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- 三遊亭わん丈の会 博多つながり寄席番外編
三遊亭わん丈さんのオンライン配信があると知り、飛びつきました。その噂は聞いていましたが、なかなか出会えず、落語自由自在48回目にして、初めてのご紹介です。
今注目の若手噺家 三遊亭わん丈さん
わん丈さんは、滋賀県の出身で北九州市立大学を卒業。20歳から7年間ロックバンドのボーカルとして活動し、自身で企画からパーソナリティーまでつとめるラジオ番組や、イベントの司会なども行っていました。
2010年に初めて訪れた寄席で、落語に魅せられ、翌年4月に三遊亭圓丈師に弟子入り。滋賀県初の江戸落語家となりました。この辺りの方は、上方落語にいきますので、珍しいケースです。古典落語と新作落語とを自在に操る、今注目の若手噺家です。
本日の演目
「孝行糖」「宿屋の仇討」「牡丹灯籠 お露新三郎~お札はがし」
天才落語家として名高い三遊亭圓朝の作品で、夏の風物詩として、100年以上も語り継がれている名作です。
何しろ古い噺で、中でも「牡丹灯籠」は22章からなる壮大なる物語。登場人物も多く、いきなり語り出したら、みなさん話についてこられないと思います。ホワイトボードで、解説すればいいのですが、噺家は扇子と手拭でしか表現してはいけない決まりがあります。
ただ私、気が付きました。扇子の大きさに規定はないのだと。えっと、驚く観客の前に、大きな扇子が登場します。何とそれを運んで来たのは、あの落語Carでおなじみの、橘家文太さんでした。一緒に修行をした仲間だそうです。会場から大きな拍手が湧きました。
牡丹灯籠の登場人物
まずは「牡丹灯籠って、どれでしょう?」と、3枚の写真から選ぶ、クイズが始まります。斬新ですね。次に、自身で書いた人物相関図の説明に移ります。面白おかしく紹介した後、いよいよ噺の幕開けです。
お露と新三郎の出会いは、小田和正の「ラブストーリーは突然に」を熱唱し、ミュージカル仕立てにします。この怪談話らしくない表現方法に、すっかり魅せられてしまいました。それでもさすがに、カランコロンと、駒下駄の音を響かせて、深夜に幽霊が現れるシーンは、ゾクっとしました。
人は簡単に人を裏切るので、ある意味死者よりも怖いと、作者は伝えたかったのだと思います。と結んでから、カランコロンと鳴る下駄を、買いに行ったと話します。その時の下駄屋の主人の返答に驚きました
「下駄の歩き方ヘタ、しっかり歩いて、カッカッと鳴らして下さい」。これでは牡丹灯籠になりません(笑)。
次回は、牡丹灯籠の後半戦「栗橋宿」です。この噺は、圓生師匠や歌丸師匠で聞きましたが、わん丈流「栗橋宿」に、早くも期待が高まります。全編語った後、これを新作落語に作り変えて、3時間半位にまとめるそうです。また一人、目の離せない素敵な噺家が登場しました。
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