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- 女性は50代から骨密度が低下!平均より低いと危険?
50代前後になると、女性は骨密度が減少して骨粗鬆症を発症しやすくなります。自分は平均と比べて高いのか低いのか、どんな人が危険なのかを知り、今すぐ予防と改善に努めましょう!正常値やセルフチェック、骨密度を上げる方法などをご紹介!
50代女性の骨密度!若年齢の平均と比較して何%?
50代頃になると、女性は骨量が減少します。医療機関を受診した際や健康診断などで骨密度を測ったことがある人もいるかもしれませんが、自分の数値が正常値の範囲内なのか気になる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、50代女性の骨密度の正常値や検査方法について解説します。
骨密度の正常値とは?50代女性はどのくらい?
そもそも骨密度とは、骨を構成するカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分のつまり具合のことで、骨粗鬆症の診断基準となるものです。骨の単位面積あたりの骨塩量(骨の中のミネラル量すべて)によって算出されます。
骨密度の数値が正常かどうかを判断するには、もっとも骨量が多いとされる若年齢(20〜44歳)の平均骨密度を100%として比較したYAM値を算出しなければいけません。
若年齢の骨密度と比較して、骨密度が80%以上の場合は正常、70〜79%の場合は骨量が減少気味、70%未満になると骨粗鬆症と診断されます。
「同じ年齢の人と比べてどうなの?」と気になるかもしれませんが、骨粗鬆症の診断では同年齢の平均骨密度を100%とした比較はしない点に注意しましょう。
骨密度の検査方法とは
骨密度は自分で測ることができないため、以下のような骨密度検査を受け、骨の中にどのくらいカルシウムやミネラルがあるか測定する必要があります。
DXA(二重エネルギーX線吸収)法
DXA(デキサ)法は「Dual Energy X-ray Absorptiometry」の略です。2種類の異なるX線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差によって骨密度を測定することから、日本語では「二重エネルギーX線吸収法」と呼ばれています。
被ばく量が非常に少なく、素早く正確に測定できるため、骨密度測定の標準検査となっています。
測定するのは腰椎や足の付け根(大腿骨頸部)などの骨折しやすい部位で、寝た状態で立膝の姿勢と足を伸ばした姿勢になって骨密度を測定するのが一般的です。
ただし、この検査機器はどの医療機関にも置いているわけではないため、事前に調べてから受診しましょう。
QUS(定量的超音波測定法)法
QUS(キューユーエス)法は、かかとやスネの骨に超音波をあて、将来の骨折リスクを予測する方法です。
X線を使用しないため、妊娠中の人や妊娠の可能性がある人はもちろん、アレルギーや甲状腺疾患がある人、心臓ペースメーカーをつけている人などでも受けられます。
骨粗鬆症の診断などに用いることはできませんが、X線による被曝もなく手軽に受けられることから、自治体の検診などにも多く取り入れられている検査です。
MD(エムディ)法
アルミニウムの板の上に両手を広げて置いてX線撮影をし、人差し指の付け根から手首までの骨(第二中手骨)とアルミニウムの濃度を比較して、骨密度を測定する方法です。
一般的なX線撮影装置でも計測できるため、X線撮影装置が置いてある医療機関であれば比較的簡単に測定できます。
骨密度が低いとどうなる?50代から注意すべき病気
50歳前後になると、女性は閉経に伴って女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が低下します。
エストロゲンには、骨の新陳代謝の際に古い骨を吸収する作用を緩やかにする働きがありますが、閉経によってエストロゲンの分泌量が急激に減ってくると、骨の吸収が早まって新しい骨を作るスピードが追いつかなくなり、骨量が低下してしまいます。
では、骨量が減り骨密度が低くなった場合、どのような病気に注意すべきなのでしょうか。
骨密度が低いと骨粗鬆症の危険がある
骨密度が低いということは、骨が脆くなり骨折しやすい状態になり、「骨粗鬆症」のリスクが高まっているということです。
骨粗鬆症は、初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどありません。しかし、つまずいて手をついただけで骨折したり、いつの間にか背骨が折れてしまい、その結果背中が丸くなってきたりなどの症状が徐々に現れ、病院を受診した頃にはかなり進行していることもあります。
骨折をすると日常生活に支障が出るだけでなく、QOL(生活の質)を低下させる原因になることも。また、体力や筋力の低下を招き、骨折を再発したり要介護となる可能性もあります。
骨折を防いで健康寿命を延ばすためにも、症状が出ないうちから骨密度を測り、骨粗鬆症の予防に努めましょう。
骨密度に注意が必要なのはこんな人!
骨密度に注意が必要なのは、以下のような人です。
- 閉経を迎えた女性
- 思春期に無理なダイエットを行っていた人
- 運動する習慣がない人
- 糖尿病や高血圧などの持病がある人
性別に関係なく、年齢によって骨密度が減少することがわかっていますが、その減少率は男性よりも女性の方が大きいといわれています。
女性の骨密度は20歳頃をピークにその後は徐々に減少し、閉経を迎える50歳頃になると減少が加速するため注意が必要です。特に骨形成がピークを迎えるとされる思春期の時期に、無理なダイエットを行っていた場合は、骨が弱くなっていると考えられます。
また、骨形成には十分な栄養と重力の負荷が必要です。運動を行うと骨に刺激が加わって骨が強くなりますが、運動する習慣がないと骨が弱くなる傾向にあります。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病がある場合も、骨が弱りやすくなるため注意しましょう。
骨粗鬆症の危険度セルフチェック!
以下に当てはまる項目が多いほど、骨粗鬆症の危険度が高くなります。
- 【女性】閉経を迎えた【男性】70歳以上である
- 牛乳や乳製品をあまり取らない
- 小魚や豆腐をあまり取らない
- タバコをよく吸う
- お酒をよく飲む方だ
- 天気に関わらずあまり外出しない
- 体を動かすことが少ない
- 最近背が縮んだ気がする
- 最近、背中が丸くなって腰が曲がってきた気がする
- ちょっとしたことで骨折した
- どちらかというと細身の体格だ
- 家族に骨粗鬆症と診断された人がいる
- 糖尿病や消化管の手術を受けた経験がある
一つでも当てはまる場合や気になる症状がある場合も、念の為医療機関を受診してみるのがおすすめですが、ちょっとしたことで骨折した人や背が縮んだような気がする人、背中が丸くなって腰が曲がってきた気がする人は、他の項目の該当数にかかわらずすぐに医療機関に相談しましょう。
なお、医療機関を受診して将来骨折のリスクが高いと診断された場合は、骨密度を計測して骨量の減少が確認された段階から治療を開始する可能性があります。
50代から始めよう!骨密度を上げる方法とは
一度低下してしまった骨密度を大幅に回復させることは難しいですが、50代からでも生活習慣の改善で骨密度が低下するスピードを緩やかにすることは可能です。
ここでは、50代からでも始められる骨を強くする方法をご紹介します。
食生活を整える
骨密度を低下させないためには、バランスの取れた食生活を心がけ、カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどの骨の形成に役立つ栄養素を積極的に取ることが大切です。
以下は、それぞれの栄養素が多く含まれる食品の例です。
【カルシウム】
- 牛乳やチーズなどの乳製品
- 小魚
- 干しエビ
- 大豆製品
- 小松菜
- チンゲン菜
- わかめ など
【ビタミンD】
- 鮭
- ウナギ
- サンマ
- メカジキ
- イサキ
- カレイ
- シイタケ
- キクラゲ
- 卵(卵黄) など
【ビタミンK】
- 納豆
- ほうれん草
- 小松菜
- ニラ
- ブロッコリー
- サニーレタス
- キャベツ など
上記の栄養素に加え、カルシウムの吸収を助けるマグネシウムやビタミンB6、B12、葉酸などをバランスよく取りましょう。
また、年齢を重ねると食事量が少なくなり、タンパク質の摂取量が不足する傾向にあります。タンパク質の摂取量が足りないと、骨密度が低下しやすくなるため、積極的に摂取してください。
なお、女性の場合は閉経後に急激に骨密度が低下します。カルシウムの吸収を助ける女性ホルモンと似た働きをもつ、大豆イソフラボンなどの栄養素も積極的に取るとよいでしょう。
適度な日光浴を心がける
カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、食べ物から摂取できるだけでなく、紫外線を浴びることで体内でもつくられます。
ただし、夏の直射日光を長時間浴びると皮膚がダメージを受けてしまうため、適度な日光浴を心がけることが重要です。
具体的には、冬の場合は30分〜1時間程度の散歩、夏の場合は木陰で30分程度過ごす程度がよいとされています。
近年、美肌のために入念に紫外線対策を行っている人もいますが、ビタミンD不足にならないよう、うまく紫外線と付き合いましょう。
適度な運動を行う
食生活の見直しや日光浴だけでなく、運動で骨に適度な負荷を与えることも骨密度を上げるために有効です。
もともと運動習慣のない人は、「ゆるテーブルスクワット」の基本の動きから始めてみるとよいでしょう。
- 膝くらいの高さの椅子を後ろに置く
- 肘から先を直角に曲げてテーブルにつけて体重をかける
- 足は肩幅くらいに開いてそのまま立ち上がる
背中や首が丸まっていると効果が半減してしまうため、肘とつま先はテーブルのヘリに揃え、背筋は丸まらないようにまっすぐになるよう注意して行います。
この動きが簡単にできると感じるのであれば、次は膝ではなくお尻に意識を向け、3秒ほどかけてお尻が椅子に着くぎりぎりのところまで降ろしてみてください。これを10回程度行います。
骨は負荷をかけるほど、細胞が活性化してより強くなろうとします。このような軽い運動でも継続して行うことで、骨に適度な負荷をかけて骨密度の低下を防ぐことが可能です。
病院で適切な治療を受ける
女性の場合、50歳頃からは年に一度は骨密度を調べるのがおすすめです。
医療機関では、問診や画像診断、血液・尿検査による骨代謝マーカー検査、それに加えて上記でご紹介した骨密度検査などを行い、総合的に判断します。
骨密度の低下や骨粗鬆症がみられる場合は、骨吸収を抑制する薬や骨の形成を促進する薬、カルシウム製剤などでの薬物治療、食事指導や運動指導を組み合わせて治療を行います。
痛みが消えたり骨密度の改善がみられなかったりすると、自己判断で薬を中断してしまう人も多いですが、骨強度を強めて骨折を防ぐためには、根気強く治療を行うことが大切です。
生活習慣を整えて骨密度を保とう!
女性は50代頃になり閉経を迎えると、骨密度が急激に低下してきます。骨密度の低下は骨粗鬆症を招き、ちょっとしたことで骨折しやすくなってしまうため、骨量を増やす対策は早く始めることが大切です。
50歳を過ぎたら、まずは医療機関で骨密度の検査を受け、自分の骨の状態を把握すること。骨量が低いことがわかったときは、食生活の見直しや適度な運動を継続し、必要であれば薬物療法を受けるようにしましょう。
監修者プロフィール:北城雅照さん
東京の足立区に整形外科専門病院である慶友整形外科脊椎関節病院と、整形外科のクリニックである足立慶友整形外科を運営する医療法人円徳の理事長。クリニックは年間延べ10万人以上の患者様が来院。また、instagramやTikTokでも積極的に情報を公開。
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