痩せ二重顎が日本人に多いのはなぜ?健康トラブルも!

痩せてるのに二重顎になる原因&スッキリさせる方法

前原 律子
監修者
ささゆりヘルスクリニック
前原 律子

公開日:2024.03.06

痩せてるのに二重顎が気になるのは、日頃の生活習慣や加齢、骨格などが原因かもしれません。二重顎やぼやけたフェイスラインは、実年齢よりも老けて見える原因になるだけでなく、思わぬトラブルを招く可能性もあるため、早めに対処しておきましょう。

痩せてるのに二重顎になる原因

痩せてるのに二重顎になる原因

「正面を向いていると気付きにくいけれど、少しうつむいただけでもたついて、横から見ると二重顎になってしまう……」

「若い頃はフェイスラインがシュッとしていたし、今も太ったわけではないのに、なぜ二重顎になるのか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

痩せているのに二重顎になる場合、主に生活習慣や加齢、骨格の問題などが原因だと考えられます。

ここでは、痩せているのに二重顎になる原因をご紹介します。

姿勢が悪い

背中が丸まって頭が前に突き出ているなど、姿勢が悪いと太っていなくても二重顎になる可能性があります。

顔には約30個の筋肉が付いていて、頸椎(首の骨)とつながっています。姿勢が悪く頭が前に突き出ていると、つながっている部分の筋肉がゆるみ、たるみが生じて二重顎を作り出してしまうのです。

特にスマホやパソコンの画面を見る時間が長い場合は、姿勢が前かがみになって首や顔を前に突き出す癖がついていることが多いため注意が必要です。

痩せているのに二重顎が気になる人は、自分の立ち姿を横から撮影し、耳と肩の位置をチェックしてみましょう。

横を向いたときに肩の位置より耳が前に出ている場合は、姿勢の悪さが原因で二重顎になっている可能性が高いです。

また、もともと猫背の人はあごを引く動作をすることが少ないため、あご付近がたるんだり老廃物がたまったりすることで、太っていなくても二重顎になりやすい傾向にあります。

塩分や水分の取り過ぎ

塩分や水分の取り過ぎは、体内に余分な水分や老廃物をため、むくみを引き起こす原因となります。

痩せているのに急に二重顎が気になり出した人は、過度のむくみが原因の可能性が高いといえるでしょう。

この他にも、眠りが浅いなど質の悪い睡眠や、栄養バランスの乱れによる水分代謝不良、ミネラル不足などはむくみの原因となることがあります。

加齢によって口まわりの筋力が衰えている

ヒトの顎下には舌を動かすための「舌骨筋群(ぜっこつきんぐん)」という筋肉の集合体があり、年齢とともに衰えてきます。

舌骨筋群が衰えると、血液やリンパの流れが悪くなってむくみやすくなるため、あご周辺にもむくみが生じて二重顎になってしまいます。

また、普段硬い食べ物を食べる機会が少ない人も、二重顎になりやすいため注意が必要です。

柔らかい食べ物は、あまり噛まなくても飲み込めてしまいます。そのため、たくさんあごを動かす必要がなくなり、あごの筋肉が衰えてたるみが生じてしまうのです。

普段会話をする機会が少ない人や頬杖をつく癖がある人も、顔やあご、口まわりの筋力が低下しやすく二重顎になりやすい傾向にあります。

他にも、下あごを後ろに引くときに使う「側頭筋(顔の側面に付いている筋肉)」が凝り固まっている場合や筋力が弱まっている場合も、二重顎になりやすくなります。

側頭筋は顔の筋肉・首の筋肉まで1枚の膜でとつながっているため、頬の筋肉やあごをしっかりと支えることができず、顔がたるんで二重顎のもとになります。

歯並びや噛み合わせが悪い

歯並びや噛み合わせが悪いと口の中で舌が自由に動けるスペースが狭くなり、舌が奥に移動して喉の前の部分に入り込むため、喉を押し出して二重顎のように見えることがあります。

舌が「スポットポジション」という正しい位置に納まっていない場合は特に注意が必要です。

口を閉じているときに、舌が上あごの前歯の後ろに当たっているかどうかチェックしてみましょう。

あごが小さい

生まれつきあごの骨が小さいことも、痩せているのに二重顎になる原因の一つです。

横から顔を見たときに、首とあごの付け根からあごの先端までの距離が短いと、皮膚があご下にたまりやすいため、少しうつむいただけでも二重顎に見えてしまうことがあります。

骨密度が減少している

年齢とともに骨密度が減少すると、二重顎になる可能性があります。

骨密度とは、「骨の強さ」のこと。骨を作るカルシウムやリンなどのミネラルが、骨にどのくらい詰まっているかを表しています。

骨密度の減少によって骨が縮むと、筋肉や皮下脂肪、皮膚を支えきれなくなり、二重顎になりやすくなります。

特に女性の場合は、女性ホルモンが減少することで50歳前後から骨密度が低下するため、二重顎になりやすいだけでなく、骨折もしやすくなる可能性もあるでしょう。

痩せてるのに二重顎の人が日本人に多い理由

痩せてるのに二重顎の人が日本人に多い理由

日本人は、骨格の形によって痩せているのに二重顎の人が多いといわれています。

なぜなら、日本人を含むアジア人と欧米人では、頭蓋骨の形が異なるからです。

欧米人の頭蓋骨を上から見ると前後に長い形をしていますが、日本人の頭蓋骨は前後に短くあごの前後にそれほど余裕がありません。

それに加えて、日本人は気を使いやすく緊張しやすい性格の人が多いため、幼い頃から噛みしめたりあごを引いたりする傾向にあることも、痩せているのに二重顎の人が多い原因の一つだと考えられます。

噛みしめたりあごを引いたりすると、噛み合わせの異常につながり、結果として二重顎になりやすくなってしまうのです。

また、日本語は欧米の言語と比べてあまり舌を大きく動かずに発音するため、下あごの舌の付け根周辺の筋肉が衰えやすい傾向にあります。

二重顎だと起こりやすい健康トラブル

二重顎だと起こりやすい健康トラブル

二重顎は、実年齢よりも老けて見えたり顔が大きく見えたり太って見えたりなど、見た目の印象を悪くするだけでなく、以下のような健康トラブルの原因となる可能性もあります。

顎関節症

スマホやパソコンの長時間使用などにより、上あごと下あごが違う方向に引っ張られて二重顎になっている場合、顎関節症を引き起こしやすくなります。

顎関節症になるとあごを支える筋肉のバランスが崩れ、肩こりや腰痛・首の痛み・めまいなど、全身にさまざまな影響を与えます。

あごの開閉もスムーズにできなくなり、自然と柔らかい食べ物を食べることが増えるため、咀嚼回数が減りがちです。

すると満腹中枢への指令が滞ってなかなかお腹が一杯にならず、太りやすくなる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群

舌が下がって二重顎を引き起こしている場合、気道を塞いでしまう可能性があります。

以下のような症状がある人は、睡眠時無呼吸症候群を発症している恐れもあるため要注意です。

  • 呼吸が苦しい
  • しっかり寝ても疲れが取れない
  • 熟睡できない
  • 夜中に目が覚める

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に何度も呼吸が止まるため、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが通常よりも高いといわれています。

また、これらの病気に対するリスクだけでなく、QOLを下げる原因にもなるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。

二重顎をスッキリさせる方法

二重顎をスッキリさせる方法

痩せてるのに二重顎になっている場合、食事制限では解消できないケースも多く、実際に二重顎に効果があったとされる解消法を知りたい人も多いのではないでしょうか。

ここでは、二重顎をスッキリさせる方法をご紹介します。

姿勢を整える

もっとも手軽に取り組める二重顎解消法は、姿勢を整えることです。

背筋を伸ばして姿勢を整えると、血液とリンパの流れがよくなって老廃物が流れやすくなります。

日頃、姿勢の悪さが気になっている人は、以下の方法で正しい姿勢を作ってみましょう。

正しい立ち姿勢

  1. 足を肩幅に広げて立つ
  2. かかとを上げてそのまま5秒キープ
  3. 1と2を3回繰り返す

この動作を3回繰り返して足を地面につけたときの姿勢が正しい立ち姿勢です。

正しい座り姿勢

  1. 普段より少し浅めに椅子に腰掛ける
  2. 両足の裏を床につける
  3. 両腕を上に引っ張るように思いっきり背伸びをする
  4. 背伸びの状態からゆっくりと左右へ腕を広げながら下ろす

最後に腕を下ろしたときの姿勢が正しい座り姿勢です。背中のラインを意識するのがポイントとなります。

スマホやパソコンの画面を見るときは、できるだけ目線の高さまで上げると、首や肩などへの負担を減らせます。

座っているときに頬杖をつくのもやめるよう注意しましょう。

口まわりの筋トレをする

食事の際に咀嚼に時間をかけることも、口まわりの筋力をアップして二重顎の解消に役立ちます。

咬筋や側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋など、咀嚼筋と呼ばれる筋肉を鍛えることで、二重顎を解消しましょう。

咀嚼回数の目安は、一口あたり30回。どうしても30回噛むことが難しいようであれば、スルメやゴボウ、お煎餅、鮭とばなど、しっかりと噛む食べ物を選んでゆっくりと食べることを心がけてください。

また、よく喋ったり笑ったりして、口まわりやあごを動かすことも、二重顎の解消につながります。

表情筋トレーニングを取り入れるのもおすすめです。

塩分を取り過ぎない

むくみが原因で二重顎になっている場合は、塩分の多い食べ物を取り過ぎないよう心がけることが大切です。

特にお酒を飲みながら食事をする機会が多い人は、食事の選び方に注意する必要があります。

むくみの予防には、塩分を控えめにすることの他に、カリウムと水分の摂取が効果的です。カリウムが多く含まれる食べ物(アボカドやバナナ、納豆など)を積極的に取り入れ、こまめに水分を取ることで、余分な塩分を排出しましょう。

リンパマッサージで老廃物がたまったリンパを押し流すのもおすすめ。首・肩のストレッチも効果的です。

医療機関で適切な治療を受ける

痩せているのに二重顎が気になる人は、生活習慣を見直してみることが解消への近道ですが、どうしてもセルフケアでは解消できない場合もあります。

特に歯並びや骨格、過度な皮膚のたるみなどが原因の場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けるのも一つの方法です。

例えば、歯科医院で歯列矯正を受けたり、美容クリニックでたるみ治療を受けたりなど、専門家の手を借りるのもよいでしょう。

ただし、生活習慣の改善も同時に行わなければ、根本的に二重顎の原因をなくすことにはならない点に注意が必要です。

痩せ二重顎は生活習慣の改善で解消!

一般的に太っている人に多いイメージのある二重顎ですが、痩せているのにもかかわらず二重顎になってしまうことがあります。

そのようなケースでは、姿勢を正したり食生活やスマホの使い方に気をつけたりなどの生活習慣の改善や、口まわりの筋トレで解消できる場合も多いです。

老け見えや健康トラブルを防ぐためにも、二重顎が気になり出したらすぐに対処しましょう。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:前原 律子さん

監修者プロフィール:前原 律子さん

大分大学医学部卒業. 神戸大学医学部附属病院勤務などを経て, 2016年ささゆりヘルスクリニックを開業. 2021年より日本ウェルネス再生クリニックの副院長を兼任. 医療レーザー脱毛やシミ治療など一般的な美容治療・AGAから最先端の再生医療まで幅広く展開, 男女問わず幅広い年齢層の「Well Being」をアシストしている. 自身がfitnessのビキニ選手であることもあり、ダイエットのご相談は多く、メディカルダイエット・生活指導も行っている。

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