性交痛が女性の人生に与える影響

更年期の性交痛!男女のセックス観を見直すきっかけに

公開日:2020.05.15

「セックス=痛い」から潤滑剤を輸入

更年期世代でも安心して使える潤滑剤を開発した「うるおいヘルスケア株式会社」社長の小林ひろみさん
更年期世代でも安心して使える潤滑剤を開発した「うるおいヘルスケア株式会社」社長の小林ひろみさん

閉経すると女性ホルモンが激減するので、性交痛を訴える人が多くなる――。自身も若い頃から性交痛に悩まされ、潤滑剤で解放された経験を持つ「うるおいヘルスケア株式会社」代表での小林ひろみさんに話を聞いた。

小林さん自身は、膣の機能に若干の問題があり、若い頃から性交痛がひどかったという。

「『セックス=痛い』となると、苦痛だし気が重い。男性と付き合うのがイヤになるんですよね。いい人だしつきあいたいけど、性的な関係にはなりたくない。ちょっと肩に手を置かれただけで、え、セックスのことを考えているおかなと引いてしまう。これ以上、近づかないでおこうと思って恋に発展しない。そんなことがよくありました」

そんな彼女だが、潤滑剤を使うことで7割方、痛みから解放された。そして周りを見渡して話を聞いてみると、性交痛に悩んでいる女性たちの多さに気付く。

そこで2008年から、アメリカからの潤滑ゼリー「アイディルーブ」を輸入販売することに。アダルトグッズのイメージからかけ離れた色とりどりの爽やかなボトル、ほのかな香りで舐めても大丈夫だとアメリカの医療現場でも推奨されている製品に自身ものめりこんだという。そこから小林さんの勉強と研究が始まった。

「性の健康に関するセミナーや学会にたくさん出席しました。自分の経験もふまえて、女性が性交痛などのセックスへの恐怖、性器周りの不快を抱えたまま生きることが人生にどんな影響を及ぼすのかを研究しています」

その過程でメノポーズ(更年期)カウンセラーや、女性の健康経営(マネジメント)アドバイザーなど多くの資格を取得、2019年からは「性と健康を考える女性専門家の会」理事にも就任している。

 

更年期以降に突然、性交痛を感じることも

更年期以降に突然、性交痛を感じることも

「特に更年期以降は、今まで痛くなかった人でも性交痛に悩まされることがあります。そうすると楽しかったセックスが恐怖になってしまう。もちろん個人差は大きいのですが、外陰部の乾燥による入り口付近のかゆみがあったり、膣萎縮によってセックスのときに中で出血が起こることもあるんです」

更年期以降、膣萎縮などが起こることは以前の記事で紹介した医師の吉野一枝さんも...

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亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。

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