落語自由自在44

三K辰文舎withきく麿:第33回博多つながり寄席

公開日:2021.04.21

更新日:2021.04.16

「三K辰文舎withきく麿」は、落語を堪能した後にバンド演奏をたっぷり味わえる、充実の落語会です。今回は、博多からオンラインで生配信された模様をお伝え致します。

三K辰文舎withきく麿:第33回博多つながり寄席
三K辰文舎withきく麿:第33回博多つながり寄席

「お血脈(上:善光寺の由来)」入船亭扇辰(いりふねていせんたつ)

 本田善光が難波池のそばを通りかかると、水中から自分の名を呼ぶ声が聞こえ、一寸八分(約6cm)の仏像が現れます。その仏像が「信州に行きたい」と言うので、仏像を背に乗せて信州に向かいます。実はこの仏像、仏教を広めるために日本へやって来たお釈迦様だったのです。そして、本田善光の名のお寺「善光寺(ぜんこうじ)」を建立します。善光寺の由来、他の噺家にはできない教養あふれる一席でした。「1時間目の授業終わり、起立、礼」で、扇辰師匠が高座を降りました。

「お血脈(下)」柳家小せん(やなぎやこせん)

2時間目の授業です。地獄での生活を満喫している石川五右衛門が、のんきに歌を歌っています。そこへ閻魔大王の使いがやって来ます。大王の元へ駆けつけると、善光寺のお血脈(けちみゃく)を盗んで欲しいというのです。お血脈とは、宗教宗派に関係なく授与されたすべての人に御利益がある「極楽へのパスポート」のこと。お安い御用と引き受け、手に入れたまではよかったのですが、芝居好きの五右衛門は余計なことをしてしまい、驚きの結末となります。時事ネタを巧みに取り入れた、小せん師匠の楽しい授業でした。

「寄合酒」橘家文蔵(たちばなやぶんぞう)

博多に来ると、お酒が進みます。関サバ、あれはいけません。関サバかコカインかというくらい、もう止まらなくなりました。と言ってから「寄合酒」に入ります。隣町の乾物屋を、隣の乾物屋と言ってしまい、文蔵師匠の二日酔いがバレました(笑)。

「おもち」林家きく麿(はやしやきくまろ)

随所に「餅好きですか?」と問いかけます。その声が妙に耳に残ります。淡々と語った後「三Kの前座です」と言って、小林旭ショーが始まりました。「昔の名前で出ています」を歌いだし、1番で終わると思いきや、何と3番まで歌い上げました。

お待ちかねバンド演奏

お待ちかねバンド演奏

オープニングは、小せん師匠が歌う「春爛漫」、扇辰師匠とのハーモニーがきれいです。続いて「里帰り」を、文蔵師匠が静かに歌い上げます。ピアノとギターの二刀流、扇辰師匠は「置手紙」。ギターの名手、小せん師匠は「傘がない」を熱唱。「海へ来なさい」を歌う文蔵師匠は、パーカッション担当、ときどきギター。最後は、扇辰師匠お得意の「乙女のワルツ」でした。アンコール曲は「SWEET MEMORIES」「うそ」「イムジン河」の3曲。

三K辰文舎withきく麿:第33回博多つながり寄席

三K辰文舎withきく麿:第33回博多つながり寄席

4時間に渡る長丁場でしたが、落語と演奏を堪能することができて、本当に素敵な時間でした。

※「三K辰文舎」について詳しく知りたい方は、落語自由自在28 オンラインで生配信「三K辰文舎 in 渋谷らくご」 (2020年5月22日)の記事をご覧ください。

 

■もっと知りたい■

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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