リンパの詰まりのサインは?老廃物を溜めないセルフケア方法を紹介

リンパの詰まりのサインは?老廃物を溜めないセルフケア方法を紹介

公開日:2025年07月14日

リンパの詰まりのサインは?老廃物を溜めないセルフケア方法を紹介

「最近むくみが気になる」「肩こりがひどい」などの症状に悩まされていませんか?もしかしたらその不調は、リンパが詰まっているサインかもしれません。リンパの流れを良くするセルフケアで、老廃物を溜めず健康で快適な毎日を目指しましょう!

鳥越 勝行
監修者
鳥越 勝行
監修者 鳥越 勝行 健康塾クリニック

リンパが詰まるとは?

リンパが詰まるとは?
プラナ / PIXTA

リンパは体の下水管とも呼ばれ、全身に網の目のように張り巡らされています。

太いリンパ管がある鼠径部やお腹周り、鎖骨、脇の下などに詰まりを感じやすく、いわゆる「老廃物が溜まっている」状態です。

リンパって何?

リンパは、老廃物や余分な水分、細菌など、身体に不要なものを回収して体外に排出する機能を持っています。

老廃物や細菌などを運ぶリンパ液、リンパ液が流れるリンパ管、フィルターの役割を担うリンパ節からなっていて、全身に存在しています。

リンパ節は主に関節部分に多くあり、リンパ液が溜まりやすい部分でもあるため、身体の不調を感じやすいかもしれません。

リンパ節で細菌やウイルス、老廃物などの異物を除去されたリンパ液は、鎖骨下静脈を通って血液循環に合流します。

リンパ節で増殖するリンパ球は、体内の免疫システムの一部として、病原体に対しての防御機能を持っています。

リンパの流れが滞ると、身体に不要なものの排出も滞って皮膚の下に溜まり、むくみや肌トラブルの原因になりやすいため、注意が必要です。

老廃物が流れるしくみ

リンパは体の末端から中心(心臓部)へ向けて流れて、老廃物を回収していく機能があります。約300〜800個存在するリンパ節(フィルターの役割)で有害物質を除去するシステムです。リンパ液は最終的に鎖骨の下あたりで静脈に戻り、血液の循環に合流します。

リンパにより集められた老廃物は尿や便、汗、毛髪、爪などの形となって、体の外に排出されます。排便75%、尿20%、その他5%の割合とされていて、例えば便秘になると、排便による排出が滞るのです。

リンパのゴリゴリは老廃物?

リンパのゴリゴリは老廃物の蓄積だけでなく、筋肉の緊張やリンパ液の循環不良により起こります。通常は離れて機能している筋繊維が、筋肉の疲労や緊張により連結して固まることにより、リンパのゴリゴリにつながる仕組みです。

筋肉が固まった状態で放置すると、血流も悪くなって動きが阻害されます。すると、ますますリンパの流れが悪くなり、老廃物の排出が滞る可能性があるため、しっかりほぐしておきましょう。

リンパが詰まる原因

リンパが詰まる原因
Pavel Muravev / PIXTA

さまざまな要因が複合的に作用して、リンパの流れに影響する可能性があります。加齢による筋肉の衰えも原因の一つとなりますが、他にもさまざまな理由でリンパの詰まりが起こります。

水分不足

人間の体は約60%が水分でできていて、血液やリンパ液に水分が不足すると血液が濃縮されてドロドロになるため、血流が滞る可能性があります。

リンパ液の流れが悪くなると、老廃物を回収する役割が果たせず、体に不要なものが溜まったままになってしまいます。

むくみやだるさ、疲れなど体調不良の原因にもなるため、こまめな水分補給が重要です。

運動不足

筋肉が弱くなるとリンパ液をスムーズに流すためのポンプとしての動きが弱まり、リンパ液の循環が悪くなります。

筋肉の動きがリンパ管に圧をかけて、リンパを流す手助けをしているため、適度な圧力をかけることが必要です。同様の原理で、着圧ソックスでふくらはぎに圧力をかけるとむくみの軽減になるため、むくみが気になるときに試してみるのもいいでしょう。

激しい運動(筋トレや短距離走など)までする必要はありませんが、ウォーキングやストレッチ、ヨガなど自分に合った運動を継続的に行うことが重要です。

ストレス

ストレスが溜まると体を休めるための自律神経である副交感神経が乱れ、人間が自然に行っている体温調節やホルモン分泌などの生体反応も乱れてしまいます。

ストレスにより睡眠不足や不規則な生活になると、自律神経やホルモンバランスが乱れて筋肉が緊張して血行が悪くなり、リンパ液の流れが滞ります。

ホルモンバランスの乱れはリンパの詰まりにつながる可能性もあり、精神的な安定はリンパのスムーズな流れにも影響するため、ストレスを溜めない生活を心掛けましょう。

食生活

野菜不足や過度な偏食による腸内環境の乱れで排便が滞り、リンパが詰まることもあります。高脂肪や高カロリーの食事によって、リンパ液に含まれる脂肪分が増えると、リンパの流れが悪くなります。

また、塩分過多が続くと体内の水分が滞り、むくみの原因になるため、食生活の見直しも重要です。

生活習慣

喫煙は血管収縮を引き起こし、血流とリンパの流れを滞らせてしまいます。過剰な飲酒は血管から水分が漏れる原因となり、血液濃度が上昇してむくみにつながる可能性があります。

また、デスクワークで座った姿勢が長時間続くと、リンパの流れを妨げ詰まりを引き起こしやすいため、定期的に立ち上がって姿勢を変えると良いでしょう。

リンパが詰まると起こる症状

リンパが詰まると起こる症状
Luce / PIXTA

リンパが詰まると起こるよくある症状をチェックしてみましょう。

ここで紹介するような症状が強い場合は、医療機関を受診して、適切な治療を行うことも大切です。

むくみ

むくみとは、老廃物と水分が皮膚の下に溜まっている状態です。脚や顔に症状が現れることが多く、むくみが強い場合は押すと指の跡が残ることもあります。運動不足や血液の循環が悪くなることでリンパが詰まり、むくみを引き起こします。

ただし、慢性的で激しいむくみがある場合は、腎臓や心臓、肝疾患の可能性もあるため、医療機関を受診して診断を受けましょう。

肩こり(体の痛み)

リンパが詰まると肩や首まわりの筋肉が硬くなり、肩こりにつながりやすくなります。肩こり以外にも、頭痛や腰痛などの症状が現れることもあるため、体の痛みがある方は注意深く観察してみましょう。

これらの症状は、リンパ管の動きが鈍ることにより、筋肉の老廃物が溜まりやすくなるために引き起こされます。

手足の冷え

手足の末端が冷えやすい方は、リンパが詰まっているサインかもしれません。老廃物の排出が滞り血液循環が悪くなることで、体温調節がうまくいかなくなります。

体が冷えるとリンパの流れも滞り、さらに冷えやすくなる悪循環に陥る可能性があるため注意が必要です。

便秘

リンパが詰まると腸の血行が悪くなり、腸の働きが鈍ったり、刺激が弱まり便意を感じにくくなったりする可能性があります。

老廃物の排出が十分にできなくなり、消化不良や便秘が起こると、腹痛やガスが溜まるなどの症状も現れるかもしれません。

体内に毒素が溜まりやすくなり、肌のターンオーバーが遅れて吹き出物や乾燥などの肌トラブルにもつながるため、長期間便秘が続く場合は、医療機関を受診しましょう。

痩せにくくなる

リンパの流れが悪くなると老廃物が蓄積して、代謝機能が低下し痩せにくくなります。水分代謝の悪化によりむくみが起こり、太ったと感じることもあるでしょう。

むくみやすい顔まわりや足首、ふくらはぎなどに腫れぼったいむくみを感じたらリンパが詰まっているサインかもしれません。

疲れやすい

疲労物質の蓄積やエネルギーの生成力が低下し、さまざまな臓器の働きが弱まり、疲労感を感じやすくなります。

老廃物が溜まると全身の血流が滞り、必要な酸素や栄養素が届きにくくなるため、疲れやすくなる傾向があります。

ストレス

ストレスがリンパの詰まりを引き起こし、さまざまな症状が起こること自体にもストレスを感じてしまうかもしれません。

自律神経やホルモンバランスの乱れが起こると、全身の体調不良につながる可能性があるため、ストレスが原因の場合は解消方法を探してみましょう。

体調不良

リンパが詰まり老廃物が溜まると、免疫細胞の働きが低下して免疫機能に影響してきます。

この状態になると、病気への抵抗力が弱まり、風邪や感染症にかかりやすくなる可能性が高まります。

リンパの流れを改善|食事・飲み物

リンパの流れを改善|食事・飲み物
takeuchi masato / PIXTA

リンパの流れを改善するためには、食事や飲み物の見直しが大切です。

ここでは、リンパを溜めないおすすめの食事や飲み物の改善点を紹介します。

腸内環境を整える

リンパの流れを改善して、老廃物の排出に重要な排便がスムーズに起こるように、腸内環境を整えましょう。具体的には、アルコールや動物性脂肪、動物性たんぱく質、砂糖を控えることで対策になります。

また、腸内環境を改善するためには、発酵食品や食物繊維を十分に取るのも重要です。

塩分やカフェインの摂りすぎに注意

体の水分を適量に保持するためにも、塩分控えめのバランスの良い食事を意識しましょう。塩分は体に水分を溜め込む性質があるため、むくみの原因にもなります。

水分の中でも、カフェインを含むコーヒーや紅茶などは利尿作用があり水分補給にはならないため、飲みすぎは控えましょう。

適度な水分補給

リンパ液の流れを良くするためにも、水分補給は適度に行いましょう。一気に大量に飲んでも吸収や循環がうまくいかず、かえってむくみの原因にもなりかねないため注意が必要です。

1日に必要な水分量は、年齢や体重、季節、運動量などにより異なりますが、コップ1杯程度をこまめに分けて取るように調節しましょう。

冷え防止のためにも、冷水ではなく常温か温かい飲み物がおすすめです。

リンパの流れを改善|運動・マッサージ

リンパの流れを改善|運動・マッサージ
プラナ / PIXTA

リンパの流れを改善するのに、運動やマッサージをするのも必要です。ここでは、運動とマッサージの効果について、詳しく解説します。

適度な運動

軽いウォーキングや寝る前のストレッチで筋肉を動かすと、リンパの周辺組織が収縮して流れが改善する効果が期待できます。

有酸素運動で全身の血行を促進して、血流とリンパの流れを良くしていきましょう。

普段の生活でも腹式呼吸を意識すると、身体の内部にある太いリンパの流れを促進でき、表面の細いリンパの流れの改善にもつながります。

リンパケアマッサージ

身体の末端から心臓に向けて、リンパの流れを意識しながら行うリンパケアマッサージがおすすめです。

お腹、首、鎖骨、脇の下、鼠径部、膝の裏など、リンパが集中している箇所を優しく揉む、痛くない程度の力で押す、軽くさするようにマッサージをしましょう。

ただし、痛みを感じる場合は、筋肉を傷める可能性があるため無理に行わず、様子を見ながら進めてください。

リンパの流れを改善|生活習慣

リンパの流れを改善|生活習慣
sakura / PIXTA

食生活の見直し、運動やマッサージと合わせて、生活習慣の改善も重要です。ここでは、どのような点に注目すれば効果的にリンパの流れを改善できるかを紹介します。

湯船に浸かる

シャワーだけでなく湯船に浸かって身体を温めることで、基礎体温を上げる効果が期待できます。

体が冷えると血管が縮むため、入浴後も冷えないように保温を意識しましょう。

入浴剤やアロマオイルを使うことで、リラックス効果も期待できて睡眠不足やストレス対策にもなるため、積極的に取り入れるのがおすすめです。

座りっぱなしに注意

パソコン作業や読書などで座ったままの姿勢を長時間続けると、膝の裏にあるリンパ節に負担がかかり、リンパの詰まりにつながる恐れがあるため、注意が必要です。

対策としては、一定時間おきに立ち上がったり、ストレッチをしたりすることで改善できます。

リンパの詰まり解消で、快適に過ごせる毎日へ

リンパが詰まると体にさまざまな症状や不調が現れるため、むくみや肩こり、便秘などにお悩みの方も少なくありません。

老廃物を溜めないセルフケア方法は、食生活の見直しや運動、マッサージ、生活習慣の改善などがあり、自分に合った方法を見つけることが大切です。

日常生活の中にも簡単に取り入れられる方法もあるため、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてください。

リンパの流れを意識することで詰まりを解消して、快適な毎日を過ごしましょう。

監修者プロフィール:鳥越 勝行さん

鳥越 勝行さん

トヨタ自動車勤務後に医師へ転身。循環器内科での経験を生かし、地域密着型クリニック『健康塾クリニック』を開院。生活改善と健康支援に注力し、安心して通える医療を提供。

 


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HALMEK up編集部
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