セックスレスに陥った50代女性の体験談を紹介

50代女性セックスレスを打破して男女に戻るには?

公開日:2020.04.13

更新日:2022.10.23

50代女性の6割以上は「1年以上セックスレス状態」

グラフ出典:「ジャパン・セックスサーベイ2017」

グラフ出典:「ジャパン・セックスサーベイ2017」より

セックスレスという言葉をよく耳にしますが、実際50歳以降の女性たちのセックスレスの割合はどれくらいなのでしょうか?

ジェクス株式会社「ジャパン・セックスサーベイ2017」によれば、50代以降の女性の61.7%が「この1年間、まったくセックスをしていない」という結果が出ている。年数回という人は12.1%。

また、50代女性のパートナーとして多い、50代男性の41.5%および60代男性の49.5%も「この1年間、まったくセックスをしていない」と答えている。

想像しているよりも、セックスレスは多くの人が抱える問題のようである。

【セックスレス体験談1】子どもがいないからといって恋人気分なわけでもない

子どもがいないからといって恋人気分なわけでもない

夫が浮気しているのではないかと疑念を抱き、それがきっかけでセックスレスを打破することができたのは、マリさん(55歳)だ。5歳年下の夫と結婚して20年、二人の間に子どもはいない。

「子どものいない共働き夫婦というのも微妙なんですよね。いつまでも恋人同士みたいでいいわねと言われるけど、周りの子どもなし夫婦を見ても、実際には友だち関係になりやすいような気がします。気づいたら同性の友だちみたい。少なくともうちはそうでした。気楽でいいけど……ロマンティックな感じはないですね」

しかもマリさんは積極的でリーダーシップをとるタイプ。一方の夫は優しくておとなしいタイプだから、どうしてもマリさん主導で生活を送っていた。更年期でつらかったこともあり、マリさんから誘うことはなくなった。夫から迫ってくることもなく、気付けば8年ほど触れ合っていなかった。
 

夫の浮気疑惑から気付いた気持ち

夫の浮気疑惑から気付いた気持ち

「そんなとき、夫が浮気しているのではないかと疑うような出来事があったんです」

帰宅が遅くなるときは必ず連絡をする夫が無断で午前様になる、週末も心なしか元気がなかったり、突然「週末は仕事なんだ」と出掛けたりする。いかにも怪しい言動が続いた。

「怒りも嫉妬もなかったけど、私、やっぱり彼のことが好きなんだ、この生活を壊したくないと心から思いました。ずっとそう思っていたのにきちんと認識していなかったという感じかな。ある晩、自分の部屋で悶々としてしまって。このままだと私、後悔する。そう思って夫の寝室へ乗り込んでいきました」

ベッドでくつろいで雑誌を読んでいた夫がびっくりしたような顔をしていたが、マリさんは夫に向かってまっしぐら。夫を押したおし、「私はあなたが好き」と叫んでしがみついた。そんな情熱が夫の心身に火をつけたのか、ふたりは若い頃のように燃え上がったという。

「夫も好きだと言ってくれました。後で話したら、夫はずいぶん前から私が彼に興味をなくしていると誤解していたようです。浮気しているのかと思ったと言われて、こちらがびっくり。あなたこそ浮気しているんじゃないのと言ったら、このところ仕事のトラブルが続いていただけだって。お互いに、居るのが当たり前になりすぎて思いやりをなくしていたんですね」

それが2年ほど前の出来事。それ以来、夫婦は言葉にして感謝を伝えるようになった。週に一度は時間を合わせて外食をしたり、ふたりでカラオケに行ったり。

「せっかく二人だけの家族なんだから、ずっと恋人みたいな関係でいようと決めました。今は再び、夫に惚れ直しているところです」

マリさんの激情に駆られたあの行動がなかったら、今も夫婦はセックスレスのままだったかもしれない。

セックスレスになった原因は、更年期でつらかったこともあり、マリさんから積極的にセックスに誘うのをやめたためであった。解決策はお互いに話し合い、言葉にして感謝を伝えるように心がけたり、週に1度は外食やカラオケなど二人の時間を持つようにしたためであった。

愛していてもセックスをしない夫婦もいるかもしれない。それでもいいなら、その夫婦はそういう形で完成しているのだ。だが、更年期を経て、マリさんはこれからも夫とは身も心も触れ合っていたいと考えている。そのほうが心地よいし、安心だから。

 

【セックスレス体験談2】解決策は夫婦の関係性によって違う

セックスレスの解決策は夫婦の関係性によって違う

セックスレスを打破する方法として、穏やかにスキンシップから始める女性もいれば、もう少し直接的な方法をとる女性もいる。どうしたら再び、セックスを伴う“男女”に戻れるのかは、それまでの二人の関係性によるところも大きいのではないだろうか?
 

怒涛の子育てで、セックスレスになったことにも気付かず

怒涛の子育てで、セックスレスになったことにも気付かず

「30歳半ばを過ぎてから子どもを3人産んで育てたので、40代の私はかなり疲れ果てていました」
そう言うのは、ユミコさん(54歳)だ。33歳で同い年の男性と結婚し、35歳で長男を、38歳のときに双子の女の子をもうけた。

「しかも共働きでしたから、夫婦二人とも心身ともに疲れていましたね。ようやくホッと一息つけたのは双子が小学校に入ったあたり。それまでほぼセックスレスでした。そもそもセックスレスであることにさえ気付いていなかった。そのくらい怒濤の子育てだったんです(笑)」

常に時間との闘い。その間、どちらかが1週間単位で出張したこともある。そんなときはベビーシッターを雇ったり、友人知人に頼んで知り合いや親戚の子育て経験者に助けてもらったりもした。

双子が小学校に上がって、ようやくセックスレスになっていることに気付いたユミコさんだが、すでに夫にそのことを言うタイミングを失っていた。

「夫もそうだったんでしょう。家族としての形ができてしまっていたし、今さら男女関係を取り戻す必要性が感じられなかった」
 

「夫にばれてもいいや」……と思った

「夫にばれてもいいや」……と思った

とはいえ、ユミコさんは心のどこかにすきま風が吹いているような気がしてならなかった。手を伸ばせば、そこに夫がいるのに触れられないもどかしさ、触れてもらえない寂しさもあった。

「でも夫には言えなくて……。うちは寝室が同じでベッドを並べて寝ているんですが、ある日、ちょっとエッチな夢を見て目が覚めたんです。なんともモヤモヤして眠れなくなって。

夫がグーグー寝ているのをいいことにそうっと下着の中に手を入れて。マスターベーションをしたんですよ。いけないことをしているような背徳感も手伝って、ときどきするようになったんです」

その日も一人で目をつぶってこっそりマスターベーションをしていた。心の中では、夫にバレたらそれでもいいと思っていたそうだ。

「思わず声が漏れたそのとき、体に重みを感じて……。夫が上に乗ってきたんです。二人で照れ隠しに笑いながら抱き合いました。その日は燃えましたね。ほぼ10年ぶりのセックスでした」

マスターベーションをしているところを見られてもいいやと開き直ったユミコさんと、それをとがめ立てしなかった夫というオープンな関係性だからこそ、すんなりセックスを再開できたのだろう。

ユミコさんの場合は、共働きに加え高齢出産だった3人の子育てが多忙過ぎてセックスレスになった。その後子育てがひと段落した際に、自分にまだ性的欲求があることをマスターベーションを見られたことで伝える形となり、セックスレスから抜け出したのだ。

普通は心が寄り添ってから体も寄り添うのかもしれないが、長年、夫婦を続けていると、体が寄り添ったら心も通い合うようになった……ということがあるのではないだろうか。

 

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亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。

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