有酸素運動のカロリー消費はどれくらい?家でもできる効果的な方法を紹介
有酸素運動のカロリー消費はどれくらい?家でもできる効果的な方法を紹介
公開日:2025年07月30日
有酸素運動のダイエット効果は?
有酸素運動は、軽度〜中程度の運動で身体にかかる負担は大きくなく、呼吸をしながら行うことで酸素を身体に取り込める運動です。
ここでは、有酸素運動がダイエットに効果的とされる理由を解説します。
カロリー消費
有酸素運動を行うことで、カロリー消費量をアップさせてダイエット効果が期待できます。
ダイエットのためには、運動と食事のバランスを取りながら、カロリーの消費量を摂取量より多くする必要があります。
年齢や性別を問わず行えるものが多い有酸素運動は、日常に取り入れやすく始めやすいため、自然にカロリー消費を増やすことができておすすめです。
心肺機能の向上
有酸素運動では呼吸を止めずに運動をするため、肺や心臓に適度な負荷をかけられ、心肺機能の向上につながります。
心肺機能が向上すると、運動しても疲れにくく息が上がらなくなったり、心拍数が上がりにくくなったりするのもメリットです。
体力もついて、階段を上がると息切れする、すぐ疲れてなかなか回復しないなどのお悩み改善の効果も期待できます。
基礎代謝の向上
基礎代謝とは、人間の生命を維持するために必要なエネルギー量の目安で、筋肉量が上がると基礎代謝も向上する仕組みです。
動いていなくても消費するカロリーが増えることになり、ダイエットにつながります。
有酸素運動だけですぐに筋肉量を増やすのは難しいですが、継続すること、軽い筋トレを組み合わせることで少しずつ基礎代謝の向上をすることができます。
脂肪燃焼効果
有酸素運動で体内に酸素を取り込むことで、脂肪燃焼効果が期待できます。
有酸素運動を行うエネルギー源は主に体内にある糖質と脂肪で、日常生活の中で動いているだけでも糖は少しずつ消費されています。
つまり、糖から脂肪へ切り替える準備ができているため、運動を始めるとすぐに脂肪のエネルギー変換の割合が徐々に増えていくのです。
短時間ずつの積み重ねでも脂肪燃焼効果はありますが、20分を過ぎて運動を続けていると脂肪が使われる割合が多くなるため、効率よく体脂肪が分解されていきます。
有酸素運動のカロリー消費量の計算方法
カロリー消費量はMETsという基準とそれぞれの体重、運動時間により計算できます。
ここでは、METsとカロリー消費量の計算方法について詳しく解説します。
METsとは
METsとは、厚生労働省の身体活動・運動の単位によると、「身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位」です。
METsの数値が高いほど消費カロリーが多く、ダイエット効果が期待できます。
厚生労働省の「運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書」によると、女性の年代別の全身持久力(できる限り長時間一定の強度の身体活動・運動を維持できる能力)の基準は以下の通りです。
- 40~59歳:8.5METs
- 60~69歳:7.5METs
7.5~8.5METsは、ジョギングやサイクリングなどが基準となりますが、有酸素運動をする習慣がない方が始める場合はハードルが高いかもしれません。
まず体力をつけたい方、持病をお持ちの方なども含め、有酸素運動を始める際は軽いウォーキング(3.0METs)やストレッチ(2.5METs)から徐々に身体を慣らしていきましょう。
消費カロリーの計算方法
有酸素運動による消費カロリーは、以下の計算式で求められます。
METs×体重(kg)×運動時間(h)×1.05=消費カロリー(kcal) ダイエットの基本は、摂取カロリーより消費カロリーが多くなるように調節することです。
食事からの摂取カロリーも計算してみると、より効率よくダイエット効果が得られるでしょう。
有酸素運動のカロリー消費量ランキング
痩せやすい=METs数値が高い有酸素運動をランキングで紹介します。
ここでは、体重50kg、30分間の運動で消費カロリーを計算していますが、上記の計算方法で自分に合った消費カロリーを計算できます。
ランニング
階段を上がるランニングは15.0METs(約393kcal)、161m/分のランニングは10.0METs(約262kcal)となります。
有酸素運動の中で消費カロリーが1番高いのは、階段を駆け上がるランニングです。 ランニングは短時間で効果が期待できて、下半身の筋肉も鍛えられますが、体力が必要です。
縄跳び
1分間に120〜160ステップの早いペースの縄跳びの場合、12.3METs(約315kcal)です。 10分間行うと、早歩きを30分間行ったときと同等のカロリー消費と運動量になります。
長時間の運動をする時間が取れない方や、身体のバランスを整えたい方におすすめです。
スイミング
スイミングは、泳ぎ方によってMETsの数値が異なります。
バタフライと速いクロール(70m/分)は11.0METs(約288kcal)、平泳ぎは10.0METs(約262kcal)、ゆっくりのクロール(約45m/分)は8.0METs(210kcal)、水中ウォーキングは4.5METs(約118kcal)です。
得意不得意がある運動ですが、水中ウォーキングは誰にでもできて始めやすいのが魅力です。
全身の筋肉を使うことや、適度な抵抗がありながらも膝や腰に負担がかかりにくいため、人気があります。
サイクリング
サイクリングは走行スピードにより消費カロリーが変わります。
時速約20kmの場合は8.0METs(約210kcal)です。
移動距離にもよりますが、通勤や外出を車から自転車に変えるだけでも、有酸素運動が始められるため、今日からでもスタートできます。
ランニングと比較すると足腰に負担がかかりにくく、太ももの筋肉量を増やす効果も期待できます。
ジョギング
ジョギングは7.0METs(約183kcal)です。
ランニングよりもゆっくり走るジョギングは、会話しながらの運動が可能で、複数人で楽しみながらできる有酸素運動です。
一定のペースを保って走り続けることで、脂肪燃焼に効果的な心拍数を維持できます。
ジョギングは全身の筋肉を使う運動で、ウォーキングでは物足りない方にもおすすめな種目です。
エアロビクス
エアロビクスは6.5METs(約171kcal)となります。
音楽に合わせて身体を動かすエアロビクスは、ダンスが好きな方や楽しみながらダイエットしたい方におすすめです。
スポーツジムのプログラムに参加する方法もありますが、動画の無料配信やゲームなどを利用して家で行うことも可能です。
汗ばむくらいの運動量になるため、運動した満足感も得られます。
ウォーキング
早歩きのウォーキング(95〜100m/分)は4.0METs(約105kcal)、通常のウォーキングは3.0METs(約79kcal)です。
思い立ったらすぐに始められる有酸素運動として、人気があります。
ペースを速めると効果も高くなるため、慣れてきたらスピードを意識するといいでしょう。
腕をしっかり振って、姿勢よくリズミカルに歩くようにすると、脂肪燃焼効果も高まります。
朝や食後など、タイミングを決めて行うと習慣になりやすくおすすめです。
有酸素運動の効果をアップするポイント
有酸素運動は続けることでダイエット効果を始め、体力や心肺機能の向上などさまざまな効果が期待できます。
有酸素運動の効果をアップするために、以下のポイントを意識してみましょう。
1日の合計で20~30分ほどの運動を継続する
通常時は体内の糖質がエネルギーに使われていて、有酸素運動を始めると糖から脂肪へエネルギー源が徐々に切り替わっていきます。
以前は20分を過ぎてから脂肪が燃焼し始めるとされていましたが、短時間でも脂肪燃焼があり、有酸素運動の効果が期待できると認識が変わってきています。
ダイエットを目的とする場合は、連続でなくても構わないですが、5分ずつでも1日の合計で20〜30分の有酸素運動を心掛けると良いでしょう。
激しい運動を続ける必要はなく、負荷が少なくても継続することが重要です。 1日だけ長く運動するよりも、30分でもコツコツ続けていく方がダイエットになります。
目標を設定する
ダイエットを目的とする有酸素運動を行う場合は、目標を設定するのがおすすめです。
体重や体脂肪の目標を決めておくことで、続けていくモチベーションになります。
標準体重を目指している方は、身長(m)×身長(m)×22=標準体重(kg)で計算できます。
40~59歳女性の体脂肪の平均値は、22~35%ですが、計測するタイミングがバラバラだと正確な測定ができない可能性があるため、毎日同じ条件で測りましょう。
筋トレを組み合わせる
有酸素運動と筋トレを組み合わせて行うと、筋肉量の増加につながり基礎代謝が向上するため、より効率よくカロリー消費しやすくなります。
プランクや腹筋、スクワットなどを短時間でも毎日の習慣にすることで、有酸素運動の効果もアップするでしょう。
筋肉を鍛えると見た目の変化がわかりやすくなるため、ダイエットの励みになる効果も期待できます。
記録を取る
ダイエットの記録を取るのは、モチベーションアップや自分の成長を感じられるため、長く続けるための大切な要素です。
有酸素運動の記録も残しておくのも、始めた頃より楽にできるようになっていたり、こんなに長く続けていると達成感が得られたりしておすすめの方法です。
ただし、体重や体脂肪の増減は、毎日変化し続けるものと割り切って、一喜一憂し過ぎず1週間、1か月単位で区切って観察しましょう。
食事にも気をつける
有酸素運動を始めると、以前よりも運動量が増えてお腹が空くこともあるかもしれませんが、何も意識せずに食べてしまっては消費カロリーよりも摂取カロリーが多くなってしまいます。
ダイエット中の食事は、筋肉や細胞の元となるタンパク質や、代謝を促進するビタミン・ミネラル、血糖値の急上昇を抑える食物繊維などを意識して取るようにしましょう。
特に、タンパク質が不足すると、有酸素運動で消費するエネルギーとして利用できずに、代わりに筋肉を消費してしまうため、注意が必要です。
効率の良いタンパク質の摂取には、プロテインを飲むのもひとつの方法です。
自宅でできる!カロリー消費する方法
有酸素運動をしたいとは思っていても、外で運動するのはハードルが高いと感じる方も少なくありません。
ここでは、自宅でできるカロリー消費や、室内で行う有酸素運動を紹介します。
家事や日常生活でカロリー消費
家事や日常生活でも、カロリー消費は可能です。
例えば、掃除機を20分かけたときは2.5METs、体重50kgだと39kcalを消費できます。
手間がかかると思っていたお風呂掃除や窓ふきなども、カロリー消費していると考えると積極的にやる気になるかもしれません。
また、犬の散歩はウォーキングにもなったり、エレベーターをやめて階段を使ったり、少し意識するだけで日常生活の消費カロリーを増やすことにつながります。
室内でできる有酸素運動
室内でできる有酸素運動には、ヨガやピラティス、ラジオ体操、ストレッチ、トランポリン、踏み台昇降などがあります。
特別な器具がなくても行えて、続けやすいものを選ぶのがおすすめです。 動画配信やテレビを見て、自分に合った有酸素運動を見つけるのも楽しみのひとつになるでしょう。
ただし、マンションの場合は近隣の方への迷惑にならないように、足音や音楽の大きさに配慮が必要です。
有酸素運動を継続して健康的にダイエットしよう
有酸素運動はカロリー消費だけでなく、心肺機能や基礎代謝の向上、脂肪燃焼などの効果が期待できる、身体への負担も少なく続けられる運動です。
効果をアップさせるポイントも参考に、筋トレを組み合わせることで、より効率の良いダイエットができるため、挑戦してみましょう。
有酸素運動は、毎日少しでも継続していくことが重要です。
室内でできる有酸素運動や、意識的に身体を動かす家事をするなども日常生活に取り入れて、健康的なダイエットを続けましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断、治療、予防を目的としたものではありません。運動を行う際は、ご自身の体調や体力に合わせて無理のない範囲で行ってください。持病をお持ちの方や体調に不安のある方は、事前に医師に相談してください。
監修者プロフィール:中谷 創さん

つくる整形外科 祐天寺駅前スポーツクリニック 院長。医学博士・整形外科専門医・日本スポーツ協会スポーツドクター・早稲田大学ラグビー蹴球部チームドクター。「みなさんの健康で楽しい毎日のために」をモットーに2022年12月に現在のクリニックを開院した。ラグビー日本代表の帯同ドクターやラグビーワールドカップ、東京オリンピックの大会ドクターなどを経験。陸上自衛隊所属時は、災害派遣や自衛官の健康管理にも従事。
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