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- 落語自由自在~三遊亭小遊三・林家たい平二人会~
古き良き日本文化である落語を聴いて楽しく笑うことで、身も心も元気になることができます。今回は人気番組「笑点」にも出演している三遊亭小遊三師匠、林家たい平師匠の落語会の体験レポートをお伝えしていきます。
念願の二人会
今回ご紹介するのは新春まっぴるま寄席「三遊亭小遊三・林家たい平二人会 対決!大月VS秩父 練馬編」です。
この二人の会は昨年7月に目黒パーシモンで聞く予定でしたが、2日前に熱射病になり当日も猛暑で断念しただけに、どうしても行ってみたいと思っていました。午前11時開演という普段中々ない時間帯にも関わらず、練馬文化センター大ホールは超満員でした。
お馴染の前座あがりの出囃子にのって、まずは桂竹もんさんの登場です。
「狸鯉」竹もん
まずは「桂竹丸の弟子の竹もんです」と自己紹介。「熊本の出身です」というと場内からは拍手が。竹もんさんは「熊本というだけで拍手貰えるとは」と喜んでから「もしかして竹もんは、くまモンからとったと思ったのでしょうか?」と疑問を口にします。
「師匠に訊きましたら『違うよ、田舎もんだからだよ』って。師匠は鹿児島出身、大した違いはありません」と客席を笑わせてから、噺に入ります。
「鯉狸」は狸が恩返しに鯉に化けるというストーリーで、前座にしてはなかなか聞かせます。先が楽しみな竹もんさんでした。
「猫の災難」たい平
開始早々「平日の午前中にも関わらずお出掛けいただいて、練馬の皆さんは余程財力があるか、教養がおありか、はたまた家にいられない事情でもあるのでしょうか?」と笑いを取ります。
「ある時、笑点(日本テレビ系列の長寿番組)の中で『大月って田舎ですね』と私が小遊三師匠に投げかけました。師匠は私の直球を受け止めてくれて『秩父はもっと田舎だろう』と投げ返してくれたんです。これが、大月対秩父の田舎戦争の始まりです。その後何もなかった若輩者の私が、大先輩の師匠と二人でこうして全国を廻れるようになったんです。有難い事です」と二人会が誕生した裏話をしてから「猫の災難」に入りました。
この演目は、金はないが酒が飲みたい熊五郎という男が、酒や肴がないのを猫のせいにして友人から酒をせしめようとするお話です。
前に聞いた橘屋文蔵師匠のハチャメチャなイメージが強い演目だったせいもあり貰った鯛の置き場所まで丁寧に説明し、お酒を飲んでも上品で、あまりハラハラはしませんでした。それでも「稀勢の里には頑張って欲しかった」と途中時事ネタを挟むなど随所に工夫がみられ、たい平流「猫の災難」も好感が持てました。
「鮑のし」小遊三
「上石神井在住です」とまずは地元練馬を強調してから「先の東京オリンピックでは聖火ランナーとして、山梨69区を走りました。ですからあのオリンピックが成功したのは、みんな私のおかげです。私が山奥に逃げこんだりしたら、オリンピックは開かれませんでした」と大きく出て笑いを取り「鮑のし」に入ります。
「鮑のし」とは嫁のお使いであわびを持っていった男が相手を怒らせてしまったので、友人にアドバイスをもらいもう一度お使いを成功させようと奮闘するお話です。
噺の中で、人のいいのが甚平さんとはよく言いますが、小遊三師匠演ずる甚平さんは本当に可愛らしくて、いい人そのものでした。おかみさんに言われた通りに、お金を借りに行き、魚屋での買い物で、ポロッと言ってはいけない話をしてしまったり、祝言の祝いに行ってしくじったり、とにかく笑いっぱなしでした。
もう子供の頃から数十回も聞いた演目なのに、大笑いしてしまいました。これぞ古典落語の醍醐味ですね。
今回は平日の昼間でしたので、年齢層が圧倒的に高く、杖をついて来てる方もいらっしゃいました。皆さん一様に「ああ楽しかった。よく笑った」と言って喜んでいました。日常生活では感じられない桁違いの楽しさだったようです。
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