50代女性

更新日:2025年03月09日 公開日:2020年05月17日

外出自粛で夫のモラハラに怒り爆発

コロナ禍を経て離婚の意思が高まった50代夫婦の関係性

コロナ禍を経て離婚の意思が高まった50代夫婦の関係性

新型コロナ禍は夫婦関係にどのような影響を及ぼしたのか?外出自粛やリモートワークで夫婦共に過ごす時間が増えた結果、離婚の意志が高まったという50代主婦の話を紹介しよう。

新型コロナウイルス禍を経たライフスタイルの変化は、50代のベテラン夫婦の関係性にどういう影響を及ぼしたのだろうか?

30歳前後の結婚間もない夫婦にとって、「家にこもる」外出自粛な日々は、二人の関係を強めるきっかけになったのかもしれない。

40代となると子どもが難しい年齢になっていることもあるし、結婚以来初めて長期間、夫と過ごす時間をもったことで逆に冷戦状態になっているカップルも多い。

「うちの母がよく言ってました。『亭主元気で留守がいい』って。私も今、それを痛感しています」そんな声が周りには多かった。

では、さらにベテランである50代夫婦は、この事態をどう捉え、夫婦関係はどう変わったのだろうか。

夫のモラハラ発言に怒りが収まらない日々

夫のモラハラ発言に怒りが収まらない日々

今までもモラハラ発言はよくあった。ただ夫は多忙であまり家にいる時間もなかったから、自分自身でストレス発散することができていたと言うのは、ヨシエさん(52歳)だ。4歳年上の男性と結婚して24年、大学3年生の娘と高校3年生の息子がいる。

「娘は就職活動もままならず、希望の仕事に就けるかどうか、鬱々(うつうつ)としています。息子はオンラインで予備校の講義などを受けていますが、こちらも不安が尽きない様子。二人とも大変だけど、私は子どもたちを励ますことはできています。いちばん厄介なのが夫です」

とある企業の管理職である夫は2020年3月末まで出社していたが、コロナ禍を経て家で仕事をする時間が増え、それに伴って家族と過ごす時間も増えた。

「最初は夫も慣れないリモートワークに四苦八苦していたみたいですが、そのあたりは子どもたちの方が強いので、いろいろ教えてもらっていましたね。それで子どもたちには文句を言えなくなり、夫のストレスが一気に私に回ってくるようになったのかもしれません」

夫はまるで『家庭内警察』

夫はまるで『家庭内警察』

専業主婦のヨシエさんがする家事にいちいち難癖をつけてくるのが夫だ。

「消毒液などを使っていると『臭くてたまらない』と文句を言うし、台所にやってきては『水回りが汚い』と小言を吐く。一日中、家の中をパトロールして歩いてる。『自粛警察』なんていってコロナ禍で自粛していない店や個人を非難する人がいましたが、夫は『家庭内警察』みたいなものですね」

ひと息ついてお茶を飲んでいると、「いいなぁ~。おまえはずっとそうやってラクして暮らしてるんだな」とため息をつく。

彼女が「いつかフランスへ行きたい」とフランス語の勉強をしているのを見ると、「今さら、そんなことして何の役に立つわけ?」とつぶやく。「何でもいいからもっと生産的なことをしたらどうなの?」と言われたこともあるという。

「夫はストレスがたまって何気なく言っているのかもしれないけど、私としては人格を否定されまくっている気分です。そんな嫌味ばかり言わなくてもいいじゃないって言ったら、オレは間違ったことは何も言ってない、と開き直るんです。子どもたちももう大きいので、親が険悪になっていても見て見ぬフリをしていますね。私は孤独感が強まっています」

「離婚」の二文字が頭から離れない

「離婚」の二文字が頭から離れない

振り返れば30代、子育てで忙しいときに夫は仕事が多忙で家庭を顧みなかった。それだけではない、浮気疑惑が生じたこともある。ヨシエさんは今でも、夫は絶対に浮気をしていたと感じているが、当時はうまくはぐらかされた。経済的に夫と別れられないことがわかっていたし、夫に不機嫌になられるのがイヤで深く追求はしなかった。

「子どもたちが少し大きくなった40代は、何かあると『おまえの育て方が悪い』と言われていました。今なら信じられないような言葉でしょうけど、当時、専業主婦の妻は何も言い返せませんでしたよ。子どもたちが大きくなったら、いつか自由になりたい。そんなことばかり考えていました」

そしてコロナ禍を経て、夫は昔から全く変わっていないことを痛感させられた。家で快適に過ごせないのは、すべて妻のせい。自分は「家族を養う」という大事業を一人でやっているのだから、あとの家族はみんなオレに従え。夫はずっとそう思ってきたのだろう。

子どもたちが大きくなった今、彼らは夫の知らないことも知っている。若い能力にはかなわないところもあるから、夫の支配欲のすべては妻に向かう。

定年退職のタイミングで離婚したい

定年退職のタイミングで離婚したい

「夫が定年退職したら離婚したい。今ははっきりとそう感じています。でも経済的には難しいでしょうね。今さら仕事も見つからないでしょう。娘にちらっとそんな話をしたら、『やる気さえあれば家事代行業だってできるし、お母さんは料理が上手なんだから人の家に行って料理を作る仕事だったできると思う。一人で生きていく覚悟があるかどうかの問題じゃない?』と言われました。娘はよく見ていますよね」

まずは何か一歩踏み出してみようか。ヨシエさんはそう思うようになっている。自分にできるのは家事業だけ。それならそれを仕事に生かせばいいのだ。

「まだまだ決意が甘いんですけど、自立する手もあるんだとわかってから夫の文句にいちいち反応しなくてすむようになりました。夫の定年は65歳なので、あと数年。夫は会社でどれだけ活躍できるか必死みたいですけど、私は私で自立の道を進んでいこうと思っています」

老後は決して短くない。第二の人生を夫に支配されながら過ごすのか、生活レベルは落ちても自分の尊厳を取り戻すのか。ヨシエさんは「コロナ禍を終えて大事なものが見えてきた」と話してくれた。

取材・文=亀山早苗  

■もっと知りたい■
【特集】50代女性のセックス・セックスレス事情

  1. 50代女性のセックス事情!半数以上はセックスレス?
  2. 気付けばセックスレス…更年期で性欲再燃
  3. 50代女性が10年のセックスレスを解消した方法は?
  4. 医師に聞く!更年期の女性ホルモン&セックスの関係性
  5. 医師に聞く!更年期セックスレスの解決策&対処法
  6. 50代女性セックスレスを打破して男女に戻るには?
  7. 更年期の性交痛!男女のセックス観を見直すきっかけに
  8. コロナ禍で離婚の意思が高まった50代夫婦の関係性
亀山早苗
亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。

みんなの コメント
ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

驚きの軽さ&使いやすさ!

1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール
1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール

【PR】税公金を簡単にお得に支払うには?

税公金をスマホで払うと…

税公金の支払いはスマホからが圧倒的にラク&お得!「ゆうちょ銀行」では抽選で毎月1万名様に1,000円が当たるキャンペーン実施中!

2025.04.21
【PR】災害のために今備えたいのはポータブル電源!

便利すぎ!大容量ポータブル電源

地震・台風などの災害時に心強い「大容量ポータブル電源」は、普段使いで電気代の節約にも大きく貢献します!知らなきゃ損!

2025.04.16
【PR】部分入れ歯のウソホント!?正しいケアって?

部分入れ歯のウソ・ホント!?

部分入れ歯が不安定・外れそうで怖い…そんなお悩みは「ケアの仕方」に原因が!?間違えている人が意外に多い、部分入れ歯の「正しい使い方」を専門家が紹介します!

2025.03.12
【PR】50代の尿トラブル大調査! なんと8割の方が……

50代で8割以上!?尿モレの悩み

ヒトに話しにくい尿トラブルの話…「私だけ?」とお悩みの方も多いのでは?50代ハルトモさん達にアンケートを実施し、実態を調査しました!

2025.04.10
認知症のご本人の財産や権利をどう守るか?

お金に困りたくない!

認知症になると、不動産の手続きや預貯金の引き出しが自由にできなくなります!事前に知らないと苦労する「法律」とは…

2025.04.08
ご家族の認知症介護の進め方、向き合い方

もし親が認知症になったら…

家族が認知症になった時、介護や通院など一体何を準備すればいいのでしょうか?「もしも」の場合のスムーズな対応を解説!

2025.04.04
【PR】飽き症でも、ゼロから英語が話せるようになったワケ

ゼロから英語が話せる!

飽き症さんでもOK!たった60日で英語が苦手な人でも英会話ができるようになると話題の「インド式英会話」をご存知ですか?無料体験セミナー実施中です!

2025.02.05
物価高の今こそ考えたい!インフレ時代に「資産運用」ってどうして必要なの?

本当に必要な「お金の準備」

物価が急激に上昇している今こそ、将来に向けて「お金の準備」が必要です!年金や退職金に頼らない、資産形成を進めるには?

2025.04.18
これだけ覚えておけばOK!海外旅行先で使う英会話10選&英会話学習法

海外旅行で「英会話」を楽しむ♥

海外旅行先で使う英会話10選&手軽に英会話力を伸ばす方法をご紹介!50代からの新しい趣味・学び直しにいかが?

2025.04.10
「ひょっとして認知症かも」と心配になったらどうすればいい?(後編)

認知症の分かれ道!41%が…

認知症1歩手前「MCI(軽度認知障害)」と診断された場合、最大41%の方が健常な状態に戻ることが分かっています!認知症を「発症させない」ためにすべき事とは…?

2025.04.14
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
おひとりさま女性のソロライフに備えよう!「おひとりさま老後」の資産運用

老後資金、こんなに要るの?

未婚に限らず、離婚・死別などで誰しも「おひとり様」になる可能性が。一人で生きていくための「お金の準備」は出来ていますか?

2025.03.18

ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

「奇跡の60代!木村友泉 大人のリンパケアLesson」横隔膜をゆるめる動き