赤裸々アンケートから見えた50代女性の性生活事情

50代女性のセックス事情!データやみんなの経験談

50代女性のセックス事情!データやみんなの経験談

更新日:2025年02月27日

公開日:2020年02月25日

50代女性のセックス事情
50代女性のセックス事情

50代女性のセックスライフやセックスレス事情について、アンケートから見えてきた真実をもとに解説します。更年期も性生活に大きく関係しているようです。

目次

最終更新日:2025年8月28日

【この記事の3行まとめ】

✔ 50代以降の女性の6割以上がセックスレスという調査結果があります。

✔ 更年期による性交痛や、パートナーとのコミュニケーション不足が原因の一つと考えられています。

✔ 年齢を重ねたからこそ楽しめる性もあるはず。諦めずにパートナーと向き合うことが大切です。

「セックスレス」という言葉を耳にするようになって久しいですが、私たちハルメク世代の女性たちは、実際のところ、どのくらいの頻度でセックスをしているのでしょうか。周りの友人とはなかなか話しづらいテーマだからこそ、自分だけが悩んでいるのではないかと、不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。


グラフ出典:「ジャパン・セックスサーベイ2017」
グラフ出典:「ジャパン・セックスサーベイ2017」より

ジェクス株式会社による「ジャパン・セックスサーベイ2017」の調査結果は、少し衝撃的かもしれません。なんと、50代以降の女性の61.7%が「この1年間、まったくセックスをしていない」と回答しているのです。年に数回、という方を含めても、決して多くはないのが現状のようです。この数字を見て、あなたはどう感じましたか?「私だけじゃなかった」と安堵した方、それとも、寂しさを感じた方、さまざまでしょう。

また、50代女性のパートナーとして多い、50代男性の41.5%および60代男性の49.5%も「この1年間、まったくセックスをしていない」と答えている。

相模ゴム工業株式会社の「ニッポンのセックス」という日本全国1万4000人に及ぶ大規模アンケートによれば、既婚者・交際相手がいる50代男性の60.3%、60代男性の53.3%以上がセックスレスだと感じており、そのうちの65%以上が「もっとセックスしたい」と答えている。

一方で、私たちと同世代の女性たちも多くがセックスレスだと感じてはいるものの、「もっとセックスしたい」と願っているのは50代で24.9%、60代では14%に留まります。ここに、パートナーである男性との間に、埋めがたい意識の差が横たわっているのかもしれません。夫は求めているのに、自分は応えられない。そんな心苦しさを感じている方も少なくないのではないでしょうか。

男性に比べて、女性は「セックスしたくない」が非常に多い。したくない理由として、女性たちの多くは「年齢的にもういい」「面倒くさい」「性欲がない」を挙げている。

「ニッポンのセックス」では項目として「性交痛」という選択肢がないので推測ではあるが、おそらくこの回答の中には「性交痛」を伴うセックスにネガティブになっている人がいるのではないだろうか。

現に「ジャパン・セックスサーベイ2017」では、50代女性の63.4%もの人が「性交痛を感じることがある」と回答しています。これは決して他人事ではありません。かつては感じなかった痛みが、セックスを苦痛なものに変えてしまう。言いたくても言えない、パートナーにどう伝えればいいかわからない。そんな切実な悩みを抱えている方が、これほど多くいらっしゃるのです。

更年期の影響で性交痛?

女性の平均閉経年齢は約51歳といわれている。閉経を挟んで前後各5年間程度、つまり45歳から56歳あたりが「いわゆる更年期」である。個人差があるゆえ、60歳を超えてから更年期症状を訴える人も少なくない。

女性ホルモン量が激減するのは40代なのだが、実際に更年期を経ると女性ホルモンはさらに低下する。

すると、女性ホルモンの影響を受けていた膣は潤いを失い、乾燥しやすくなります。その結果、性交時に痛みを感じることが多くなるのです。これは、あなたのせいではありません。女性なら誰の身にも起こりうること。まずは、ご自身の体の変化を正しく理解することが、解決への第一歩です。潤滑剤(ローション)など、痛みを和らげるためのアイテムを試してみるのも一つの方法ですよ。

「40代後半までは私もセックスが嫌いではなかったんです。でも今は、夫に求められるのが苦痛。膣の入り口が潤っていても、奥が乾いている感覚があって痛いんです」(58歳)

「50代前半から、体力がなくなったことを痛感しています。子どもたちは大人になったけど、代わりに親の介護問題が降りかかってきた。仕事もあるし、夫は前のようにたまに求めてくるけど、私はしながら『早く終わらないかな』とばかり考えています。セックスを楽しむには、年をとり過ぎたのかもしれないと思うと、ちょっと寂しいですね。女性として、もう輝けないのだろうかと、ふと自信を失いそうになります」(57歳)

人生にはいろいろな段階がある。年齢によって体力も考え方も変わる。だが、本来、性欲はあるものだし、人生も後半になったからこそ豊かな性を楽しむこともできるはずなのだ。

ところが現実は、なかなかそうはいかない。もちろん、女性側に欲求があってもパートナー側がその気になれないこともある。

心と会話の交流はあるか?パートナーとキスできるか?

夫婦関係、パートナーシップはうまくいっているはずなのに、なぜか性だけが抜け落ちてしまっている。そんな風に感じることはありませんか?それとも、気づけば会話やスキンシップが減り、その延長線上にセックスレスがあるのでしょうか。長年連れ添ったパートナーとの関係性を、一度ゆっくりと振り返ってみる時間も必要かもしれません。心のすれ違いが、体のすれ違いを生んでいる可能性もあるのです。

「夫とは口もきかないという冷たい関係ではないし、日常的な会話はあるけれど、時間を忘れて夢中になって話し合うとか、恋人時代のように一緒に出掛けるとかはほとんどありませんね。

それぞれが趣味を楽しんでいて不干渉。夫婦の距離感としては悪くないけど、ときどき、じっくり話し合うことも必要かなとは思っています。

ただ、話そうとすると、夫は理屈で私を負かそうとするので、面倒になって話さなくなっちゃうんですけどね」(54歳)

これも平均的な日本の熟年夫婦のありようかもしれない。仲がいいともいえないが、悪いわけでもない。

男女という関係ではなく、すでに単なる同居人で、子どもがいれば会話が弾むこともある、という感じが典型的なのではないだろうか。

「夫には長い年月、触れていませんね。嫌いなわけではないけど、家の中ですれ違うときもなるべく体が触れないようにしています(笑)。だから手を握るとかキスをするなんて論外。あり得ないです。それで寂しいとも思わない。

昔は、いくつになっても手をつないで歩きたいと思っていたこともありましたが、いつからこうなっちゃったんでしょう……」(56歳)

長年、一緒にいれば「家族」になると、多くの人は口を揃えて言う。「家族」が体を密着させるのは気持ちが悪いと。ハグなどの習慣がない日本では、スキンシップは若い男女のものであり親子のものであるのだろう。男女の感覚が失われた熟年夫婦が体を触れあうことがなくなるのもよくわかる。

ただ、それで本当にいいのだろうか、と思っている女性たちもいるのだ。

「せっかく妊娠の心配もなくなり、子どもたちも家を出て独立。夫婦二人きりになったのだから、今まで遠慮しながらしかできなかったセックスを思う存分楽しんでみたいという気持ちはあります。でも……夫はその気はないみたいなので、気持ちだけで行動が伴わないんです」(58歳)

そんな密かな願望を持っている女性がいても、何ら不思議なことではありません。むしろ、それはとても自然な感情です。年齢を重ねたからといって、女性としての喜びを諦める必要はないのです。大切なのは、ご自身の心と体の声に、正直に耳を傾けること。そして、勇気を出してパートナーと向き合い、対話することから始めてみてはいかがでしょうか。すぐには解決しなくても、きっと新しい関係性への扉が開くはずです。


更新文=ハルメクアップ編集部 初稿文=亀山早苗

■参照サイト
ジェクス株式会社『ジャパン・セックスサーベイ2017』
相模ゴム工業株式会社『ニッポンのセックス』

※この記事は、2020年2月公開の記事を再編集して配信しています。

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亀山早苗
亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。