- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 健康
- 50代以降が注意したい3つの「目の病気」症状と対策
50代以降に増える目の病気は、大きく分けて3つあります。「緑内障」「白内障」が有名ですが、もう一つは「加齢黄斑変性」で、最悪の場合は失明することも! 3つの病気の症状と対策を詳しく解説。心当たりがある場合は、早めに病院で診てもらいましょう。
3つの症状をチェックして、もしやと思ったら病院へ
50代からの女性が気を付けたい目の病気の代表が、「緑内障」(りょくないしょう)、「白内障」(はくないしょう)、「加齢黄斑変性」(かれいおうはんへんせい)。病気による見えづらさから目の疲れを自覚するようになります。
それぞれの症状を解説しますので、サインを見逃さず、もしやと思ったら放置しないで早めに受診しましょう。
緑内障の症状と対策
緑内障は、視野が徐々に欠けていく病気です。
症状
視神経に障害が起こり、視野が狭くなります。徐々に視野が欠けてくるため自覚しづらく、気付いたときには病状がかなり進んでいたということも。治療が遅れると失明する危険もあります。
対策
自覚症状があまりないので、定期的な検査が重要。「特に緑内障になった肉親がいる、もともと近視が強いといった方は、毎年の検査をおすすめします」と梶田さん。
欠けてしまった視野を元に戻すことはできないので、早めに見つけて進行を防ぐことが肝心。治療では、眼圧が高い人は点眼薬で下げたり、場合によってはレーザー治療や手術を行ったりします。
緑内障になると、何年もかけて視野が徐々に欠けていきます。初期段階では上のイラストのような見え方。放置していると、欠けた部分がさらに広がっていきます。
白内障の症状と対策
白内障は、水晶体が白濁して、視力が低下する病気です。
症状
目の中でレンズの役割をしている水晶体が白く濁り、ピント調節がうまくできなくなります。代表的な症状は、視力が低下する、目がかすむ、物が二重三重に見える、光をまぶしく感じる、薄暗いところで物が見にくい、など。加齢とともに進行し、50~60代以降、患者数が多くなります。
対策
点眼薬で進行を遅らせることはできますが、治療の中心は手術。「生活に支障を感じるようになったら、早めに受けた方がいい。安全性が高く、現在は日帰り手術がほとんどです」(梶田さん)
手術では、濁った水晶体の中身を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入。近視や乱視も矯正できます。健康保険も利きます。
加齢黄斑変性の症状と対策
加齢黄斑変性は、視野がゆがんで、見えにくくなる病気です。
症状
目をカメラに例えるとフィルムに当たるのが、網膜。この網膜の中心部にある「黄斑部」に老廃物が沈着したり、本来は存在しない異常な血管(新生血管)が発生したりして、網膜の細胞がダメージを受け、視力に障害が生じます。最悪の場合は失明することも。60歳以降の発症が多く、近年、患者数が増えています。
初期段階では、物がゆがんで見える、視野の中心が黒くなったり欠けたりする、視力が低下するなどの症状が。「早期発見のためにはセルフチェックを。下のチェックシートの中心にある丸い点を片目で見たときに、その周囲の格子にゆがみや欠けがないか確認してください。日頃から時々チェックすると安心です」(梶田さん)
【チェックシートの使い方】
30cmほど目を離し、片目で中心の黒い点を見ます。メガネの人はかけたままで。もし線がゆがんだり、中心部が見えなかったり、一部分が欠けていたりしたら、加齢黄斑変性の可能性があります。できるだけ早く眼科で診てもらいましょう。
対策
治療では、新生血管の原因になる血管内皮増殖因子(VEGF)を抑える薬剤を目に注射します。他に、レーザーを使って新生血管を詰まらせたり、焼いたりする治療法も行われます。
また、ホウレンソウやブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれるルテインという成分には、黄斑部を守る作用があるといいます。積極的に取って、予防に役立てましょう。紫外線対策も重要です。
なお、目が疲れると実はいろいろな症状が出てきます。最初は目の乾燥感、続いて涙目や目の奥の痛みを感じることが多いそう。
「ひどくなると目の不調だけでなく、頭痛や肩こり、めまい、吐き気、さらには軽いうつのような状態になることも。体調不良が起こる前に、疲れ目の段階で対処することが大事」と梶田さんはアドバイスします。
次回は、対処法として目の疲れをリセット&遠ざける生活習慣を8つ紹介します。
梶田雅義(かじた・まさよし)さんのプロフィール
梶田眼科院長(東京都港区)。1976年、山形大学工学部卒業。83年、福島県立医科大学卒業。同大眼科学講師、カリフォルニア大学バークレー校研究員、東京医科歯科大学医学部臨床教授などを経て、2003年から現職。日本眼光学学会理事、日本コンタクトレンズ学会常任理事の経歴もある。眼精疲労やメガネ処方などについてメディアでのコメントも多い。著書は『人生が変わるメガネ選び』(幻冬舎刊)など。
取材・文=佐田節子 イラストレーション=モリナオミ 構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年8月号を再編集、掲載しています。
■もっと知りたい■
- 簡単に疲れ目ケア!目の疲れを改善&予防する生活習慣
- 放置はNG!50代以降の女性の目が疲れる4大原因
- 50代前後の女性がチェックしたい病気リスト12
- 【医師が解説】50代女性のうつの症状と認知症リスク
- 乳がんのリスク減!受けるべき検診とNG生活習慣
■目と耳のケア特集■
- 放置はNG!50代以降の女性の目が疲れる4大原因
- 50代以降が注意したい3つの「目の病気」症状と対策
- 簡単に疲れ目ケア!目の疲れを改善&予防する生活習慣
- 難聴は認知症リスクを高める!?耳鼻咽喉科医が解説
- 難聴&認知症予防に効果的!耳の若さを保つ生活習慣
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
突然の我慢できない尿意
実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…中には上手に対策をしている人も!気軽にできる対策って? -
個人情報管理できてる?
銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が… -
お金の管理が簡単に!
三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です! -
認知症セルフチェック
「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません… -
健気な姿がかわいい!
「思わず笑顔になる」と巷で話題の「永遠の2歳児・ニコボ」!ハルメク世代の2人に、ニコボとの生活にハマる理由をお聞きしました! -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
50代から1日1分脳トレ
認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?