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- 8か月ぶりの落語会「柳家あお馬の独演会」
落語を聞いて笑うことが元気の源なのだという、さいとうさん。新型コロナウイルスの感染を恐れ、オンライン配信で落語を楽しんでいましたが、久しぶりに生の落語のライブ感を堪能したそうです。
8か月ぶりの落語会にワクワク
3月以来、落語はずっとオンライン生配信で楽しんでおりましたが、8か月ぶりに落語会に行ってきました。場所は、巣鴨のスタジオフォーです。わかりにくい場所と聞いていましたので、1週間前に下見に行ってみました。都電の庚申塚駅に降り立つと、すぐ近くのお店の方に行き方を伺いました。「わかりません」と言うので、それならとスマホを取り出し検索、信号を左に行くのだとわかり、あとは簡単でした。
入り口付近を撮影、あお馬さんに「下見に来ました」とツイートして、写真を送信しました。ご本人から「あっ、スタジオフォーの入り口ですね。当日はお気をつけてお越しください。お待ちしております」と返信がきました。Twitterって、楽しくて便利ですね。
当日、会場に着いたのは、ちょうど一番太鼓が鳴り響いているときでした。木戸銭をお支払いし、場内を見渡すと、立川志の輔師匠のサインが飾られていました。ここで以前、お忍びで落語会を開いていたそうで、そこへやってきた志の春師匠が、噺家になりたいと決意した伝説の場所です。今日ももしかしたらこれがきっかけで、噺家が誕生するかも? と、ちょっと楽しい想像をしてしまいました。
「お菊の皿」
この噺は、もう随分聞きましたが、今までで一番面白かったのは、数年前に「中野ZERO」で見た小朝師匠の「お菊の皿」でした。途中でザ・ピーナッツの「恋のバカンス」が流れ、小朝さんがはにかみながら踊るのです。もうおかしくて、会場が笑いの渦でいっぱいになりました。後から出てきた円楽さん「小朝さんは、やりたい放題ですね」と言って、呆れていました。ただし音楽入りの「お菊の皿」は、小朝師匠だけで、歌武蔵師匠も、あの喬太郎師匠でさえも、音楽はなく普通に演じていました。それだけに小朝師匠の高座は強烈な思い出でした。さて、今日あお馬さんは、果たしてどんな「お菊の皿」を見せてくれるのでしょうか。
この噺は番町皿屋敷に、今でもお菊の幽霊が出るという怪談噺で、なぜお菊が青山鉄山に殺されたかというくだりの描写は、理不尽でとても笑えるものではありませんが、後半が陽気になるのです。あお馬さんは軽快な歌にのって、両手にペンライトを持ち、キレキレのダンスを披露しました。観客約20名は手拍子で参加、楽しかったです。あお馬さんも、のせてくれたお客様に感謝! 「やはり落語は生、双方向のコミュニケーションが一番ですね」と言っていました。
「夢屋」
これは、あお馬さんが作られた新作落語です。9月の「渋谷らくご」で一度聞きましたが、また聞けてうれしかったです。繁盛していた反物屋が、近くに大型店ができたため、商売が振るわなくなり、主人がふて寝をしています。心配したおかみさんが起こしますが、なかなか働こうとしません。そこへ「ゆめや~ ゆめや~ 」という売り声が聞こえてきます。主人が驚いて戸を開けると、お婆さんが夢を売って歩いていました。せめていい夢を見たいと、夢屋から錠剤を買い、寝しなに飲みますが……という噺です。「お菊の皿」とは打って変わって、じっくりと聞かせる噺でした。
「お神酒徳利」
小せん師匠の得意ネタです。師匠はこの演目で「国立演芸場平成28年度花形演芸大賞金賞」を受賞されました。小せん師匠に弟子入りして7年、いつかは師匠の得意ネタを演じたかったと、あお馬さんは語ります。
つい最近、登場人物が全員一癖あって「おみーきどっくりお清が盗った~」とはやし立てる、ある師匠の配信を見たばかりでした。これは元の噺とはあまりにもかけ離れているので、嫌な気分になりました。どうか今日は、ほのぼのとした噺を、聞かせて欲しいと思いました。
主人公の善六を、あお馬さんはとてもいい人として描いていました。神奈川の宿新羽屋から貰った御礼10両のうち、5両を親孝行な女中さんにあげるのですが、それを今回は10両全額あげていました。道中付けも鮮やかに決まり、小せん師匠の型を踏襲した良い噺に仕上がっていました。
コロナ感染者が日に日に増えていましたので、落語会に行くか正直迷いましたが、行ってよかったとつくづく思いました。
後日、あお馬さんから、御礼状が届きました。、いまにあお馬さんは真打になり、やがて名人といわれるようになりますから、そうしたら、師匠が二つ目の頃にくださった御礼状だと言って自慢できます。その頃、私は80を才過ぎていることでしょう。一体、誰に自慢するのかしら(笑)?
次回は、12月に三遊亭円朝作「真景累ヶ淵」の初演です。応援に駆けつけたいのはやまやまですが、新型コロナウイルスに感染したら困るので、今回ばかりは迷っていて、ご本人にはまだお返事ができていません。
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