50代以降が注意したい3つの「目の病気」症状と対策

2024年02月10日

50代になったら目と耳のサインに注意!#2

50代以降が注意したい3つの「目の病気」症状と対策

50代以降に増える目の病気は、大きく分けて3つあります。「緑内障」「白内障」が有名ですが、もう一つは「加齢黄斑変性」で、最悪の場合は失明することも! 3つの病気の症状と対策を詳しく解説。心当たりがある場合は、早めに病院で診てもらいましょう。

3つの症状をチェックして、もしやと思ったら病院へ

症状をチェックして、もしやと思ったら病院へ

50代からの女性が気を付けたい目の病気の代表が、「緑内障」(りょくないしょう)、「白内障」(はくないしょう)、「加齢黄斑変性」(かれいおうはんへんせい)。病気による見えづらさから目の疲れを自覚するようになります。

それぞれの症状を解説しますので、サインを見逃さず、もしやと思ったら放置しないで早めに受診しましょう。

緑内障の症状と対策

緑内障は、視野が徐々に欠けていく病気です。

症状

視神経に障害が起こり、視野が狭くなります。徐々に視野が欠けてくるため自覚しづらく、気付いたときには病状がかなり進んでいたということも。治療が遅れると失明する危険もあります。

対策

自覚症状があまりないので、定期的な検査が重要。「特に緑内障になった肉親がいる、もともと近視が強いといった方は、毎年の検査をおすすめします」と梶田さん。

欠けてしまった視野を元に戻すことはできないので、早めに見つけて進行を防ぐことが肝心。治療では、眼圧が高い人は点眼薬で下げたり、場合によってはレーザー治療や手術を行ったりします。

緑内障の症状

緑内障になると、何年もかけて視野が徐々に欠けていきます。初期段階では上のイラストのような見え方。放置していると、欠けた部分がさらに広がっていきます。

白内障の症状と対策

白内障は、水晶体が白濁して、視力が低下する病気です。

症状

白内障の症状

目の中でレンズの役割をしている水晶体が白く濁り、ピント調節がうまくできなくなります。代表的な症状は、視力が低下する、目がかすむ、物が二重三重に見える、光をまぶしく感じる、薄暗いところで物が見にくい、など。加齢とともに進行し、50~60代以降、患者数が多くなります。

対策

点眼薬で進行を遅らせることはできますが、治療の中心は手術。「生活に支障を感じるようになったら、早めに受けた方がいい。安全性が高く、現在は日帰り手術がほとんどです」(梶田さん)

手術では、濁った水晶体の中身を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入。近視や乱視も矯正できます。健康保険も利きます。

加齢黄斑変性の症状と対策

加齢黄斑変性は、視野がゆがんで、見えにくくなる病気です。

症状

目をカメラに例えるとフィルムに当たるのが、網膜。この網膜の中心部にある「黄斑部」に老廃物が沈着したり、本来は存在しない異常な血管(新生血管)が発生したりして、網膜の細胞がダメージを受け、視力に障害が生じます。最悪の場合は失明することも。60歳以降の発症が多く、近年、患者数が増えています。

初期段階では、物がゆがんで見える、視野の中心が黒くなったり欠けたりする、視力が低下するなどの症状が。「早期発見のためにはセルフチェックを。下のチェックシートの中心にある丸い点を片目で見たときに、その周囲の格子にゆがみや欠けがないか確認してください。日頃から時々チェックすると安心です」(梶田さん)

加齢黄斑変性チェックシート

【チェックシートの使い方】
30cmほど目を離し、片目で中心の黒い点を見ます。メガネの人はかけたままで。もし線がゆがんだり、中心部が見えなかったり、一部分が欠けていたりしたら、加齢黄斑変性の可能性があります。できるだけ早く眼科で診てもらいましょう。

対策

治療では、新生血管の原因になる血管内皮増殖因子(VEGF)を抑える薬剤を目に注射します。他に、レーザーを使って新生血管を詰まらせたり、焼いたりする治療法も行われます。

また、ホウレンソウやブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれるルテインという成分には、黄斑部を守る作用があるといいます。積極的に取って、予防に役立てましょう。紫外線対策も重要です。

なお、目が疲れると実はいろいろな症状が出てきます。最初は目の乾燥感、続いて涙目や目の奥の痛みを感じることが多いそう。

「ひどくなると目の不調だけでなく、頭痛や肩こり、めまい、吐き気、さらには軽いうつのような状態になることも。体調不良が起こる前に、疲れ目の段階で対処することが大事」と梶田さんはアドバイスします。

次回は、対処法として目の疲れをリセット&遠ざける生活習慣を8つ紹介します。

梶田雅義(かじた・まさよし)さんのプロフィール

梶田雅義さんのプロフィール

梶田眼科院長(東京都港区)。1976年、山形大学工学部卒業。83年、福島県立医科大学卒業。同大眼科学講師、カリフォルニア大学バークレー校研究員、東京医科歯科大学医学部臨床教授などを経て、2003年から現職。日本眼光学学会理事、日本コンタクトレンズ学会常任理事の経歴もある。眼精疲労やメガネ処方などについてメディアでのコメントも多い。著書は『人生が変わるメガネ選び』(幻冬舎刊)など。

取材・文=佐田節子 イラストレーション=モリナオミ  構成=大矢詠美(ハルメク編集部)

※この記事は雑誌「ハルメク」2021年8月号を再編集、掲載しています。

■もっと知りたい■

■目と耳のケア特集■

  1. 放置はNG!50代以降の女性の目が疲れる4大原因
  2. 50代以降が注意したい3つの「目の病気」症状と対策
  3. 簡単に疲れ目ケア!目の疲れを改善&予防する生活習慣
  4. 難聴は認知症リスクを高める!?耳鼻咽喉科医が解説
  5. 難聴&認知症予防に効果的!耳の若さを保つ生活習慣
雑誌「ハルメク」
雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら

みんなの コメント

【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金の疑問・不安を解消!

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17
【PR】三井住友銀行アプリにシンプルモードが登場

お金の管理が簡単に!

三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です!

2024.11.29
【PR】個人情報の上手な管理・整理術とは

個人情報管理できてる?

銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が…

2024.12.09
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
突然の我慢できない尿意

突然の我慢できない尿意

実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…おでかけや着物でおめかしした日の尿トラブルを防ぐには?

2025.01.10
認知症セルフチェック

認知症セルフチェック

「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません…

2024.11.22
子どもに残すべきはお金?不動産?どちらがお得?

子に遺すべき資産は?

「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは

2024.12.12
【PR】50代からの願いを叶える新しい資金調達術

50代~お金の増やし方

将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか?

2024.11.20
【PR】頼れる家族がいない……入院・入居どうする?

おひとり様の備えはOK?

この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生!

2024.07.22
【PR】たった60日で英語が話せる!3つのコツ

60日で英語が話せる!

英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは?

2024.08.29
認知症のリスクを確認してみませんか?

今なら無料でお試し!

将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます!

2024.08.08
人生100年時代!50代〜のライフプランと資産形成

老後の支出いくらかかる?

もし100歳まで生きるとすると、65歳からでも約1億円も必要ってホント!?老後の支出と収入、ちゃんと把握してる?

2025.01.08
【限定コラボ】職人技が光る!ハルメク×マエノリのセーター誕生秘話