50代未経験でも始められる!新しい稼ぎ方 #1
50代からの“時間と場所に縛られない働き方”:未経験OKのリアルな選択肢
50代からの“時間と場所に縛られない働き方”:未経験OKのリアルな選択肢
更新日:2025年10月27日
公開日:2025年10月24日
教えてくれるのは、門賀 美央子(もんが・みおこ)さん
1971年大阪府生まれ。文筆家として、文芸、宗教、美術関連の書籍や雑誌記事を手掛け、人生後半の生き方をテーマに執筆を続ける。著書に『文豪の死に様』(誠文堂新光社刊)、『死に方がわからない』(双葉社刊)、近刊に『繋がり方がわからない』(双葉社刊)など多数。
※本記事は、書籍『この先の、稼ぎ方がわからない。50歳から考えるお仕事図鑑』より一部抜粋、再編集して構成しています。
50代女性の転職が厳しい本当の理由【現実チェック】
50代から何か新しい仕事を始めるとすると、方法は2つあります。起業するか、被雇用者になるか、です。
私の場合、現在は文筆業に従事していますが、20代で小売店の販売員、経理事務、オープン系システムのプログラマー、30代で飲食や小売の経営分析関係の仕事などをした経験があります。
もっとも手っ取り早いのは、経験を生かした仕事に就くことです。起業はハードルが高そうなので、ひとまず被雇用者になる前提で検討します。
まず、経営分析系の仕事、これはもうきっぱり無理です。当時やっていたのはアシスタントレベルの業務なので、箸にも棒にもかかりません。その点、接客の仕事は比較的見つけやすいと思われます。「接客」自体にはさほど不安はありませんが、一方、自信がないのは体力です。次にプログラマー。現在の技術についていけるかというと、私のレベルでは難しいところです。
こうしてみると、やはり経験だけで後半人生の仕事を選ぶのは難しそう。ですので、改めて「中高年のお仕事事情」をチェックしていきたいと思います。
表向きは年齢不問でも、“見られ方”で落とされる理由
ところで、求人条件に年齢制限をつけるのは一部の例外を除いて原則禁止であることはご存じでしょうか。しかし、実態はというと、応募条件に年齢制限がなくとも、書類審査の時点で足切りされることが多いそうです。
もちろん、不採用の理由として「あんたは年寄りだから不合格」と告げたらアウトですが、「適性がないと判断しました」であればOK。そう言われたら誰も文句をつけられません。
本気で中高年OKの求人を見たいならば、インターネットでの閲覧ではなく実際にハローワークに出向き、高齢者も対象であると明記されているコーナーをチェックするに限ります。
50代の求人はまだギリギリ正社員もあります。もし何か特殊な技能や資格、かなりハイレベルな業務経験を持っているのであれば60代で正社員の求人を見つけることは可能でしょう。
では「未経験可」はどうでしょうか。
職種は介護補助、調理補助、清掃、警備に限られると思って間違いはありません。店舗スタッフも若干見受けられますが、いずれにせよ体力が必要な仕事です。さらに言うなら雇用形態は非正規、給料はほぼ最低賃金です。
未経験でも大丈夫?50代から選べる“自由な働き方”3選
何歳になってもやりたい仕事に就きたい! そう思われるのであれば、方法は1つ。自営業者になるしかありません。そして、自営業者になるには3つほど手段があります。
[1]起業して法人経営者になる
[2]起業して個人事業主になる
[3]フリーターになる
もし事業計画を立てられるだけの豊富な経験や有意義な人脈があって、開業資金もしっかり用意できるならば、[1]の「法人経営者になる」はシニアになってから現実的な選択肢となるでしょう。逆に、これらが一つでも欠けていれば残念な結果になるのは必定です。
[2]の「個人事業主になる」は、法人の形を取らないで事業を始めるパターン。個人事業主として仕事をするならば思い切って「未経験だけれどもやってみたい職業」に挑戦するのもいいかもしれません。
しかし、まったくの徒手空拳で始めるのはさすがに無謀。ゆめゆめ、いきなり退職金を突っ込んで趣味の手打ち蕎麦屋やオーガニック・カフェなど始めたりなさいませんよう。
[3]の「フリーターになる」ですが、これは単発や短期のアルバイトをいくつも兼業してお金を稼ぐ方法です。自分の好きな時間に、好きな仕事を(ある程度)選べるのは魅力です。今さら人生全体のキャリアを考えなくてもいい老境だからこそできる働き方かもしれません。
「旅しながら暮らす」という選択肢
さて、能書きはこのあたりにして、50歳以降でも始められそうな、あるいは世間で“始められる”と認識されている職業を、具体的に見ていきます。ここでご紹介するのは、場所を変えながら旅人のように働く、2つ。
職業が「旅人」? ふざけているの? と思われたかもしれません。でも、大真面目です。
現実に可能かどうかは度外視した理想の生き方……より正確を期するならば「死ぬときに後悔しなさそうな生き方」を可能にする仕事について考えてみたいと思います。
パソコン一つあれば世界中がオフィス「デジタルノマド」
ノマドとは、遡ればギリシア語に起源を持つ英単語で遊牧民――家畜を連れて広大な大地を移動しながら生活をする人々を指す言葉です。そんな彼らのように、インターネット環境とIT機器を武器に場所を選ばずに働く人たちのことをデジタルノマドと呼びます。
とはいえ、その多くは単にカフェやコワーキングスペースなど、場所をあちらこちら移動して仕事をしているだけです。では、本格的に旅するデジタルノマドたちはどんな仕事をしているのでしょうか。
もっとも目立つのはYouTuberをはじめとするデジタル・コンテンツの提供者です。
彼らは旅の見聞をそのままコンテンツとしてさまざまなプラットフォームにアップし、視聴者を得て再生回数を稼ぐことで収入源にしています。当然ながら人気が出なければ一銭にもなりませんが、そこはあの手この手で特徴を出しながら登録者数を獲得しています。
彼らは自らの生活自体をコンテンツ化しつつも、概ねフリーランスのWEBデザイナーやプログラマーなどデジタル系技術者をやっています。主な収入はそちらから得るほうが多いようです。
こうして考えると、何らかのリモートワークが可能なスキルによって、ある程度補完する収入を得られるのであれば、年金などのベーシックインカムが保証されている年齢層のほうがデジタルノマドになりやすいのかもしれません。
地域を変えながら働く「国内ワーキングホリデー」
1年365日ずーっと旅に生きるのはコスト的にも体力的にも難しいかもしれません。ですが、年間何か月かは旅先で働く、ならどうでしょうか。つまり、ワーキングホリデーのように旅先で就労して稼ぐ方法です。
こうした働き方のもっとも代表的な例はリゾートバイトです。定期的に一定量の短期雇用が発生します。これをうまく利用すれば、一年のうち好きな期間だけ「自分が住みたい場所」に住めることでしょう。
Data
職業名:旅人(デジタルノマド/国内ワーキングホリデー)
仕事内容:旅の中で暮らす
就業形態:業務委託、パート契約、アルバイト契約
想定年収:~300万円
上限年齢:なし
必要資格:なし
必要技能:ケース・バイ・ケース
こんなタイプにぴったり!
・環境の変化が苦にならない(むしろ好き)
・いろんな体験をしてみたい
こんなタイプはやめておいたほうが……
・体力に自信がない
・不安定な生活が苦手
あなたにもできる、50代からの“稼ぎ方改革
50代でも、未経験でも、あなたらしく働く方法はあります。今からでも遅くないし、選べる道は思っているよりずっと多いのです。
まずは、ハローワークや求人サイトで「年齢不問」「未経験OK」の案件を探してみましょう。それが「行動」の第一歩になります。
次回の記事では、主婦経験と趣味を生かす【50代の仕事2選】をご紹介。生活経験そのものが“武器”になる働き方とは?
※本記事は、書籍『この先の、稼ぎ方がわからない。50歳から考えるお仕事図鑑』より一部抜粋、再編集して構成しています。
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#1:時間と場所に縛られない「新しい働き方」
#2:キャリアゼロでも始められる【50代の仕事2選】
#3:話好きが武器になる!“聞く力”を活かす仕事2選
もっと詳しく知りたい人は、門賀さんの書籍をチェック!
50代からの働き方に迷ったら、副業や再就職など多彩な選択肢があります。特別なスキルがなくても挑戦できる仕事から、新しい自分に出会える仕事までを紹介。収入だけでなく、心の満足や時間の使い方も見直せる“50代からの稼ぎ方ガイド”です。




