激してリンパを流そう

顔のむくみは耳を刺激してリンパを流そう

顔のむくみは、寝起きのときに出やすいものです。

このような症状が出た場合は、リンパを流すことを意識しましょう。リンパ節が集まっている耳のまわりを刺激すると、血行も促進され効果的です。

【耳ぐるぐる回し】
左右の耳をつまんで上に引っ張り10秒キープします。つまむ位置をずらし、真ん中、下とそれぞれの方向に10秒ずつ引っ張りましょう。

耳を離し、今度は人差し指と中指で耳の付け根をはさみます。そのまま手のひらを動かすようにして耳を回します。前回りと後ろ回り各5回ずつ、なるべく大きく回しましょう。

また、少し時間があるときは、リンパを流す小顔マッサージを行うのも効果的です。すべりの良いクリームなどを顔と首につけ、手のひらで優しく顔を撫でます。リンパを流すには強く押さなくても大丈夫。首から鎖骨のリンパ節へ流れを促しましょう。

つらい手指のむくみは動かして解消

つらい手指のむくみは動かして解消

意外とむくみやすい部位なのが手指。お酒を飲んだ後や、腕を下ろしたまましばらく動かしていないときなどに発生しやすくなります。

  • 指輪が抜けない、はめづらい
  • 指を曲げづらい

このような場合は、体の末端である手指に水分がたまっている状態です。体の中心に水分が循環するようにケアしましょう。38~40℃程度のお湯に手を浸して温めるのも、血流を促進するため効果的です。

【バンザイグーパー運動】
心臓より高い位置に両手を上げ、バンザイのポーズをします。そのまま両手を振ったり、グーパーと開閉してみましょう。なるべくゆっくり、大きく開閉すると効果的です。回数はできる範囲でかまいません。

【指を握る】
両手を組んで手首を良く回しましょう。終わったら右手を開き、左手の手全体で右手の指を1本ずつ握っていきます。5秒ほど握ったらゆっくり離して次の指へ。反対の手も同じように行い、これを2~3セット繰り返します。

【指のストレッチ】
右腕を肩の高さまで上げ、まっすぐ前に伸ばします。手のひらを上に向け、左手で下から親指以外の4本の指を掴みましょう。そのまま指を下に引っ張りゆっくりと右手を反らせ、10~15秒ほどキープします。反対側の手も同じように行います。 

知っておこう!むくみに効くツボ

知っておこう!むくみに効くツボ

むくみを解消したいときに、知っておくと便利なのが「ツボ」です。隙間時間にそのツボ周辺を刺激することで、むくみが取れていきますよ。

寝る前やお風呂に入るときに:足のツボ

【足三里】
足三里(あしさんり)は、足の外側にあるツボです。膝のお皿から指4本分下にある、くぼんだ部分にあります。血液の循環を良くしてくれるツボで、ここを刺激すると、むくみ以外に冷えや疲れも取れやすいため、万能のツボと呼ばれています。

足三里
足三里:膝のお皿から指4本分下にあるくぼんだ部分

探しにくい場合はすねの外側を上から押していって、痛気持ちいい部分を探ってみてください。人差し指や中指でじっくり押し込むように刺激しましょう。

【三陰交】
三陰交(さんいんこう)は足の内側にあり、くるぶしの一番高いところから指4本分上の部分です。三陰交は女性のツボとも呼ばれ、女性ホルモンのバランスを整える働きがあり、むくみや冷えに効くとされています。

三陰交
三陰交:くるぶしの一番高いところから指4本分上の部分

ツボだけを刺激するのではなく、その周りも5秒ずつくらい、じんわりと押して刺激しましょう。

【湧泉】
湧泉(ゆうせん)は足の裏にあるツボで、土踏まずのやや上の中央部分にある足の指を曲げたときにへこむ部分です。

湧泉
湧泉:足の指を曲げたときにへこむ部分

水分代謝を促し、むくみを軽減する他にも、体力アップや筋肉疲労の回復にも効くと言われています。親指で押し込む他、足裏にゴルフボールなどを転がして刺激するのも効果的です。

スキンケアの合間に:顔のツボ

【翳風】
翳風(えいふう)は耳たぶの裏の、あごの付け根にあるくぼんだ部分です。リンパを流し顔の筋肉を刺激するので、むくみだけでなく、たるみやほうれい線にも効果があるため、若返りのツボとも呼ばれます。

人差し指や中指で、クルクルと回しながら刺激すると良いでしょう。

【晴明】
晴明(せいめい)は左右の目頭の横、鼻側にあります。眼精疲労やまぶたのむくみに効果があり、目が疲れたときに刺激すると良いツボです。親指と人差し指でつまむように両側からじっくり押すと良いでしょう。

家事やデスクワークの隙間時間に:手のツボ

【合谷】
合谷(ごうこく)は親指と人差し指の骨が交わったところから、やや人差し指寄りのへこみです。むくみ改善の他、血行促進や自律神経を整えたり、肩こりや眼精疲労などにも効果的と言われています。

合谷
合谷:親指と人差し指の骨が交わったところから、やや人差し指寄りのへこみ

親指と人差し指で挟むようにして押し込み、刺激します。痛いときは無理をせず痛気持ちいいくらいの強さに加減しましょう。

暑い季節は、汗をかき水分不足になりがちです。また、エアコンなどにより体が冷え、むくみやすい状態です。

上手な水分補給や運動で、むくまない習慣を心掛けましょう。それでもむくんでしまったら、ご紹介した即効解消法やツボ押しを試してみてください。

監修者プロフィール:鍼灸・接骨・漢方の犬山堂 鍼灸師、柔道整復師 三輪考司さん

鍼灸・接骨・漢方の犬山堂代表兼院長。全国的にも稀な鍼灸治療と漢方治療を同時に行うワンストップ型東洋医学治療院として、鍼灸・接骨・漢方の犬山堂( 愛知県)を開院し、代表兼院長をつとめる。不定愁訴やメンタル(うつ)、変形性ひざ関節症、天気痛、不妊症、EDなどにも、鍼灸および漢方を用いて、東洋医学での治療を行っている。

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