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- もしかして夫源病?夫にストレスを抱える女性たちの声
夫へのストレスが原因で、頭痛やうつ症状といった不定愁訴が表れる、その名も「夫源病(ふげんびょう)」で悩む女性が増えていると、医師の石蔵文信さんは言います。今回は夫へのストレスが原因で、体調不良を抱えた女性の体験談をお伝えします。
事例1:文句ばかりで怒鳴る夫。不眠と耳鳴りが……
「一日中テレビの前に座り、怒鳴る夫。不眠と耳鳴りに悩んでいます」
匿名希望・Aさん(67歳)
現在71歳の夫は、11年前に定年退職しました。以来、一日中パソコンやテレビの前で過ごす毎日。夕方になると運動不足解消のため1~2時間散歩に出たかと思うと、帰って来るなり何が気に入らないのか、怒鳴るんです。
先日も、私が1階でテレビの健康番組を見ていると、2階で同じ番組を見ていた夫が、「お前も健康のために○○しろ!」と怒鳴りながら降りてきて……。本人は親切心で言っているのかもしれませんが、威圧的な言い方をされると、相手をする気もなくなります。
他にも、私に電話があるたびに内容を聞いてきたり、外出すると「主婦は家に居るもんだ」と皮肉のひと言。
反論すると、すぐカーッとなり何倍にもなって言葉が返ってくるので、会話は必要最低限にしています。現在は家庭内別居状態。食事は私が作りますが、食べるのは別々です。夫が外出するとホッとするんです。
ストレスで不眠になり、20年前には突発性難聴を発症。すぐに病院に行きましたが、今も耳鳴りが続いています。
また、5年前からは顔面が痙攣(けいれん)するように。目を開けていられず、運転中に危ない目に遭ったことも。病院に通い、筋肉の収縮を和らげるボトックス注射を打っていますが、痛い上に費用も高額なのが悩みの種です。
事例2:夫が家に1日中居るように。生活リズムが乱れた
「夫が定年になり、これまでの生活リズムが乱れ、肩こりやめまいが……」
匿名希望・Bさん(62歳)
夫は中学校の同級生なので、言いたいことを言える仲。けれど夫が5年前に早期退職してからは苦労しました。
大変だったのは食事の準備。朝7時に家を出ていた夫が、ゆっくり起きるようになったのです。私はそれに合わせて朝食を作って、以前より遅い時間に運動教室に行き、またすぐ昼食を作るために飛んで帰ってと大忙し。
私が帰ると、‟いい子”にして食卓で待っているんです(笑)。一人なら、簡単にすませるのに……。スーパーにも「一緒に行く」とついて来ては、必要ない食材を買ってと大変でした。
昔、首の手術をした私は夫のことでストレスが溜まると肩こりが悪化。めまいも始まりましたが、運動教室で指導を受けて改善しました。
今は、それぞれしたいことをしつつ、共通の趣味もでき、試行錯誤を続けるうちに、少しずつ距離の取り方がわかるようになりました。定年後の変化に、夫も戸惑っていたのだなと振り返るこの頃です。
事例3:夫の存在に動悸が……。精神科に通うことに
「夜中に夫が帰ってくると動悸が。突然、食事が砂の味になりました」
匿名希望・Cさん(58歳)
私は、同い年の夫と娘との3人暮らしです。自営で働く夫は喜怒哀楽が激しく、機嫌が悪くなると、すねたようになり食事も食べません。
40歳で私が乳がんの手術をした後のこと。重い掃除機が持てず代わりをお願いすると「調子はどうだ」と、毎日大声でこれ見よがしに言うのです。夜は、夫が帰った音がすると心臓がどくどくする日々。いつの間にか食事も砂の味のような気がして。精神科に行き、先生に「よくがんばりましたね」と言われたときは、涙があふれました。
そんなある日、我慢の糸がぷっつり切れて、自分の気持ちを思い切り吐き出しました。さすがに夫は驚いて、以来少しおとなしくなりました。結婚して30年間、主婦だった私。財布は夫が握っているため、離婚はできません。今は夫を、小さな子どもだと思って諦めています。
取材・文=木村和歌菜
※この記事は、2013年5月号「いきいき(現・ハルメク)」を再編集したものです。
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