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今はいない、父親の部屋にポスターがあります。あの世から呼ばれても「まだ早いと言え」……。クリント イーストウッドが監督・主演する、90歳の『運び屋』という映画を見ました。考えさせられます。
映画、90歳の『運び屋』
昼ご飯にケンタッキーフライドチキンのランチを久しぶりに食べました。アイスコーヒーのLサイズを注文。夜は、録画していた映画、クリント イーストウッド主演『運び屋』を見ました。
見終わって、とても感動して眠れなくなりました。昼ご飯のカフェインが効いているのかいつまでも寝付けないのです。あらすじはこうです。
主人公は若い頃、日本の家庭にもよくあることですが、家庭を顧みず仕事に夢中です。品評会では常に優勝(珍しい花を育てているんです)。しかしながら、いつまでも栄華は続きません。インターネットの時代になり、注目されなくなり落ちぶれてしまいます。家は差し押さえられ、家族は離れていきます。
そして、残されたボロボロのトラックで生きていくために、運び屋になります。依頼主から「決して中身は見るな」と念を押されて。
しかしあるとき、ひょんなことから何を運んでいたのかを知ることになります。麻薬を運んでいたんですね。報酬の大金を見て、事の重大さに気づきました。
老いを迎え入れるな
しかし90歳。辞めたくても他に仕事はありません。おまけに大金を稼げます。差し押さえられた元の家も買い戻します。
そんな中、孫娘の電話で家族に会いに(妻が死にそうと電話が入り)仕事を途中で辞めて、自宅に引返します。雇い人に殺されるかもと思いつつ……。仕事を放り出して妻のもとへ。妻には時間がないのです。
病付いた妻との残り少ない日々に付き添い、看取り、見送った。長い間夫を憎み(娘の結婚式に出ず、孫のピアノの発表会を忘れ、記念日を忘れ、外に居場所があった)会えば罵った妻でした。
たくさんの話があまりできる状態ではなかったが、つらいときずっとそばにいてくれた……。和解の時が訪れ、最後の別れができた。夫を許したのです。
妻が亡くなり葬式も終えて元の仕事に戻りますが、罪の意識が芽生えていきます。
老いがノックしても開けないで
麻薬捜査でやがて捕まり、裁判にかけられてしまいます。
自分から進んで刑に服すことになります。「自分は有罪です」。家族はほっとします。居場所がわかり、いつでも会えるんです。
刑に服した主人公の穏やかな顔、「デイリリィ」の花(自分が品評会に出してた花)を刑務所の花壇に植えています。悠々とした時間が流れていきます。最後のシーンです。
映画の中に曲「Don’t let the old man in」が流れます。歌詞と共に……。
「老いを迎え入れるな もう少し生きたいから
老いに身をゆだねるな ドアをノックされても」
しかしながら老化(年というもの)は、悪化する現実を忘れてはいけない。
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