しんどい夫婦関係、問題の解決策は?(2)

夫源病の改善方法は我慢し過ぎないこと

公開日:2021.01.09

夫へのストレスが原因で、うつっぽくなったり頭痛が起きたりといった不定愁訴を「夫源病(ふげんびょう)」と名付けた医師の石蔵文信(いしくら・ふみのぶ)さんによる連載です。第2回目は診察の経験から考える、夫源病の改善方法についてです。

夫源病の改善方法とは?

夫源病の改善方法とは?


前回もお話ししたようにモラハラ夫は自分が妻を傷つけているという意識はあまりなさそうです。むしろ自分が良い夫であると思っているので、かなり始末が悪いのです。私の診察を受けられる女性の夫にカウンセリングをしても、最初は「心外だ」という態度です。中には怒り出す方もいらっしゃいます。

自分は妻とは対等な関係でいると考えている夫も、夫婦でカウンセリングをしているときに、「こいつはね!」とか「お前はね!」とか言い続けられます。このような呼び方自体がモラハラということに、気付いていないようです。このような夫には会社でのパワハラの研修をもう一度思い出していただき、家庭でも応用していただくことをおすすめしています。

妻に支配的な態度で接している夫だと、「妻には好きなことをさせています」とか「趣味とか旅行に行かせてやっています」などと言います。自分は理解がある夫と思っているのでしょうが、このような言葉を使い続けること自体がモラハラということに気付いていません。

私の診察に来られた夫源病の女性に関しては、私から夫に対していろいろなアドバイスができるのでまだ何とかなります。時には全く連絡できなかったり、相談にも来てくれなかったりする夫もいますが、その場合は夫源病を改善するのにかなり難渋します。

我々のような専門家に相談できる方はかなり少数でしょう。またこのような、夫婦の問題に踏み込んで、根本的な問題解消に取り組んでくれるような医療関係者はそれほど多くないと思います。

 

妻側は長年我慢をし過ぎてしまっている

妻側は長年我慢をし過ぎてしまっている

何十年も夫婦関係を続けてきた方たちが夫源病に悩む様子を見て私が感じるのは、モラハラ夫自体も問題ではありますが、今までそれに我慢をし続けて何も言えなかった妻にも、ある程度問題があるように思います。

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石蔵文信

1955年生まれ。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)

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