水の飲み過ぎは毒?体の「水はけ度」チェック

2023年09月22日

リンパ&血流ケアでたるみとシワを撃退!#10

水の飲み過ぎは毒?体の「水はけ度」チェック

リンパと血流をケアして気になる顔や首のたるみ&シワを撃退する方法を、さまざまな専門家に教わる全12回の特集です。今回からはリンパの流れと血流を促し、めぐりのよい体になる「水の飲み方」を医師の石原新菜さんに教えていただきます。

教えてくれたのは、石原新菜(いしはら・にいな)さん

イシハラクリニック副院長。日本内科学会会員、日本東洋医学会会員。漢方医学、自然療法、食事療法を取り入れた治療にあたっている。わかりやすい医学解説でテレビや書籍など多数のメディアで幅広く活躍。著書に『病気にならない 蒸しショウガ健康法』(アスコム刊)、『オトナ女子の不調がみるみる改善する本』(徳間書店刊)など多数。

体のめぐりを左右する「水の飲み方」

リンパの流れや血流をよくするために日頃から意識したいのが、水の飲み方。間違った飲み方、例えば気温や体調に関係なく「飲まなくちゃ」と、飲みたくないのに飲んでいると、かえってめぐりの悪い体になってしまいます。そこで、めぐりのよい体になる水の飲み方を医師の石原新菜さんに教わりました。

体のめぐりを左右する「水の飲み方」

年とともに体は水分をため込みやすくなります

年とともに基礎代謝が低下し、下半身の筋肉量が減ると、体温は低下します。血流が悪くなり、体が冷えやすくなることで、細胞の水分を吸収する力も弱くなり、体はさらに水分をため込みやすくなります。

体の水はけが悪くなる2大原因

【原因1】筋肉量の低下

血流を循環させるポンプ機能の役目を担う下半身の筋肉。低下することで血流が滞りやすくなります。

【原因2】細胞の水分吸収力の衰え

細胞内の水分量は若い人ほど多く、加齢とともに減少。水分を吸収する力も低下します。

あなたの体の“水はけ”度チェック!

では、あなたの体が今どのぐらい水はけのよい状態なのか、チェックしてみましょう。

あなたの体の“水はけ”度チェック!

【水分代謝セルフチェック】
□起床時の体温が35度台
□おへその下を触ると冷たい
□尿の出る回数が1日9回以上、または4回以下
□便秘または下痢をしやすい
□まぶたがむくんでいる
□動くと胃のあたりでポチャポチャと音がする
□鼻水やくしゃみがよく出る
□喉が渇きやすい
□お風呂はシャワーで済ませる
□毎日水や飲み物をトータルで2L以上飲む
□運動はほとんどしない

3個以下:良好。このままキープしましょう。
4個以上:水はけが悪い状態。今日から改善策に取り組みましょう。

飲みすぎは「毒」!体が1日に必要とする水分量は?

体が1日に必要とする水分量は、汗や尿、呼気などで排出される量と同じ、約2.1~2.6L。そのうちの約半分は食事と体の中でつくられる水分でとれ、水分補給として必要な量は1~1.5Lです。

「でもこれは目安であり、適量は、一人一人の体格や体質によって、異なります」(石原さん)近年、水をたくさん飲むことを意識するあまり、飲み過ぎている人が多いとも。

飲みすぎは「毒」!体が1日に必要とする水分量は?

1日に必要な水分量の目安(成人)

必要な水分補給量:1~1.5L
代謝でつくられる水分:約300mL
食事からとる水分:約800mL
合計:1日に2.1~2.6L

余分な水分はむくみの他、頭痛やめまい、耳鳴り、突発性難聴、緑内障、肩こり、便秘、下痢、湿疹などを招きます。漢方ではこの状態を「水毒」と呼び、過剰な水分摂取と水分代謝の低下は毒になると考えます。

「植物に水をあげ過ぎると根腐れするように、人も水をとり過ぎれば『毒』になります。水分補給で大切なのは、飲む量より、余分な水分をため込まないこと。体は加齢とともに水分をため込みやすくなるので、血流をよくして、余分な水分を排出できる力を弱らせないことが重要です」(石原さん)

たるみ・シワの原因は、実は「水の飲み過ぎ」も!

たるみ・シワの原因は、実は「水の飲み過ぎ」も!

体に取り入れた水分は血液に吸収されて全身に行き渡り、血管から染み出て細胞に吸収されます。このとき細胞に吸収されなかった水分は細胞と細胞の隙間にたまり、余分な水分となってむくみを引き起こします。

「むくみは次第に重力によって、たるみとなります。また、むくみは体を冷やし、血流や皮膚細胞の代謝を悪くします。すると肌が乾燥し、シワとなるのです」(石原さん)

その対策として有効なのが、白湯に体を温める食材などを加える“ちょい足し白湯”を飲むこと。さらに、血流をよくする心掛けで、ため込まない体に整えられるといいます。

次回からは血流をアップしてめぐりのよい体になる水の飲み方ためこまない体に整える簡単セルフケアを紹介します。

※この記事は雑誌「ハルメク」2022年11月号を再編集、掲載しています。
取材・文=大門恵子(編集部)、イラストレーション=いなばゆみ


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