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- 条例の数々に右往左往の結婚式
コロナ禍2年目。東京は今回の緊急事態宣言の急な発令で、披露宴は宴会とみなされ、条例によりアルコール提供自粛要請が出されました。私たちスタッフだけではなく、新郎新婦も翻弄されています。いったい、いつになったら、この状態が落ち着くのでしょうか。
ブライダル業界の厳しい状況
東京の緊急事態宣言が、6月以降も再延長となりました。ワクチン接種がスタートしたとはいえ「本当にいつまで、つらい時期が続くのだろうか」と、考える毎日を過ごしています。
そして、私たちスタッフだけではなく、結婚式を挙げる新郎新婦は、私たちよりさらにつらい決断もしなければなりません。東京都の条例により、
- アルコール提供の自粛
- カラオケの禁止
- 20時以降の披露宴の自粛
- 1時間30分に短縮
のお願いが出されました。この時期に結婚式を挙げるお客様の中には、昨年1度目の緊急事態宣言のあおりで、1年延長された方々が何組もいらっしゃいます。昨年の今頃、まさか1年後にはさらにひどい状況になってるとは思いもしませんでした……。
キャンセル料金
一生に一度の結婚式に、何度も延期や自粛のお願いをお伝えしなければならない事態、これが本当につらいです。
昨年1度目の緊急事態宣言の時には、新郎新婦やご両親から「自分たちの都合ではないのに、キャンセル料をどうして支払うのか」こんな質問、お叱りが続きました。
「条例で決まったことですので、申し訳ございません」と、ひたすらお詫びをし、できる限りの代案を考え、ご提案する事で必死でした。考えてみれば、お客様には何も落ち度はありません。
何か月も前から準備をしてきて、急にこの日はできなくなりました。と、言われても納得できないですよね。日時を変更したくとも、お子さんを授かり変更が厳しくなった方もいらっしゃいました。諸々のキャンセル料を計算し、その金額より安くできる何かがないものかを考える毎日でした。
「条例だから仕方ないですよね」
東京の緊急事態宣言は、ある程度予想はついていましたが、アルコール提供の自粛には、本当に驚きました。それより何より、お客様の冷静な対応に心が痛くなりました。
「ここで決断しないとキャンセル料かかっちゃいますもんね」と、不満と不安に脅かされてるであろう中、クレームを言ってこられる方は、今回の緊急事態宣言発令ではいらっしゃらなかったのです。
こんなことに慣れてきてる事の方が悲しい現実だと思います。 レストランウエディングでは、ノンアルコールカクテルの種類を楽しんでくださった方もたくさんいらっしゃいました。
しかし、和の披露宴で日本酒の会で知りあった新郎新婦の決断は、つらかったと想像します。おいしい和食にあわせて、日本各地の日本酒を楽しんでいただくために取り寄せていました。日程を変更する事も数日後にせまり、引き菓子、料理のキャンセル料金がかかってしまう事もあり、実施を選びました。
いや、やるしかないと言った方が正解だったとも感じます。結果として、日本酒の数々は、抽選会をしてみなさまにご自宅で吟味して頂く事にしました。新郎新婦がゲストの人数分のお酒も買い足し、お荷物になるのでご自宅に郵送するという、大変粋な計らいにみなさんが喜んでくださいました。ゲストのみなさんの温かいお気持ちが、新郎新婦にとっては、なによりほっとした事だったと思います。
お客様に「条例だから仕方ないですよね」と、こんな言葉を言わせるような状況から、少しでも前に進む事を願うばかりです。
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