公開日:2021/05/15
更新日:2021/12/22
イラストレーター・上大岡トメさんが老化について学び、50歳からを楽しむ生き方のアイデアを紹介する連載企画「老いを楽しむ!生き方のタネ」。今回からは実践編として、1回2分で心と体をケアするエクササイズ「トメサイズ」をお届けします。
はじめましての人も、これまでマンガ連載を読んでくれていた人も、改めましてこんにちは! イラストレーターの上大岡トメ(55歳)です。
老化は止めることはできないけれども、やることをやればゆっくりにすることはできる。
これまで「老いを楽しむ。生き方のタネ」の知識編にあたるマンガ連載で、何度もそのことに触れてきました。その「やること」の一つのカギとなるのが「適度な運動」です。
「運動が大切なのはわかっているけど、なかなか続かないのよね……」
はい、そこに高~い「壁」があるのは知ってますよー!
実は、私はイラストレーターであると同時に、ヨガのインストラクターでもあるのです。
ヨガクラスを通していろんな方々を見てきましたが、運動は始めてから習慣になるまで、いくつもの壁があります。特に今まで運動経験がない人は、初めの一歩を踏み出すことさえ難しいのです。
その初めの一歩をサポートしてドーンと背中を押すように、いえ、気楽に踏み出せるように、短い時間で大きな負荷がなくカラダを動かせる、1回2分で心と体をケアするエクササイズ「トメサイズ」をご紹介していきます。
仕事や家族の都合を真っ先に考えなくてはならない50代以上の女性にとって、運動をする時間は、自分のことだけを考える貴重な時間になるはずです。
今、私には大きな目標があります。それは「なるべく介護されないカラダ」を作ること。
私には83歳の母がいますが、「こんなはずじゃなかった」は、彼女の口ぐせ。母は日によって腰と脚が痛くて、思うように歩けない状態。キモチも塞ぎます。今のカラダは彼女の想定にはなかったようで、日常生活さえもつらそうです。
子どもとしても、そのネガティブな姿を見るのはなんとも切ない。自分もそうなりたくない、と感じます。
また、2020年から介護の取材をしているのですが、今までにない高齢社会で、親も子どもも戸惑っている現実(もちろん私も)が見えてきました。そこでハッキリわかりました。
私たちの頃は、介護してくれる人材がいなくなる……!
人口はどんどん減っています。自分たちで自分の老体をなんとかしなくてはならない。自宅でセルフ介護か?(介護ロボットが普及すればいいけど!)子どもにも、なるべく迷惑をかけたくないし。
そのためにやるべきことは明確です。それは、1日でも早く運動習慣をつけること!
日々体を動かすことで、刻々と変化する心身に気付くことができます。そうすれば、いざ老後を迎えても、「こんなはずじゃなかった」ではなく、「ほら、来たー!」と思えるようになるはず。
想定通りならささっと対処できるし、キモチをポジティブに保てる。災害対策と全く一緒。全く準備がない状態で地震が来るのと、いろいろ想定して準備した状態で地震が来るのと、被害の差は明らかです。
親の介護に関わるようになる50代は、まさに運動習慣をつけるチャンス。みんなで一緒にトメサイズをがんばりましょう!
さて、トメサイズは「3つの柱」にそって進めていきます。
まずは、ぽっこりお腹。悩ましいですよね。
私は痩せ気味なのですが、ちょっと油断するとお腹がすぐぽこっと出ます。目立つのなんの。
その原因は運動を怠った時(特にコロナ禍の今、日常の運動量が激減)と、便秘。ぽっこり度は、年を重ねるごとに増しています。
そしてもう一つ、長年の悩みが「電信柱体型」。ウエストのくびれがないのです。ずっとお腹とウェストまわりの二大お悩みでした。
ところが6年前、あることをきっかけに、ウエストが3cmマイナスに(60cm→57cm)、お腹がぺったんこになったのです! その原因は「骨盤底筋」を引き上げる感覚を覚えたこと。
ヨガの指導者トレーニングでの出来事でした。
腰まわり、お腹まわりがすっきりすると、カラダが想像以上に動きやすくなります。するとキモチもふわっと軽くなります。まさしくカラダがココロを引っ張るのです。
「骨盤底筋って何?」という人はまず、試しに次のトメサイズをやってみてください。
骨盤底筋は、骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などの臓器を下から支え、尿道と膣、肛門をコントロールする筋肉です。
膣をカラダの中に引き込む、おしっこを我慢する、肛門を絞める。すべて骨盤底筋の動きです。この筋肉を一番わかりやすく手っ取り早く意識できるのは、「おしっこを途中で止める」とき。
やること自体はとっても簡単ですが、このトメサイズの問題は、止めることを忘れちゃうこと(笑)。大体おしっこをするときは急いでいて余裕がないので、終わってから「は……!そういえば」ってことになるんです。
一番のハードルは、おしっこをする前に「止める」ことを「思い出す」ことかもしれません。
最初のうちはなかなか止められなくても、回数を重ねるとコツがわかってきて、止めることができるようになります。「ああ、骨盤底筋を使ってるなぁ」とわかる。
やがて、せっぱ詰まっているときでも、途中で何回か止めることができるようになります。そうなったら、骨盤底筋がかなり鍛えられている証拠です!
初回のトメサイズは1回2分もかからない、簡単な運動でした。ぽっこりお腹を解消する方法は、次回さらに詳しくお伝えします。それまでに、この「おしっこを止める」トメサイズをぜひやってみてくださいね。次回までの宿題ですよ!
かみおおおか・とめ 1965(昭和40)年、東京都生まれ。東京理科大学卒。イラストレーター。山口県宇部市在住。著書に『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法』『ずさんな家計を整えました。』『子どもがひきこもりになりかけたら』『日本のふくもの図鑑』など多数。最新刊は、コミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎刊)。
★最新情報は、上大岡トメさんのトメサイズインスタやTwitterもチェック!
構成=竹下沙弥香(ハルメクWEB)
■もっと知りたい■
上大岡トメ
1965年、東京都生まれ。東京理科大学卒。イラストレーター。山口県宇部市在住。著書に『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法』など多数。最新刊は、コミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎刊)。
★最新情報は、上大岡トメさんのトメサイズインスタやTwitterもチェック!
この記事をマイページに保存