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- 失明原因第1位!「緑内障」は早期発見が大事
目の健康は生活の質を左右する、とても大切な要素です。視界がかすむ、ぼやけるなどの自覚症状が起きたときには、すでに目の病気が進行している可能性も。そこでこの特集では、50代から特に気を付けたい目の病気とチェック方法を全3回で紹介します。
教えてくれた人:清水公也(しみず・きみや)さん
1976年、北里大学医学部卒業。武蔵野赤十字病院眼科部長、北里大学医学部眼科学教室主任教授を経て、現在は山王病院アイセンター・センター長、国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授。著書に『1回1分~ 自宅でできる 目の検査BOOK 見るだけで目の病気が見つかる本』(文響社刊)がある。
目の病気は「早期発見」が重要です
年齢とともに、多くの方が目の不調に悩まされます。山王病院アイセンター、センター長の清水公也さんによれば、実は、目の老化は「誰しも30代後半頃から徐々に進んでいく」のだそう。
「目は左右2つあるために、片方の視野が欠けるなど異常をきたしても、もう片方がそれを補うため、自覚症状のないまま症状が進みやすいのが怖いところです」と清水さんは指摘します。
今回は特に罹患者が多く、重症化すると生活に支障をきたしやすい「緑内障(りょくないしょう)」「白内障(はくないしょう)」「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」を中心に、気になる症状やチェック方法を紹介します。
まずは目の基本的な構造を知っておきましょう
角膜から入った光は水晶体で屈折され、網膜で像を結び、視神経を通って脳に伝わります。加齢などの要因でこれらの器官に異常が起こると、目の不調や病気につながります。
失明原因第1位!「緑内障」とは
緑内障は、中途失明の原因として最も多い目の病気で、40歳以上の20人に1人がかかるとされています。網膜でとらえた像を脳に伝える視神経に障害が生じ、視野が欠けるなどの症状が出ます。
「眼圧の上昇による視神経の圧迫が一因ですが、実は日本人の緑内障患者のうち約7割は眼圧が正常なタイプの緑内障。眼圧が正常でも安心はできません」と清水さん。また緑内障は基本的に症状の進行が遅いため、視野の欠けが徐々に進んでいることに気付かないケースも多いそうです。
「傷ついた視神経は元に戻らないので、早期発見・早期治療が特に重要になります」(清水さん)
「緑内障」患者数はこの12年で倍増!
緑内障の総患者数は、平成17年時点では約54万人だったのに対し、平成29年では100万人を超えており、12年間で倍増していることがわかります。
「緑内障」危険度チェック
□視野に欠けがある
□目がかすむ
□暗いと以前より見にくく感じる
□運転中に信号を見落とすことがある
□光のまわりに虹が見える
□目を休めても症状が変わらない
1つでもチェックがついた人は緑内障の可能性が!
中高年女性に多い「急性緑内障発作」に注意
多くの緑内障は慢性疾患ですが、突然急激に眼圧が上がる「急性緑内障発作」が起こることも。70代以上の女性に多い傾向があります。激しい頭痛や目の痛み、吐き気などが主な症状で、放置すると数日で失明する恐れがあるため、症状が出たらすぐに受診を!
緑内障の治療について知っておきたいこと
緑内障の治療は、症状の悪化を防ぎ、できる限り長く現状を維持することが目的になります。まず点眼による薬物療法で眼圧を調整することが基本で、効果が出ない場合は、レーザー治療、続いて手術療法が検討されます。
次回は「白内障」と「加齢性黄斑変性」についてお伝えします。
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=落合恵
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年3月号を再編集しています
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