終の棲家へお引っ越し――我家の男料理も間もなく終了

主夫業を完璧にこなしてくれた夫に感謝して

公開日:2021/10/08

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間もなく終の棲家となる「介護付き有料老人ホーム」に引っ越します。私が脳出血後遺症のため家事ができなくなってから約5年。完璧な「主夫」へと変身を遂げて、外食もままならないコロナ禍の中で、夕食を作り続けてくれた夫への感謝をこめて。

主夫業を完璧にこなしてくれた夫に感謝して
夫のふるさと名物「伊勢海老」かぶとの赤出し

「主婦」から「主夫」へ ― 新しい我家のあり方

すべての始まりは、2016年11月3日。私の突然の脳出血発症でした。

治療・リハビリ入院を経て、3か月ぶりに自宅に帰れたのがうれしくて、早速、入院用品の整理や気になっていたトイレ掃除を、ヨチヨチ歩きやハイハイ状態ながらがんばり、主婦魂全開!

そんな主婦魂も、あえなく3日で消失。39度を超える高熱が5日間続きました。脳出血がいかに体を痛めつけていたのかを思い知らされました。

それから約1年、試行錯誤しながら新しい我家のあり方にたどり着きました。それは、私が「主婦業」を手放し、代わって夫が「主夫業」を引き受けること。

その宣言ともいえるような行事が、英語サークル仲間を我家にお招きしての2018年新年会。夫のふるさとの漁港で競り落とした海鮮を使った手巻き寿司パーティーでした。

「主婦」から「主夫」へ ― 新しい我家のあり方

翌日には、参加してくれた仲間からうれしいメールがとどきました。

【2018年1月26日友からのメール】

♪昨日は長い時間ご一緒させていただきありがとうございました。N漁港の美味しいご馳走を、女子会だけであんなにゆったりとした時間でいただいてとても幸せでした。ご主人のホスト役に徹した素晴らしい、そして何より自然体ですべてを気持ちよくサーブしてくださったこと、とても感動しました。あらためておふたりの深い信頼関係と、お互いへの愛情の深さを感じることができましたよ。

♪昨日は温かいおもてなし ありがとうございました。心に残る1日となりました。T町の潮風をかんじさせる心のこもったお料理はさることながら、おうちの中に漂う温かい空気harumatiさんファミリーの絆。あなたのご主人への声かけや 配慮。絶妙‼️ 日常生活を ストレスなく 満たされていることが 回復への道なのですね。納得。ありがとうございます! いい1日でした。

友からのメールは、主婦から主夫へと入れ替わった新しい我家のあり方を認めてくれる、何よりの応援歌となりました。

良い人間関係の中で磨きがかかった夫の腕前

夫は、自分では「人見知りだ」とか「話が苦手だ」なんて言いつつ、たくさんの友人を持っています。

その内の1人が、毎年筍(たけのこ)の季節になると、「雨後の筍が顔を出したよ」と声をかけてくれます。声がかかると喜んで出掛けていき、3人家族には多すぎるほど掘らせてもらって、ホクホク顔で帰ってきます。

帰るとすぐに大鍋に米ぬかを入れたお湯をたっぷりと沸かし、皮付きのままで茹でこぼします。日光をほとんど浴びていない朝掘りの筍は長い時間水にさらさなくても、ほとんどえぐみはありません。

良い人間関係の中で磨きがかかった夫の腕前

1日目は、薄切りにして刺身で頂きます。筍ごはんも昆布出汁にお酒とお塩だけの味付けでシンプルに頂きます。2日目はオリーブオイル焼き。味付けはこれもシンプルに岩塩と挽き立ての黒胡椒のみ。

3日目は、旬の筍を食べ尽くすべく、穂先のすまし汁と堅いところまで柔らかく仕上がる天ぷら。シーフードミックスと人参・さつまいものかき揚げと、ヨモギの芽の天ぷらを添えて春らしく。こうして筍三昧の3日間が終わります。Iさんありがとう。私たちが高齢者住宅に入っても、春の雨上がりには今まで通りに誘ってね。

京都府内の他の市にも、遠く離れた長野県松本市にも、取れたて農産物を届けてくれる友人たちがいます。野菜大好きの私は取れたて野菜を頂くとがぜん張り切って、とっておきメニューを考えます。

良い人間関係の中で磨きがかかった夫の腕前
地元のJA直売所で買ったスイーツを添えてひな祭りの料理
良い人間関係の中で磨きがかかった夫の腕前
友人が暑い夏に汗水たらして育ててくれた特産品の水茄子丸ごと煮物
良い人間関係の中で磨きがかかった夫の腕前
友人が丹精こめて育ててくれたカボチャの丸ごとグラタン

入居目的の一つ「家事からの解放」は果たして?

普段は平凡な家庭料理のメニューを、私が毎日メモに書いて冷蔵庫に磁石で留めておきます。夫がそのメニューを見て夕飯の支度にかかります。夫のiPadにクックパッドから作り方を送ったり、雑誌『ハルメク』に付箋を貼ったり、新聞を切り抜いたりして置いておきます。

こうして二人で築いてきた、「夫が主夫」の新しい暮らし。

入居目的の一つ「家事からの解放」は果たして?
不自由な右手で毎日書き続けたメニュー

「夫の家事からの解放」が目的の一つである「介護付き高齢者住宅」への入居だけれど、「夫の主夫業」はすぐには終わりそうにありません。

 

■もっと知りたい■

harumati

定年退職・年金生活者。45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から1か月もせず、今度は脳出血に襲われました。1年半の闘病、リハビリ生活後、2018年、旅行・ボランティア・夏休みの娘母子とのプチ同居を3本柱にした、悠々自適のリタイア生活を取り戻すべく仕切り直して再出発しました。

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