読書は、人生の道標パート5
2024.02.06太宰治の小説『グッド・バイ』
先日、『グッドバイ』という演劇を観る機会がありました。原作の小説は太宰治の未完の絶筆であると知って、気になって小説を読み、調べるうちに「good-bye」という言葉の意味を知りました。
太宰治は小説のなかで女性たちに「グッド・バイ」と言わせていますが、どんな結末になるのだったのだろうかと、未完であることが少し残念でもありました。
『good-bye』『さようなら』の語源とは?
「good-bye」の原型は、「God be with you」の略で「God be with ye」という言葉だと知りました(yeは、youの古い形)。「神があなたと共にあらんことを」という祝福の言葉です。別れ際に相手の幸せを願う、優しくて素敵な言葉だと思います。
そういえば「さよならは別れの言葉じゃなくて再び逢うまでの遠い約束」なんて歌がありましたね。
「さよなら」って「左様ならば」が語源で「それならば、のちほど」など後に続く言葉がある接続詞であるとのことで、歌のとおり後の再会が約束されるのだなと納得したものでした。それならばなおのこと心を込めて、大切に使いたい言葉だと思いました。
言葉は言霊(ことだま)
年齢的なものでしょうか、最近は出会いより別れが多くなってきたように感じています。今までの人生で、どれほどたくさんの別れがあったことでしょう。
なかには、再びが冥土での再会か、来世での再会かわからない別れもありますが、言葉には魂が宿っていると言いますから、たくさんの別れのひとつひとつに、感謝の思いを込めて『さようなら』『good-bye』を丁寧に伝えたいと思いました。
この3月、教室を巣立っていく子ども達を、心を込めて「God be with you」と思いながら「バイバイ」って、手を振って見送ることができました。
新しい出会いへ
新しい出会いは、どこから始まるかしら? これから出会う方々に対して、出会えたことに感謝して「こんにちは」「はじめまして」「よろしくお願いします」と進んで挨拶をするところから始まるのだと思います。
病院に行けば、新しい看護士さんや事務の職員さんもいらっしゃるでしょう。そして、ハルトモ倶楽部にも新しい読者ライターさんがデビューされますね。
職場には4月から新しいお子さんが入室されますから、そのお母さん方との出会いもあります。何よりも楽しみなのは子ども達との出会いです。小さな子ども達の精一杯の言葉を、しっかり受け止められる私でありたいなと思っています。
さあ春です。わくわくする新年度が始まります!!
■もっと知りたい■