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- 三K辰文舎withきく麿:第33回博多つながり寄席
「三K辰文舎withきく麿」は、落語を堪能した後にバンド演奏をたっぷり味わえる、充実の落語会です。今回は、博多からオンラインで生配信された模様をお伝え致します。
「お血脈(上:善光寺の由来)」入船亭扇辰(いりふねていせんたつ)
本田善光が難波池のそばを通りかかると、水中から自分の名を呼ぶ声が聞こえ、一寸八分(約6cm)の仏像が現れます。その仏像が「信州に行きたい」と言うので、仏像を背に乗せて信州に向かいます。実はこの仏像、仏教を広めるために日本へやって来たお釈迦様だったのです。そして、本田善光の名のお寺「善光寺(ぜんこうじ)」を建立します。善光寺の由来、他の噺家にはできない教養あふれる一席でした。「1時間目の授業終わり、起立、礼」で、扇辰師匠が高座を降りました。
「お血脈(下)」柳家小せん(やなぎやこせん)
2時間目の授業です。地獄での生活を満喫している石川五右衛門が、のんきに歌を歌っています。そこへ閻魔大王の使いがやって来ます。大王の元へ駆けつけると、善光寺のお血脈(けちみゃく)を盗んで欲しいというのです。お血脈とは、宗教宗派に関係なく授与されたすべての人に御利益がある「極楽へのパスポート」のこと。お安い御用と引き受け、手に入れたまではよかったのですが、芝居好きの五右衛門は余計なことをしてしまい、驚きの結末となります。時事ネタを巧みに取り入れた、小せん師匠の楽しい授業でした。
「寄合酒」橘家文蔵(たちばなやぶんぞう)
博多に来ると、お酒が進みます。関サバ、あれはいけません。関サバかコカインかというくらい、もう止まらなくなりました。と言ってから「寄合酒」に入ります。隣町の乾物屋を、隣の乾物屋と言ってしまい、文蔵師匠の二日酔いがバレました(笑)。
「おもち」林家きく麿(はやしやきくまろ)
随所に「餅好きですか?」と問いかけます。その声が妙に耳に残ります。淡々と語った後「三Kの前座です」と言って、小林旭ショーが始まりました。「昔の名前で出ています」を歌いだし、1番で終わると思いきや、何と3番まで歌い上げました。
お待ちかねバンド演奏
オープニングは、小せん師匠が歌う「春爛漫」、扇辰師匠とのハーモニーがきれいです。続いて「里帰り」を、文蔵師匠が静かに歌い上げます。ピアノとギターの二刀流、扇辰師匠は「置手紙」。ギターの名手、小せん師匠は「傘がない」を熱唱。「海へ来なさい」を歌う文蔵師匠は、パーカッション担当、ときどきギター。最後は、扇辰師匠お得意の「乙女のワルツ」でした。アンコール曲は「SWEET MEMORIES」「うそ」「イムジン河」の3曲。
4時間に渡る長丁場でしたが、落語と演奏を堪能することができて、本当に素敵な時間でした。
※「三K辰文舎」について詳しく知りたい方は、落語自由自在28 オンラインで生配信「三K辰文舎 in 渋谷らくご」 (2020年5月22日)の記事をご覧ください。
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