尿もれ、ぽっこりお腹、姿勢の崩れ防止にも!

理想の姿勢は骨盤底筋を鍛えることから!ポイントは?

公開日:2021/02/13

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衰えると尿もれの原因になる骨盤底筋。実は理想の姿勢を保つことにも大切な役割を果たしています。心地よい体作りを提唱するボディワークプロデューサー・kyoさんに美しい姿勢をつくる、骨盤底筋の鍛え方を聞きました。

理想の姿勢は骨盤底筋を鍛えることから!鍛えるコツも

骨盤底筋について解説してくれる方は……

  • ボディワークプロデューサー・kyo(きょう)さん

1983年、健康づくりの体育指導をスタート。2001年、骨盤を中心に全身を鍛えるプログラムをスタート。著書に「いつまでも美しくいたければ女は骨盤を立てなさい」(日本文芸社刊)など。

ボディワークプロデューサー・kyo(きょう)さん

「骨盤底筋」とはどんな筋肉?

骨盤底筋は、その名の通り骨盤の底に位置する筋肉で、恥骨から尾骨および坐骨の間に位置する筋肉。骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などの臓器を下から支え、尿道と膣、肛門をコントロールする筋肉です。

50代を迎える頃になると、「骨盤底筋を鍛えよう!」とよく聞くようになりませんか?骨盤底筋を鍛えることがなぜ大切なのかと言いますと、下記のイラストのような形でここが緩んでしまうと膀胱や子宮が支えられなくなってしまうから……。

骨盤底筋は体の土台となる筋肉でもあるので、加齢などによって緩んだり委縮したりすることで、「尿もれ」や「ぽっこりお腹」など、さまざまな悩みを引き起こすこともあります。

だからこそ、特に女性は骨盤底筋をまず鍛えることがおすすめ。ただ骨盤底筋は筋肉の中でも特に“どこにあるか”を把握するのが難しい筋肉でもあります。骨盤底筋の筋肉を動かすには「意識」が大切なので、どこに位置する筋肉かを、まずは把握しておきましょう。

骨盤しまった状態と緩んだ状態のイラスト(2021年3月号P85誌面より)

理想の姿勢とは?骨盤底筋の緩みから姿勢の崩れも起こる

「尿もれ」などの原因として知られている骨盤底筋の衰えですが、実はこの筋肉の衰えが原因で「姿勢が崩れてしまう」こともあります。

その前に、どんな姿勢が理想的なのでしょうか。「まっすぐな姿勢=良い姿勢」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、それには誤解があります。

理想的な姿勢とは、首のつけ根から腰にかけてゆるやかなS字を描くような、背骨に負担をかけない姿勢であり、全身のバランスは土台をつくる骨盤が、本来あるべき位置にあることが大事です。

理想の姿勢をつくるのに大事なのが「腹圧」です。腹圧とは、胃や腸などの内臓が入っている空間(腹腔)にかかる圧力のこと。腹圧と共に骨盤底筋は内臓を下から支え、腹圧をかける役割を担っています。

骨盤底筋が衰えてしまうと、腹圧をうまく上げることができません。そのため、体幹が不安定になって、姿勢が崩れ、体は締まりのない状態に……。体の土台を支えている骨盤底筋は、実は正しい姿勢のためにも大きな役割を担っていたのです。

骨盤底筋が緩み、腹圧を保てず姿勢が崩れ、立ち居振る舞いがだらしなく見えてしまい、年齢以上に老けて見える原因にもなります。骨盤底筋を鍛えることは、若々しさを保つためにも欠かせないのです。

理想の姿勢とは?骨盤底筋の緩みから姿勢の崩れも起こる
姿勢が悪くて老けて見える人のイラスト

ぽっこりお腹を解消したいなら骨盤底筋を鍛えよう

骨盤底筋を鍛えて腹圧を上げ姿勢が正しくなってくると、ぽっこりお腹も自然とキュッと引き締まります。「腹圧」を上げることには、お腹を引き締めるコルセットのような働きを担う一つなのです。

逆に、骨盤底筋が衰えると、下腹はぽっこりと出やすくなってきます。特に体重が増えたわけではないのに、お腹の“ぽっこり”が気になる人は、こんなことが原因の場合もあるのです。

骨盤底筋を鍛えるポイントは「締めて」「緩めて」

骨盤底筋を鍛えるポイントは「締めて」「緩めて」

筋肉は裏切りません。そして骨盤底筋も筋肉なので、何歳からでも鍛えることができます。骨盤底筋も、年齢とともに衰えてきてしまうというのは仕方のないことですが、「締める」「緩める」を繰り返していると、しっかりと応えてくれるのです。逆に何もしないでそのまま放っておくと、ますます衰えていってしまいます。

それではどのように鍛えるかですが、「筋肉を鍛える」と言うとみなさんいわゆる筋トレのようにガンガン鍛えるイメージがあると思うのですが、実は筋肉には弾力が大切なのです。どれだけ縮められてどれだけ緩められるかっていうのが弾力なので、そのためにはただ、固く引き締めようとがんばっていてもあまり効果はないのです。「締める」ことと「緩める」こと、その両方が大事なのです。

みなさん、骨盤底筋を鍛えようとすると感覚がつかめず、お尻全体を締めてしまうことが多いようです。筋肉の量もお尻の方が多いので、どうしてもそちらに力が入ってしまうのですね。本来は尿道、膣、肛門の順で骨盤底筋を引き締めるのですが。

ただ、お尻に力が入っている姿勢だと、恥骨が前に押し出されたような形になってしまって、その状態だとむしろ老化したときの姿勢に近くなってしまいます。

実は日本人の場合、年をとると恥骨が前に出てくることが多く、その結果、気付かないうちに“がに股”のような姿勢になってしまうことが多いのです。ですから骨盤底筋をトレーニングするときは、どこに力を入れるのかをしっかり意識して行うことが大事です。

骨盤が前に出て「がに股歩き」になっているイラスト
骨盤が前に出て「がに股歩き」になっているイメージ

運動はハードなものでなくてもOK!

私が骨盤の調整や骨盤底筋を鍛えることの重要さに気付いたのは、20代の頃からフィットネスのトレーナーとして活動してきた経験からでした。米国西海岸からブームが始まったエクササイズは激しい運動を華やかに行うもの。一生懸命にやっている方ほど、けがや疲労を訴えることに疑問を感じました。

体に故障を生じる原因のほとんどが運動のやり過ぎで、もっとその人に合った体力や運動経験を考慮するべきだったのです。そこで痛めた体を改善しようと指導者でさえ「整体」に通うようになるのです。そこでその整体の考え方をベースに、日本人の体に合った自分で行える体操を考案したのが「ぺルヴィス®(骨盤)ワーク」です。

老化は自然なことで、それを止めることができません。ただ骨格の要である骨盤を整え、体幹と共に土台を支える骨盤底筋を鍛えることでうまく加齢と付き合い、美しい姿勢と健康を手に入れることができると思います。

次回は実際に自宅でできる具体的な骨盤底筋の体操についてご紹介させていただきます。楽しみにしていてくださいね。

取材・文=濱田麻美、構成=流石紋加、撮影=為広麻里
 

■もっと知りたい■

流石・日和佐

ハルメクの通販誌「健康と暮らし」でインナーページの編集を担当する2人組。流石(さすが):2012年ハルメク入社。趣味は動物の動画鑑賞とサウナ。特技は筋トレ。夢は猫と暮らすこと。日和佐(ひわさ):18年ハルメク入社。新人と見せかけて社会人歴は10年超え。趣味は宮崎への帰省。特技はマイルを貯めること。

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