なぜ?原因不明の体調不良にどう対処する?原因・病気

原因がわからずとにかく体調が悪い│不定愁訴の対処法

横倉恒雄さん(横倉クリニック)
監修者
横倉クリニック
横倉恒雄

公開日:2023.11.06

更新日:2023.11.06

「原因がわからずとにかく体調が悪い」「なんとなく体調が悪い」……そんな不定愁訴で悩む人は少なくありません。検査をしてもわからない原因不明の体調不良につながることのある要因や隠れた病気、対処法を解説!何科に行けばいい?と悩む人はぜひチェック!

原因がわからずとにかく体調が悪い「不定愁訴」とは?

不定愁訴とは、原因ははっきりわからないものの、なんとなく体調が悪いという状態のことを指します。「愁訴(しゅうそ)」とは「苦しみや悲しみなどを口に出して訴えること」という意味です。

「微熱が続いており血液検査など検査をしても異常はないのに具合が悪い」「いつも頭が重たいが病院で検査しても原因がわからない」「動悸が気になり心臓や循環器系の検査をしたが問題なかった」など、とにかく体調が悪い状態が続くのに、検査をしても原因がわからないため、悩んでいる人も少なくありません。

不定愁訴の症状は一定ではなく、日によって軽くなったり重くなったり、違う症状が現れることもあります。

不定愁訴は女性に多く、悩んでいる人は少なくない

「原因がわからずとにかく体調が悪い」「なんとなく体調が悪い」と悩む人は多く、『首都圏在住の中年成人における不定愁訴と体重認識のずれについて』という発表によれば、女性の28.3%に不定愁訴傾向が見られたといいます。

また、不定愁訴は女性に多く見られることも特徴です。これは、女性は月経・妊娠・出産・閉経のタイミングで女性ホルモンの分泌量が大きく変動することが影響していると考えられています。

女性ホルモンのバランスが崩れやすく、自律神経の乱れにつながるため、不定愁訴が起こりやすいのです。

不定愁訴・原因のわからない体調不良の代表的な症状

不定愁訴・原因のわからない体調不良の代表的な症状

不定愁訴には、頭痛や倦怠感、冷えなど「身体的な不調」と、気分の落ち込みやイライラ、眠れないといった「精神的な不調」があります。

よく見られる症状としては、以下の通りです。

  • めまい
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 動悸
  • だるい、倦怠感
  • 疲れやすい、疲れが取れない
  • 頻脈・不整脈
  • 喉のつかえ
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 不安感や焦燥感、落ち込み
  • イライラ感
  • 情緒不安定
  • 睡眠障害(眠れない、寝付きが悪い、不眠症など)
  • 便秘や下痢
  • 目の疲れ
  • むくみ
  • 冷え
  • 手足のしびれや痙攣
  • 肩こり、腰痛 など

症状の現れ方や程度、期間、頻度は人それぞれ異なり、複数の症状が現れる人もいれば、一つの症状が長く続く人もいます。

不定愁訴・原因のわからない体調不良につながる原因

不定愁訴・原因のわからない体調不良につながる原因

体調不良は、病気以外でもさまざまな原因によって引き起こされることがあります。ここからは、考えられる原因について見ていきましょう。

自律神経の乱れ

不定愁訴の多くは、自律神経の乱れが原因といわれています。

ストレスや不規則な生活習慣、ホルモンバランスの乱れなどがあると、体の機能を調節している自律神経が乱れてさまざまな不調につながります。

鉄欠乏(鉄不足)

不定愁訴の原因の中でも、女性に多いと考えられているのが、鉄欠乏(鉄不足)によるものです。

女性は月経(生理)があり、定期的に血液が一定量失われるため、鉄欠乏が起こりやすくなります。

鉄は赤血球の材料であり、全身に酸素を運ぶのをサポートしている物質です。不足すると疲れやすさや倦怠感、動悸や息切れ、立ちくらみ、めまい、頭痛といった症状につながります。

月経のある日本人女性の5人に1人は貧血といわれているため、鉄不足にならないよう積極的に食事から鉄分を取ることが大切です。

鉄不足かどうかは、血液中のヘモグロビンを調べることでわかります。女性の場合、12g/dLを下回ると鉄欠乏性貧血と診断されます。

しかし、12g/dLを下回っていない場合でも、肝臓や脾臓に貯蔵されている貯蔵鉄の消費によってギリギリで数値を保っている「隠れ鉄不足」の人もいるため、注意が必要です。

機能性低血糖

糖の代謝がうまく行われない「機能性低血糖症」も、不定愁訴の原因です。低血糖状態になると、冷や汗や倦怠感、動悸、震え、吐き気、空腹感などが起こります。

機能性低血糖には、甘い物やアルコールの飲み過ぎ、栄養の偏りや不規則な食事、ストレスが影響しています。また、このような偏った食生活は、鉄欠乏にもつながります。

機能性低血糖は糖尿病の前段階の状態であるため、注意が必要です。

冷え

冷えも、さまざまな体調不良につながる原因の一つです。体温低下や血行不良によって、不調が起こります。

冷えは冬場に起こりやすいですが、夏場でも冷房が効き過ぎた室内や冷たい食べ物・飲み物の摂取によって冷えが起こり、体調不良につながることがあります。

寒過ぎるレベルにまでエアコンの温度を下げると、屋内外の気温差が大きくなり、自律神経が対応できずに混乱して体調不良につながってしまうことに。季節に合わせて適切な温度に設定することが大切です。

天候・気温・気圧の変化

天候や気温、気圧の変化も、原因のわからない体調不良につながることのある原因の一つです。

気温の変化が大きいと、体温維持のために自律神経が必要以上に活発化。エネルギーを多く消費するため、疲れやすくなることがあります。

低気圧も、脳の血管を拡張させて周りの神経を圧迫したり、自律神経のバランスを乱したりすることで不調を引き起こします。

ストレスや疲れ

過度なストレスや慢性的な疲労があると、自律神経の乱れにつながり、体の機能が正常に働かなくなってしまうことに。これにより、心や体にさまざまな不定愁訴が生じることがあります。

不定愁訴・原因不明の体調不良につながることのある病気

不定愁訴・原因不明の体調不良につながることのある病気

ここからは、不定愁訴や原因不明の体調不良が見られる病気について解説します。

特定の時期に起こる場合1「PMS(月経前症候群)」

月経前に不定愁訴が起こる場合、PMS(月経前症候群)の可能性が考えられるでしょう。

PMSでは、月経前に症状が3日~10日の間続き、月経が始まると症状がよくなったり、消えたりします。

情緒不安定やイライラ、眠気、集中力の低下といった精神症状、むくみや乳房の張り、お腹の張りといった身体症状が代表的な症状です。

特定の時期に起こる場合2「更年期障害(更年期症状)」

45~55歳前後に起こる不定愁訴は、「更年期障害(更年期症状)」が原因の一つとして考えられます。

頭痛や肩こり、ホットフラッシュといった身体症状の他にも、イライラ感、やる気が出ない、不安感や倦怠感といった精神症状が起こることが特徴です。

更年期に現れるさまざまな体調不良の症状・程度は人によって大きく異なり、気にならないほど軽い人もいれば寝込んでしまうほど重い人もいます。

更年期の影響が考えられる場合は、漢方治療ホルモン補充療法(HRT)などの治療を検討するといいでしょう。

天候・気温・気圧の変化で起こる場合「気象病・天気病」

雨や低気圧が近づくと頭痛や関節痛が起こる、梅雨の時期は体が気だるくて憂鬱といった症状がある場合は「気象病」や「天気病」かもしれません。

特に、気圧は不調に大きく影響すると考えられている要素です。

耳の中にある内耳が気圧の変化を感じると、脳に信号が送られ自律神経が活発化して、片頭痛、関節痛などにつながることに。気象病の人は、普通の人よりも内耳のセンサーの感受性が高いといわれています。

カビが原因の「夏型過敏性肺炎」

夏の時期に咳や痰、微熱など夏風邪に似た症状が続く場合は「夏型過敏性肺炎」の可能性があるでしょう。夏型過敏性肺炎は、トリコスポロンなどの湿気を好むカビを吸い込むことで発症します。

自宅にいると症状があるが、旅行中や外出時には症状が収まるという場合、夏型過敏性肺炎が考えられるため病院で詳しい検査を受けましょう。

不定愁訴の症状が重い場合「自律神経失調症」

不定愁訴の症状が重い場合、自律神経失調症と診断されることがあります。

自律神経失調症とは、器質的病変(特定の場所に起こる病変)が見られず、顕著な精神障害もないが、さまざまな不定愁訴が見られる状態のことです。

朝に調子が悪い「起立性調節障害」

「朝に具合が悪い」「朝だるくて午後は元気になる」といった場合、自律神経失調症の一つとされる「起立性調節障害(OD/Orthostatic Dysregulation)」の可能性も考えられます。

起立性調節障害とは、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、起き上がるときに脳や体への血流が低下する病気のことです。

本来、起床時に起こる副交感神経から交感神経への切り替えがうまくできないことで、以下のような症状が起こります。

  • 朝なかなか起き上がれない
  • 朝調子が悪い
  • 朝は全身倦怠感がある
  • 朝食も食べられない
  • 午前中は体調が悪い
  • 立っていると気分が悪くなる
  • 立ちくらみがする など

これらの症状は午前中に強く見られるものの、午後からは体調が回復することが多いです。思春期前後の子どもに多く見られるものの、起立性調節障害に悩む大人もいます。

自律神経失調症とも関連する「うつ病」

うつ病とは、日常的に支障が出るほどの強い落ち込みや意欲低下が起こる病気です。

うつ病と自律神経失調症には関連があり、うつ病から自律神経失調症につながることや、反対に自律神経失調症からうつ病になることもあります。

夫へのストレスが原因の「夫源病」

医学的な病名ではありませんが「夫源病」とは、夫に対するストレスが原因となって、女性の心や体にさまざまな不調が起こることを指します。

夫源病は更年期症状の一つとして片付けられることも多いですが、原因となっている「夫に対するストレス」に対処しなければ改善が難しい不調です。

その他の病気

その他にも、以下のような病気が不定愁訴につながっていることがあります。

  • 甲状腺機能亢進症
  • 甲状腺機能低下症
  • 鉄欠乏性貧血
  • 婦人科系の病気(子宮筋腫や子宮内膜症など)
  • 過敏性腸症候群
  • 片頭痛
  • 脳の病気
  • 顎関節症
  • 歯周病
  • 血圧の異常
  • ドライアイ
  • 眼瞼炎
  • 結膜弛緩症
  • アレルギー性結膜炎
  • 慢性疲労症候群
  • がん など

不定愁訴の対処法・治療

不定愁訴が見られる場合、検査を行い、一人ひとりの症状に合わせて以下のような方法で治療を行います。

  • 生活習慣・食習慣の改善
  • 漢方薬
  • 薬物療法
  • 非薬物療法(心理療法、カウンセリング、セルフコントロールなど)

自分でできるセルフケアとしては「生活習慣・食習慣の改善」が有効です。不規則な生活になってしまっている場合は、毎日の食事や生活習慣を見直し、健康的な生活を心掛けましょう。

原因がわからずとにかく体調が悪いときの受診の目安は?

原因がわからずとにかく体調が悪いときの受診の目安は?

不定愁訴は自律神経の乱れによって引き起こされるケースが多いものの、なんらかの病気が原因で体調不良が起こっている可能性もあります。

  • 倦怠感や疲労感がいつまでも続く
  • 急に元気がなくなった
  • 体の一部が腫れてきている
  • 痩せてきた
  • 強い症状が起こった など

上記のような場合は、早めに病院を受診して詳しい検査を受けることが重要です。何科に行けばいいかわからないというときは、まずは内科や婦人科に相談するといいでしょう。

ストレスが原因と考えられる場合や、精神症状が強く現れている場合は、心療内科や精神科から受診してもいいかもしれません。

不定愁訴はかかりつけ医に相談して早めの対処を

「不定愁訴だから平気」「我慢できるから大丈夫」と思ってそのままにしておくと、大きな病気を見逃してしまう可能性もあります。

不定愁訴は原因がわからないことから、周囲の理解を得にくいことも特徴です。症状のつらさや理解を得られないことがストレスになって、症状が悪化してしまう可能性も考えられます。

気軽に相談できるかかりつけ医を作っておくと、病気の早期発見や、悪化の予防につながるでしょう。

監修者プロフィール:横倉恒雄さん(横倉クリニック)

横倉恒雄さん(横倉クリニック)

よこくら・つねお 医学博士。医師。横倉クリニック・健幸外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。婦人科、心療内科、内科などが専門。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る脳の健康法』『脳疲労に克つ』『今朝の院長の独り言』他。日本産婦人科学会認定医 /日本医師会健康スポーツ医/日本女性医学学会 /更年期と加齢のヘルスケア学会ほか。

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