尿漏れはどうして起こる?仕組みを理解して改善しよう

骨盤底筋はなぜゆるむ?仕組み&簡単トレーニング

公開日:2021/05/14

6

年齢を重ねると気になってくる悩みの一つに「尿漏れ」があります。調べてみると、「骨盤底筋」という言葉がよく出てきます。骨盤底筋とはどういう筋肉で、どう尿漏れに関係しているのでしょうか。今回は骨盤底筋の仕組みを理解していきましょう。

骨盤底筋はなぜゆるむ?仕組み&簡単トレーニング
骨盤底筋はなぜゆるむ?仕組み&簡単トレーニング

骨盤底筋とはどんな筋肉?

骨盤底筋とはどんな筋肉?

「骨盤底筋」という名前から、骨盤の付近にある筋肉なのかな、と想像がつきますね。でも骨盤というと骨格が大事なイメージがありますが、筋肉はどのような役割があるのでしょうか。

骨盤底筋は下から内蔵を支える縁の下の力持ち

骨盤底筋とは、骨盤の下にある筋肉です。股間に3層になってついている、9個の小さな筋肉が集合した筋肉群です。恥骨・坐骨・尾骨についていて、骨盤の底部をハンモック状に覆っています。

骨盤底筋の大事な役割の一つが、子宮や膀胱、直腸などの臓器を下から支えているということ。もう一つの役割が、尿や便など排泄をコントロールすることです。通常はキュッと締まっていますが、便意や尿意を感じるとゆるんで排泄の手助けをします。

例えば、おしっこをしている途中で尿を止めてみてください。その時に力が入るところが骨盤底筋です。

このように、排泄をコントロールする筋肉である骨盤底筋がゆるむことで、尿漏れが起きてしまうのです。

骨盤底筋がゆるんでしまう要因は?

骨盤底筋がゆるむ要因として、まず加齢が挙げられます。骨盤底筋も筋肉ですから、鍛えなければ衰えていきます。さらに肥満もゆるみの要因になります。骨盤底筋は下から内臓を支えていますから、太るとその重みで筋肉が伸びてしまうのです。

また、女性特有の要因として、出産と閉経があります。出産時の会陰切開や会陰裂傷、吸引分娩などの分娩時の処置によって、さらに骨盤底筋にダメージが加わりやすく、大きく筋肉が引き伸ばされて収縮力が落ちてしまうのです。また妊娠中の赤ちゃんの重さも、骨盤底筋には負荷がかかるので、帝王切開をした人も骨盤底筋はゆるみやすくなっています。

さらに、閉経前後になると、女性ホルモンの分泌が低下します。女性ホルモンの1つ、エストロゲンには、筋肉の弾力や張りを保つ作用がありますが、閉経でエストロゲンが減ると、筋力が弱まってしまうのです。そのため出産を経験していない女性でも、骨盤底筋がゆるくなる可能性があります。 

骨盤底筋のゆるみは尿漏れ、冷え性の原因に

骨盤底筋のゆるみは尿漏れ、冷え性の原因に

骨盤底筋がゆるむと、尿漏れの他、冷え性になったり、ぽっこりお腹になったりと、女性の体にさまざまな悪影響を及ぼします。

女性の体は尿漏れしやすい

尿漏れは女性に多い悩みです。出産や閉経が無いと言っても、加齢などで筋力が衰えるのは男性も同じのはず。なぜ尿漏れは女性に多いのでしょうか。

女性の尿道は3~4cmと男性に比べて短く、形も膀胱からまっすぐに繋がっています。そのため膀胱に力がかかると、女性は男性よりも尿漏れしやすい、という特徴があるのです。

さらに、尿道、膣、肛門を囲むように骨盤底筋がついており、それらすべてを骨盤底筋がコントロールしています。そのため、骨盤底筋がゆるむと尿漏れの他にも、便秘や痔、子宮が下がってしまう子宮脱などの症状が出ることもあります。

体も冷えて体型も崩れやすい

また、骨盤底筋がゆるむと、冷え性になることもあります。

骨盤底筋は筋肉ですから、動かさないと血流が悪くなります。さらに骨盤底筋は体の内側の筋肉なので、動かさないと内臓も冷やされてしまいます。

さらに骨盤底筋は、横隔膜やお腹の内側の筋肉である腹横筋などとともに、姿勢を保つ体幹部を構成するインナーマッスルの一つです。骨盤底筋がゆるむことで、姿勢が保てず猫背になったり、お尻が垂れてしまいます。

また骨盤底筋はお腹を下から支えています。骨盤底筋がゆるむと内臓が下に落ちて、ぽっこりお腹が出てしまう要因に。ボディバランスが崩れ、脂肪もつきやすくなってしまいます。

簡単トレーニングを毎日やってみよう

簡単トレーニングを毎日やってみよう

尿漏れ以外にも、さまざまな悪影響がある骨盤底筋のゆるみ。このような悩みは骨盤底筋を鍛えることで、予防や改善が期待できます。

骨盤底筋は自分の意思で動かせる筋肉ですが、普段意識していない筋肉ですから、どんな鍛え方をすれば良いのかイメージが沸きづらいですよね。初心者でも簡単な、日常の生活の中で鍛えられる、エクササイズをご紹介します。

1回5秒のエクササイズで尿漏れをセルフケア

姿勢:布団の上に仰向けになり、ひざは立てて肩幅に開きましょう。

  1. おならを我慢するイメージで、肛門をぎゅっと締めます。
  2. おしっこを途中で止めるイメージで、膣をぎゅっと締めます。
  3. 大きく息を吸い、骨盤底筋から下腹、おへその順に空気を絞り出すようにゆっくり息を吐きます。骨盤底筋をお腹に引き込むイメージで力を入れます。
  4. 大きく息を吐き、力を抜きます。1~4を5秒かけて行いましょう。骨盤底筋を引き上げる感覚がつかめるよう、5回繰り返します。
  5. 5秒の収縮ができるようになったら、次は10秒収縮させてみる、回数を10回にしてみるなど、回数や時間を段階的に増やしていきましょう。
     

日常生活の中でもエクササイズを取り入れよう

初めてエクササイズする時は、横になって行うと良いでしょう。どこに力が入るか意識しやすくなります。また間違ったところに力が入るのを防ぎます。お腹をわざと引っ込めたり、太ももを閉じては骨盤底筋には効果がありません。

また肛門側は筋肉が大きく比較的動かしやすいですが、膣や尿道側を動かす感覚には慣れが必要です。しかし力の入れ方が分かれば、座ったままでも鍛えることができるようになります。

椅子の背もたれに腰と背中をあずけて、肩の力を抜いて行うとやりやすいですよ。さらに慣れれば立ったまま行えるようにもなります。日常の中でも、思い出した時にやるよう習慣を付けましょう。

骨盤底筋を鍛えていつまでも若々しい体作りを

骨盤底筋の仕組みを理解すると、健康にとても重要な筋肉だということがわかります。また、骨盤底筋を鍛えるエクササイズは、継続が大事です。毎日トレーニングすることで効果が期待できます。短い時間で良いので続けましょう。

骨盤底筋トレーニングを毎日続けると血行が良くなり、お腹もポカポカ気持ち良くなります。さらに姿勢も良くなり、冷え性も改善され基礎代謝が上がって痩せやすい体になるはず。

「まだ尿漏れしていないから大丈夫」と油断せず、早いうちから始めることが大切です。まずは簡単なエクササイズから始めてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール:徳嶋 美希さん(かわかみ整形外科クリニック 理学療法士)

かわかみ整形外科クリニック 理学療法士 徳嶋美希さん

 

産後女性のためのリハビリテーション運動指導のインストラクター。「ママが自分のカラダのことを考えられる社会へ」をスローガンに女性の産後リハビリや、産後の女性の抱えている腰痛や手首の痛み、骨盤の悩みなどに整形外科・リハビリテーションの観点から治療を行っている。

 

■もっと知りたい■

ハルメクWEB編集部

雑誌「ハルメク」の公式サイト。50代からも輝く女性の毎日を応援する、暮らしや美容に役立つ記事をお届けします。 無料会員登録をすれば、会員限定記事へのアクセスや豪華プレゼント応募などの特典も!

この記事をマイページに保存

\この記事をみんなに伝えよう/

ページ先頭へ