更年期の不調に!あてるだけカイロ健康法#1
寒さ対策だけじゃない「カイロ」新活用法!冷えや不調にあてるだけ健康法
寒さ対策だけじゃない「カイロ」新活用法!冷えや不調にあてるだけ健康法
公開日:2026年02月05日
教えてくれるのは、久保和也(くぼ・かずや)さん
鍼灸師「クボ鍼灸院」代表/世界中医薬学会アレルギー疾患専門委員理事。妻の産後の体調不良をきっかけに東洋医学の道へ進み、鍼灸治療「経絡治療」を習得。自律神経失調症をはじめ、病院で原因不明と言われた症状を中心に日々施術にあたっている。著書に『痛みと不調がみるみる改善 あてるだけカイロ健康法』(あさ出版)
鍼やお灸の効果でセルフケア!カイロが効く理由
一般的な東洋医学の治療では、ツボを鍼で刺激したり、お灸で温めたりして心身の不調を改善していきます。
円皮鍼(えんぴしん:シールに短い鍼がついたもの)やお灸は自宅でのセルフケアとして行うことができますが、問題は的確にツボの位置を探し当てるのが難しいということです。
私の鍼灸院でも、「お灸をしたいけれど、ツボの位置がよくわからない」という声を多く聞いていましたし、「煙が出るのが嫌だ」「火を扱うから怖い」といった人も少なくありません。
では、お灸以外でツボを温められるものは何だろう?と考えた結果、思いついたのが「カイロ」でした。
お灸が「点」でツボを刺激するのに対し、カイロは「面」でとらえます。
お灸のほうがピンポイントでツボに温熱刺激を与えられる分、より効果的と言えますが、そもそもツボの位置が正確にとれていないと意味がありません。その点、カイロなら「なんとなくこのあたり」で捉えるだけでも十分ツボに当たります。
また、お灸と比べてじんわりと温めることができるので、体に優しいのもポイントです。
なぜ“患部じゃない場所”を温めるの?ツボと内臓のつながり
「カイロを貼るだけで不調が良くなるなんて、本当?」そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
カイロでなぜ痛みや不調が改善するのか、その2つの理由を東洋医学の視点から解説していきましょう。
まず一つ目は、ツボを温めることで五臓六腑が整うということです。不調の原因の一つとして考えられるのが五臓六腑の乱れです。
ツボは、体の表面にたくさん存在していて、それぞれ五臓六腑とつながっています。そのため、ツボには五臓六腑を含めた、そのときの体の状態が如実に表れるのです。
ツボは経絡上にあり、経絡を介して五臓六腑につながっているので、ツボを温めることで温熱刺激が五臓六腑に届き、乱れていた五臓六腑、ひいては内臓の働きが整うのです。
それによって、体や心に表れていた不調が改善します。ツボは、「内臓スイッチ」とも言えるでしょう。
ですからご紹介する「カイロ健康法」は、カイロで温めると言っても、「腰が痛いから腰にカイロをあてる」というのとは少し違い、「腰が痛いから、ふくらはぎにカイロをあてる」ということになったりします。
他にも、下痢や軟便には足のツボ、のどの詰まりには手首のツボ、月経痛には仙骨周辺などのように、不調が表れているのとは違う箇所を温める場合がほとんどです。これは、ツボを通じて内臓とつながる「経絡」に働きかけているから。
カイロでツボを温める(内臓スイッチが入る)
↓
経絡を介して刺激が五臓六腑に届く
↓
五臓六腑のバランスが整い、不調がやわらぐ
このように、カイロで「外から」ツボを温めることで、「内側」の五臓六腑の機能が整うのです。
経絡は体の「高速道路」流れがよくなると何が変わる?
カイロで不調が改善するもう一つの理由は、温熱刺激により、経絡そのものの流れがよくなるからです。
経絡は、体の中を走る「高速道路」のようなものです。この道がスムーズに流れていれば、気血津液が五臓六腑にきちんと届き、体は元気でいられます。
しかし、どこかで渋滞や詰まりが起こると、それ自体が痛みや不快感につながったり、五臓六腑が乱れ、不調が表れるのです。経絡の滞りが痛みや不調の原因の一つですから、スムーズに流れるようになれば、それだけで不調が改善することもあります。
経絡上には、気(エネルギー)が集まりやすいツボや、現代的に言うとトリガーポイント(筋肉内の痛みやコリの原因となる箇所)のように筋肉のコリとして反応が出やすいポイントもいくつか存在します。
例えば、腰からお尻の痛みは、「膀胱経」という経絡に沿って表れることがよくあります。これは頭から背中、腰、お尻、もも裏、ふくらはぎを通り、足の小指へと続く長いルートを持つ経絡です。
この経絡上の足首の外側にあるツボ、崑崙(こんろん)を温めることで、膀胱経そのものの流れがよくなり、お尻の痛みやしびれを緩和することができます。
このように、経絡の走行に沿った遠隔的なアプローチは、東洋医学ならではの手法だと言えるでしょう。
■膀胱経と経絡上のツボ
始める前に知っておきたい注意点。低温やけどと“続け方”のコツ
(1)下記に該当する場合は、必ず医師に相談をする
- 心臓疾患や循環障害のある方
- 外傷や炎症、皮膚疾患のある部位
- 感覚が鈍くなっている方(脳血管障害の後遺症、糖尿病の合併症など)
- 乳幼児や高齢者(乳幼児は基本NG)
- 運動直後や発熱時
(2) 低温やけどのリスクがあるため、カイロを貼ったまま寝ない
(3) 貼るカイロを使用する場合、最長60分までを守る
効果を実感するには、1日1回でいいので、できるだけ毎日行うとよいでしょう。時間帯は、自分がいちばんリラックスできるタイミングを選びましょう。始めてすぐに効果を感じる方もいれば、最初はよくわからない方もいるかもしれません。
私はよく「まずは100日」と言うのですが、だいたい3か月ほど続けていれば、体や心に何らかの変化が表れてきます。ですからぜひ、焦らずに継続してみてください。
次回の記事では、「肩こり・腰痛、カイロを貼るのは患部だけではない理由。温めポイントのコツ 」を紹介していきます。
イラスト/さのふうか
※本記事は、書籍『痛みと不調がみるみる改善 あてるだけカイロ健康法』より一部抜粋して構成しています。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
■「更年期の不調に!あてるだけカイロ健康法」をもっと読む■
#1: 1日1分、とにかく簡単!「カイロをあてるだけ」健康法
#2: 肩こり・腰痛…カイロを貼るのは患部だけではない理由
#3: イライラや不眠「50代のなんとなく不調」症状別ケア
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肩こりや腰痛、睡眠の悩み、不安感などの不調に向けて、カイロをツボにあてるだけのセルフケアを紹介した一冊。東洋医学の視点から、不調が起こる理由や体のめぐりをひも解き、「痛い場所=温める場所とは限らない」という考え方をわかりやすく解説。1回1~5分、火を使わず自宅でできるため、忙しい毎日の中でも無理なく取り入れやすい内容です。




