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2024.12.172024年03月29日
更年期が肌にも影響?吹き出物以外にも要注意!
50代で吹き出物・ニキビができる原因とは?対処法も
50代になると、シミやシワなどのエイジングサインが気になってきますが、それと同時に吹き出物が出てくることがあります。それにはきちんと原因があるため「もうニキビに悩まされることなんてないと思ったのに」と落ち込まず、適切に対処していきましょう。
50代で吹き出物ができる原因とは
一般的に、20代を超えてからできるニキビのことを「大人ニキビ」と呼びます。
大人ニキビは吹き出物の一種で、30歳頃までに落ち着いていくことがほとんどです。しかし、50代になってからもニキビなどの吹き出物に悩まされることがあります。
ここでは、50代で吹き出物ができる原因をご紹介します。
女性ホルモンの減少
50代でニキビなどの吹き出物ができるのは、思春期と同じように性ホルモンが原因です。
一般的に、閉経が始まる45歳頃から55歳頃までのことを更年期といいます。更年期に差し掛かった女性の体は、卵巣から分泌されていた女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が減少してきます。
エストロゲンは肌や髪の潤いやツヤを保つ働きを担っているホルモンです。そのため、減少すると肌が乾燥してカサつくようになります。すると肌のバリア機能が低下してしまい、シワやたるみだけでなくニキビまでできやすくなってしまうのです。
また、エストロゲンだけでなく「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンも、更年期に吹き出物ができる原因の一つです。
更年期に伴ってエストロゲンの分泌が不安定になると、プロゲステロンとのバランスも崩れ、プロゲステロンが優位になる時期も出てきます。
プロゲステロンは、皮膚で男性ホルモンと似た働きをもつ「アンドロゲン」に変換されます。
このアンドロゲンは、皮脂腺に働きかけて皮脂分泌を促進し、毛孔角質層の増殖を促して毛穴をふさいでしまうため、ニキビや吹き出物ができやすくなってしまうのです。
ターンオーバーの遅れ
50代に入る頃になると、ホルモンバランスの変化によって肌のターンオーバーの周期が遅くなります。
一般的に、20代では約28日周期で古い角質から新しい角質に生まれ変わるのに対し、40代後半には約45日、50代では約55日周期になるといわれています。
ターンオーバーが遅くなると、肌の表面に残った古い角質が厚くなって毛穴を塞ぎ、毛穴の中に脂がたまってしまうため、ニキビや吹き出物ができやすくなってしまうのです。
ストレスの増加
ストレスの増加も、50代でニキビなどの吹き出物ができる原因の一つ。
50代は、性別に関係なくストレスを感じやすい年代です。女性の場合は、子どもの教育費などお金にまつわる心配が大きいことに加え、夫婦やパートナーとの関係がうまくいっていない、両親の介護で心身ともに不安があるなど、ストレスを感じる場面も多くあります。
また、更年期に差し掛かったことでイライラや不眠に悩まされたり自律神経が乱れたりすることで、更年期障害の症状が重くなり、健康面での不安も高まりがちに。
人間の体は、ストレスを感じるとそれに打ち勝つために「コルチゾール」や「アドレナリン」などの抗ストレスホルモンを分泌します。
しかしストレスによって抗ストレスホルモンの分泌が慢性化すると、男性ホルモンが優位になって皮脂が過剰に分泌されるだけでなく、毛孔の角質層が厚くなり、毛穴がふさがってニキビなどの吹き出物ができやすくなってしまいます。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、自律神経の乱れを引き起こし、吹き出物ができやすくなる原因になります。
自律神経は体を緊張させる交感神経とリラックスさせる副交感神経が、バランスを取りながら交互に働いています。
しかし、睡眠不足や不規則な食生活などで生活習慣が乱れると、自律神経の中枢である脳の視床下部に過度の負担がかかり、自律神経が乱れてしまうのです。
自律神経が乱れると、交感神経が優位になって男性ホルモン「テストステロン」の分泌を促進してしまうため、皮脂の分泌量が増えて毛穴の角質層が増殖。毛穴がふさがってニキビや吹き出物ができやすくなってしまいます。
日頃、深夜まで仕事をしている人や、夜遅くに食事をしている人、油分や糖分の多い食事ばかり食べている人は特に注意が必要です。
間違ったスキンケア
ニキビのためと思って行っていたスキンケアが、逆にニキビの原因になっている可能性があることをご存じですか?
例えば、以下のようなスキンケアを行っている場合は要注意です。
- 1日に何度も洗顔をする
- ニキビ用のスキンケア用品を使っている
- 乳液はベタつくので化粧水のみ使っている
- 洗顔ブラシやスクラブを使っている
- 化粧水や乳液はコットンに取って塗っている
- 年齢に伴ってオイルやクリームで保湿するようになった
ニキビというと余分な皮脂を落とさなければいけないというイメージがありますが、1日に何度も洗顔したり、ニキビ用のスキンケア用品を使ったりして必要な皮脂まで洗い流してしまうと、かえってニキビができやすくなってしまいます。
乳液のベタつきが苦手で化粧水のみ使っている場合も、肌が乾燥してニキビの原因となるため注意が必要です。
また、洗顔ブラシやスクラブで洗ったり化粧水や乳液をコットンに取って塗ったりする行為は、摩擦などの刺激を与えて肌のバリア機能低下や角質肥厚の原因になります。
とはいえ、乾燥しないようにオイルやクリームなどで保湿すればよいというわけではありません。
オイルや重めのクリームは、毛穴が塞がってしまう可能性もあるため、皮脂の分泌量が多い人が使うとニキビの原因となることがあります。
更年期ニキビと思春期ニキビの違いとできやすい部位
更年期の肌トラブルとして起こりやすいニキビや吹き出物。同じニキビでも、思春期にできるニキビとは何か違うのでしょうか。
ここでは、更年期ニキビと思春期ニキビの違い、更年期ニキビができやすい部位をご紹介します。
更年期ニキビと思春期ニキビの違い
そもそもニキビとは、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まって出口が塞がれた状態になり、皮脂腺の中でアクネ菌が増殖して炎症を起こした状態です。
このニキビができる過程は、10代の思春期ニキビと50代の更年期ニキビでも変わりません。
どちらも性ホルモンによるものですが、思春期ニキビが皮脂の過剰分泌が原因であるのに対し、更年期ニキビはホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣、スキンケアやメイクの仕方などが複雑に絡み合ってニキビを発生させている点に違いがあります。
また、乾燥やかゆみを伴う点も、思春期ニキビや大人ニキビとは異なります。
更年期ニキビができやすい部位
更年期ニキビは、口元やあごのライン、フェイスラインなどいわゆる「Uゾーン」を中心にできるのが特徴です。
顔や足裏、手のひら、耳などに「反射区」と呼ばれるツボのようなものが集まっているという考え方をする「反射学(リフレクソロジー)」でいうところの、子宮や卵巣まわりと一致する部位にできます。
更年期ニキビができやすい口元やあごのライン、フェイスラインなどの部位は、男性であればヒゲが生えるところ。つまり、更年期ニキビは性ホルモンの影響を受けやすい場所にできることがわかります。
更年期が過ぎ、女性ホルモンと男性ホルモンがどちらも少ない分泌量で安定する頃になると、更年期ニキビも自然と治ってくるでしょう。
思春期とは違う!更年期ニキビ・肌荒れの対処法
年齢に伴って肌が持つ再生能力が衰え、乾燥が進む50代。
日頃のちょっとした習慣や環境の変化などが原因となり、ニキビができたり肌荒れしたりすることもあります。
10代の思春期ニキビと同じ方法では治らない可能性が高いため、年齢に適した正しい対処の仕方を知っておきましょう。
ここでは、更年期ニキビ・肌荒れの対処法をご紹介します。
スキンケア用品やメイク用品を見直す
50代になると、肌の乾燥に悩む人が増えます。これまで使っていたスキンケア用品では、潤いが足りないと感じることや、刺激が強くて吹き出物が悪化することもあるでしょう。
特に見直したいのは、肌の余分な皮脂や汚れを落とす役割を担う「洗顔料」。
ニキビというと、毛穴に詰まった皮脂をすべて取り除かなければと思われがちですが、ニキビ用やオイリー肌用、クレイやピーリングなどは実はすべてNGです。
皮脂を取り去ることではなく、いかに水分を角質層に補うかを考えて選ぶことが大切です。
洗顔後の化粧水は、コットンを使用せずに手で包み込むように浸透させ、ミルクや美容液でしっかりと保湿しましょう。乾燥予防にクリームやオイルを使いたいときは、ニキビがある部分を避けて使ってください。
また、スキンケア用品だけでなく、メイク用品を見直すことも重要です。
ファンデーションでニキビが悪化することはめずらしくありません。また、乾燥によってファンデーションのノリが悪く、浮いてしまうこともあるでしょう。
更年期ニキビが気になる肌には、ポリマーを使用していないミネラルファンデなどの自然派コスメがおすすめです。
乾燥が気になる場合は、パウダーではなくクリームやBBタイプなどの保湿もできるタイプを選ぶとよいでしょう。
生活習慣を見直す
食事や睡眠など、基本的な生活習慣の見直しも、更年期ニキビの予防・改善に役立ちます。生活習慣を見直すことで、体の内側から更年期ニキビにアプローチしていきましょう。
まず、食事は肌のみずみずしさを促すような食材を積極的に取り入れます。
例えば、ビタミンAを豊富に含む鶏レバーやウナギ、ほうれん草、ビタミンCを多く含むパプリカやイチゴ、キウイフルーツ、コラーゲンの主原料となるアミノ酸をたっぷり含む卵などがおすすめです。
肌荒れしやすいと感じる場合は、コラーゲンや皮膚を作るために欠かせない鉄分を積極的に摂取。鉄分はレバーやカツオ、マグロ、小松菜、プルーンなどに多く含まれます。
エストロゲンに似た働きをするといわれるイソフラボンを、納豆や豆腐、豆乳などで摂取するのもよいでしょう。
次に睡眠の見直しです。
良質な睡眠のためには、寝る90分前くらいまでに入浴を済ませること。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かり、副交感神経を刺激しましょう。
入浴後は、寝る30分から1時間前にはスマートフォンやパソコンを見るのをやめ、照明を暗めにしてリラックスする時間を設けると、睡眠の質が向上します。
医療機関に相談する
更年期ニキビや肌荒れは、できるだけ早く対処することが重要です。
人によってはセルフケアで改善できない場合もあるため、これ以上悪化しないようにするためにも、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
以下は、医療機関(皮膚科・美容クリニック)で行われる主な治療です。
- 内服薬や外用薬による治療
- 漢方薬を用いた治療
- スキンケア
- 面皰圧出
- ケミカルピーリング
- LEDやIPL・レーザーなどの光線治療
- イオン導入
医療機関で受けられる治療には、保険診療でできるものと自由診療となるものがあります。受けてみたい治療があるときは、保険適用も含めて医療機関に相談してみましょう。
できることから始めて吹き出物を改善しよう!
50代でできるニキビや吹き出物は、女性ホルモンの減少や生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアなどが原因です。
口元やアゴのライン、フェイスラインなど、男性であればヒゲが生えるような場所にできやすく、更年期が過ぎてホルモンの分泌量が少ない状態で安定すると治ってきます。
自然に治ってくるとはいえ、荒れた肌を鏡で見ることがストレスになる可能性もあるため、今回紹介した対処法できれいな肌を取り戻すよう心がけましょう。
監修者プロフィール:高橋 謙さん
1999年大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)卒業、東京女子医科大学循環器内科へ入局。その後、実家クリニック(元高橋内科皮膚科クリニック、現在は閉院)の継承、京大病院総合診療科、関西電力病院総合内科、高橋内科皮膚科クリニック、大阪市立総合医療センター皮膚科を経て、2015年12月にたかはし皮膚科クリニックを開業。これまでの豊富な経験を生かし、現在は1日あたり80〜130人の患者さんの診療にあたる。
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