ダイエット後の皮余りは避けられない?予防法と今からできる対策を紹介
ダイエット後の皮余りは避けられない?予防法と今からできる対策を紹介
公開日:2025年07月15日
ダイエット後に皮余りする原因とは
ダイエット後になぜ皮膚が余ってしまうのか、原因は主に以下の5つが考えられます。
皮余りの原因は1つだけではなく複数の場合もあり、個人差はありますが性別差はほとんどなく、男性にも女性にも起こり得ることです。
皮膚のたるみ、しわしわにお悩みの方は参考にしてください。
急激な体重減少
皮余りの原因の多くが、急激な体重減少によるものです。
ダイエットにより脂肪組織が縮小して、皮膚とのすき間ができることで皮余りが起こります。
皮膚は伸び縮みするので、ダイエットにより脂肪が減った場合には皮膚は縮もうとしてくれます。
皮膚の新陳代謝が低下
ダイエットの影響で、もともと持っていた皮膚の新陳代謝のサイクルが乱れて、代謝が落ちてしまうことも、皮余りの原因の一つです。
その状態になると、肌のコラーゲン産生能力が落ちてしまい、余計にたるみとして感じやすくなってしまいます。
肌の代謝には栄養バランスやストレス、喫煙なども影響します。
コラーゲン、エラスチンの低下
ダイエット中は栄養が偏ることが多く、必要な栄養素の中でもコラーゲンやエラスチンをはじめとしたタンパク質が不足すると、皮膚のたるみにつながります。
エラスチンはコラーゲンをまとめて弾力と強度を保つ役割を担っていて、肌のハリや弾力を維持している重要な栄養素です。
コラーゲンやエラスチンの量が減ると、皮膚の収縮が進まず皮余りを引き起こしてしまいます。
筋肉量の低下
ダイエットで脂肪だけでなく筋肉量まで低下すると、皮膚との間にすき間ができてスペースが余ってしまうのが皮余りの原因の一つです。
筋肉は皮膚を支える役割もあるため、支える力が不足することで皮膚がたるみやすくなります。
食事制限のみのダイエットをした場合、運動量が足りず脂肪とともに筋肉も落ちてしまうため注意が必要です。
肥満期間が長かった
肥満の状態が長期間続いていた場合、皮膚が伸びきっている状態も長く、皮膚にダメージが蓄積されています。
伸ばされ続けた肌ではコラーゲンやエラスチンも減少しているため、脂肪が減っても皮膚の伸縮性も落ちており、新陳代謝が追いつかず、皮膚余りが発生してしまいます。
皮余りを予防するダイエット方法
なるべく皮余りさせずに痩せたいならば、ダイエット中の予防策を知っておきましょう。
ここでは、皮余りが発生しにくいダイエットの方法を紹介します。
減量のペースを守る
急激な減量は皮余りの原因のため、皮膚や身体に負担をかけにくい減量のペースを守りましょう。
ダイエットは一気に行わず、時間をかけてゆっくり脂肪や体重を落とすことが重要です。
日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022の要旨と概説」によると、肥満症の減量目標は3〜6ヶ月で体重の3%、高度肥満症の場合は5〜10%とされています。
例えば、体重80kgの場合は、80(kg)×0.05〜0.1=4〜8kgの減量が目安になる計算です。8kg減量を目標にする場合、1か月当たりだと1.3〜2.7kgが標準の減量ペースということになります。
急激な皮下脂肪の減少で肌や体への負担にならないペースを守ったダイエットを行いましょう。
偏ったダイエット方法を避ける
特定の食材だけを食べる、食事量を極端に減らしすぎるなど、偏ったダイエット方法は避けましょう。
過度な運動をして目安以上の体重を減らすのも体に負担になり、体重は落ちるかもしれませんが、食事を元に戻したらリバウンドする恐れがあります。
栄養も偏り、肌のハリや弾力に影響して、皮余りが起こる可能性も高まります。
体重を落とすことだけにこだわらず、健康や美容にも気を配りながらダイエットを行いましょう。
そのためには、ダイエット中であっても適度なタンパク質、ミネラル分の摂取が特に必要です。
筋肉量を維持する
ダイエットの成功には、筋肉量の維持が欠かせません。
筋肉と皮膚のすき間による皮余りを防ぐためにも、脂肪の減少だけでなく筋肉量を減らさないことも意識しましょう。
筋肉が増えると基礎代謝が上がり、脂肪燃焼の効率アップにも効果が期待できます。
二の腕や太ももなどの大きな筋肉を集中的に鍛える、面積が広く目立ちやすい腹筋を強化するなど、ダイエット計画に筋トレを組み込んで筋肉量を維持することで、皮余りの予防になります。
水分補給を忘れずに
水太りを気にして水分補給を控えめにしてしまうのは、肌の乾燥を引き起こし、皮膚の柔軟性が失われる恐れがあります。
ダイエット中は食事の制限をしていたり、運動量が増えていたりするため、水分不足になりがちです。
普段よりも多めの水分を取るように意識すると、基礎代謝の向上や肌の潤いを保つことにつながります。
セルフケアしながらダイエット
体重を落とすことだけにこだわらず、肌のケアもしながらダイエットを行うことで、皮余りの予防につながります。
皮膚のターンオーバーを促進するため、十分な睡眠時間を確保することも大切です。
マッサージで血行を良くすることもおすすめですので、好きな香りのクリームやボディオイルなどを探して、入浴後のリラックスタイムを取るのも良いでしょう。
今からできる皮余り対策
ダイエット終了後に、体重は減ったけど皮膚の余りが気になる方は少なくありません。
たるんだ皮はもう戻らないと諦めてしまう前に、以下のような方法を試してみてください。
筋肉をつける
筋肉をつけることで、脂肪が減って皮膚の下にできてしまったすき間を補えれば、皮余りの改善が期待できます。
たるみが気になる部分を中心に、筋肉量を増やす筋トレをしてみましょう。
大幅なダイエットが終わったとしても、筋肉が維持できれば脂肪の燃焼がしやすく、太りにくい体質を保てます。
肌の新陳代謝を高める栄養素を摂取する
新陳代謝を高める栄養素を積極的に摂取して、肌のターンオーバーを促進し、ハリや弾力を改善しましょう。
- コラーゲン(タンパク質)
- ビタミン類(ビタミンB2やビタミンB6は特に有効)
- ミネラルなど
肌の状態が回復して新陳代謝が良くなると、伸びきった皮膚の伸縮性がある程度回復する可能性があります。
食品から取るのが難しい場合は、サプリメントで補っても良いでしょう。
入浴やマッサージで血行促進
皮余りの対策には、入浴やマッサージで血行を促進するのも有効な方法です。
38〜40℃くらいで15〜20分の入浴または半身浴をすると、血行が良くなり代謝も上がり、老廃物の排出によりむくみの改善にも効果が期待できます。
入浴の前後には水分補給をして、乾燥を防ぐのも忘れないようにしましょう。
入浴中は筋肉が緩んで皮膚が引き締まりやすくなるため、湯船に浸かりながら鎖骨付近や鼠径部、膝裏などをマッサージするのもおすすめです。
入浴後に水分補給をしてから、ゆっくりマッサージやストレッチを行うのも良いでしょう。
リンパの流れを意識しながら、クリームやオイルを使って摩擦を減らして、体の先端から心臓に向かって優しくなぞるようにすると肌への負担が減ります。
強く揉んだり、肌を引っ張ったりしすぎると、皮が伸びてしまう可能性があるため、優しく撫でる、または軽く押す程度に力を加減してください。
良質な睡眠を意識する
ダイエットには良質な睡眠が重要な要素なため、睡眠不足には注意しましょう。
睡眠中は成長ホルモンが分泌されて、筋肉や皮膚の修復、再生を促進するため、起こってしまった皮余りの皮膚を引き締めるためにも睡眠が大切です。
しっかり睡眠が取れていると、食欲を抑え抗肥満ホルモンとも呼ばれるレプチンや、代謝を促進してくれるホルモンであるコルチゾールなどの分泌が安定して、太りにくくなります。
医療機関を受診する
10kg前後の減量による皮余りは、紹介したような対策で改善する可能性があります。
20〜30kgのような減量をハイスピードで行いたるんだ皮が戻らない場合は、医療機関を受診するのも方法の一つです。
例えば、美容外科や形成外科、皮膚科などで脂肪冷却やラジオ波での治療や、皮膚切除手術などの治療を受ける選択肢もあります。
費用もかかるため、事前のカウンセリングできちんと相談して、信頼できる医療機関で治療を受けましょう。
健康的に痩せる!ダイエットの注意点
健康的に痩せるダイエットは、皮余りが起こらないように予防することにもつながります。
これからダイエットを始める方は、以下のようなことに注意しましょう。
無理なダイエットはしない
無理なダイエットによって急激に減量すると、皮余りのリスクがあります。
絶食や食材を限定する、何かを全く取らないなど、無理な食事制限で体重を落とすダイエットは控えましょう。
体重や体脂肪を減らす目標を高く設定しすぎるのも、無理なペースで脂肪だけが落ち、皮膚の収縮が追い付かず皮余りが起こる可能性があるため注意が必要です。
若い頃に成功したダイエットであっても、年齢を重ねてから同じ方法を無理に続けると、体への負担や健康リスクが大きくなります。
年齢とともに基礎代謝が落ちているため、より丁寧にダイエット計画を立てて、自然なペースを守って体重や体脂肪を減らすことで、皮余りの予防にもなります。
BMIと標準体重を計算する
ダイエットの必要性を確認して、無理のない目標を設定するためにも、BMIと標準体重を計算しましょう。
BMIとは、国際的な体格指数で、肥満~やせの判定に用いられる基準です。
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI
- BMI18.5未満:瘦せ型
- BMI18.5以上25未満:普通
- BMI25以上:肥満
BMI25以上の方は、普通の範囲を目指してダイエットをすると良いでしょう。
身長に対する標準体重は、身長(m)×身長(m)×22で求められます。
22は統計上で肥満に関わる病気(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)のリスクが低いとされるBMIです。
バランスの良い食事を意識する
ダイエットにおける食事は、必要な栄養素を偏らないようにバランス良く摂取することで、健康的に目指すペースでダイエットができます。
農林水産省の「実践食育ナビ 食事バランスガイド早分かり」を参考に、何をどれくらい食べると良いのかを確認してみましょう。
ダイエット中は摂取カロリーよりも消費カロリーを増やす必要があるため、食事の栄養バランスを考えつつ摂取カロリーを減らし、少しずつ減量を進めていくことが皮余り対策にもなります。
運動を組み合わせて筋肉量をキープ
食事の見直しと組み合わせて、運動を行うことで筋肉量をキープし、基礎代謝が上がるとエネルギー消費量もアップして、脂肪燃焼効果が期待できます。
食事内容の調整だけでは、脂肪とともに筋肉も落ちてしまい、皮膚とのすき間ができて皮余りが発生しやすくなります。
本格的な筋トレやハードなランニングを行わなくても、日常生活の中で少しずつ活動量を増やしたり、家事のやり方を変えたりして、体力やライフスタイルを考えながら工夫しましょう。
厚生労働省の「運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書」では、家事や軽い運動でも以下のようなMETs値(安静時の何倍の身体活動の強さかを表す数値)とされています。
- 皿洗いをする(1.8METs)
- 洗濯をする(2.0METs)
- 立って食事の支度をする(2.0METs)
- 時々立ち止まりながら買い物や散歩をする(2.0~3.0METs)
- ストレッチングをする(2.3METs)
- ガーデニングや水やりをする(2.3METs)
- 動物の世話をする(2.3METs)
- 座ってラジオ体操をする(2.8METs)
- ゆっくりと平地を歩く(2.8METs)
また、ウォーキングやスイミング、ランニングなどの有酸素運動、プランクや腕立て伏せ、スクワットなどの無酸素運動を取り入れることで、より効率よく筋肉量を維持できます。
生活習慣の見直し
ダイエットは、生活習慣の見直しをするチャンスでもあります。
先に説明したように、睡眠の質を上げたり、入浴の仕方を工夫したり、すぐに実践できるものも多いです。
外出の際に日焼け止めを塗り、紫外線によるコラーゲンやエラスチンへのダメージを抑えるのも、皮膚を守ることにつながります。
体内の老化のもととなる活性酸素を消去してくれるビタミンCは、喫煙習慣がある方ですと多く消費されてしまいます。
コラーゲンを保って美肌も維持しながらダイエットするためにも、喫煙は控えた方が良いでしょう。
皮余りは皮膚のダメージを減らす予防と対策をしよう
ダイエット後の皮余りは、急激な体重減少や皮膚へのダメージなどで起こります。
原因がわかれば、ダイエット中には予防策が、ダイエット後にも対策が考えられます。
筋トレを取り入れて、皮膚のたるみを抑えるなど、工夫しながらダイエットに取り組みましょう。
無理なダイエットにならないように、BMIと標準体重を計算して、目標を設定しましょう。
皮余りの予防方法は、健康的に痩せることにもつながるため、ぜひ参考にしてみてください。
監修者プロフィール:小阪 捺稀さん

日本医科大学卒業。大手美容クリニックにて院長経験後、2024年に仙台駅前で「仙台N美容クリニック」を開業。カウンセリングからアフターサポートまで全て院長自らが行い、県外からも指名多数の人気クリニック。目元整形の症例は年間1500件以上を誇る。
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