落語自由自在28

オンラインで生配信「三K辰文舎 in 渋谷らくご」

公開日:2020/05/22

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落語が大好きなさいとうさんの落語体験記。落語を聞いて笑うことが、さいとうさんにとって元気の源なのだそう。新型コロナウイルスの影響でオンラインの生配信となった寄席を体験。「三K辰文舎 in 渋谷らくご」を楽しんだ様子をレポートしてくれました。

三K辰文舎

三K辰文舎とは

有料オンライン生配信で「三K辰文舎 in 渋谷らくご」です。今夜は落語&音楽ライブなので、パソコンで視聴することにしました。スマホより音もよく、映像も大きくなるので、数段見やすくなると思います。

家にいながらにして落語のライブが楽しめるなんて、何だか師匠達が家に来てくださるみたいで、幾分緊張気味でその時を待ちます。Twitterにそのことをつぶやきましたら、「お邪魔します」と小せん師匠からすぐに返信がありました。こんなやりとりも楽しいですね。

「三K辰文舎(さんけいしんぶんしゃ)」をご紹介します。「三K」、これは高学歴・高身長・高血圧ではなく、三人の「本名」がKで始まるからです。そして、辰(しん)は扇辰さんの辰、文は文蔵さんの文(ぶん)、舎(しゃ)は小せんさんが柳家小せんを襲名する前の名前が、鈴々舎わか馬だったからで、一文字ずつとって「三K辰文舎」となりました。落語の後、三人がそれぞれ歌います。

 

「寿限無」 入船亭扇辰(いりふねていせんたつ)

開口一番が、バンドリーダーの扇辰師匠とは驚きました。お弟子さんは出さないで、いきなり師匠が登場する贅沢な会、しかも、演目が「寿限無」とは二度驚きました。

画面から細やかな表情が見てとれるので、ホール落語にはない楽しさに引き込まれました。また真打の「寿限無」はなかなか聞く機会がありませんので、とても新鮮でした。
タイムテーブルには、落語20時半までとなっていましたが、扇辰師匠が高座を降りたのが20時。後が気になりました。「お時間です」といって途中で終わりでは困ります。講談ではないから大丈夫かしら?(笑)

 

「ちりとてちん」 橘家文蔵(たちばなやぶんぞう)

文蔵師生登場で、今日は辰文舎の順で出るのですね。と、思わず画面の師匠に声をかけてしまいました。家にいる気楽さからですね。

文蔵師匠は料理にも精通していて、Twitterによく料理の投稿をアップしていますので、落語でも食事の場面は実に丁寧に描きます。以前、文京シビックホールで聞いた「馬のす」の、枝豆を食べるシーンは絶品でした。あの後、みんな枝豆が食べたくなり困ったものです。今日も鰻を食べるその表情の素晴らしさを見ていたら、食べたくなりました。でも、終演後に鰻は無理と、自分に言い聞かせて噺に集中しました。「ちりとてちん(実は腐った豆腐)」を食べ、驚いていきなり寝そべったり、これは珍味だと言って無理やり食べる表情がおかしかったです。

 

「人形買い」 柳家小せん

この季節にピッタリの噺です。初節句のお祝いに長屋の住人からお金を集め、八つぁんと熊さんが人形を買いに行きます。お喋りな人形屋の小僧にお金を取られますが、小せん師匠の描く小僧さんは憎めません。この後、易者や講釈師にまで散々な目に遭わされる二人に、最後までハラハラのしどうしでした。上品でほのぼのとした小せん師匠の高座を、特等席で独り占め、会場にいるよりいいかもしれないと思い始めました。

 

音楽ライブ

音楽ライブ

音楽ライブ

音楽ライブ

ライブではさまざまな曲の演奏がありました。

「やさしさに包まれたなら」荒井由実(扇辰)
扇辰師匠は、この曲がお気に入りのようで、過去2回生で聞きましたが、何と今回も選曲されました。

「不器用な花」さだまさし(小せん)
本日はさだまさしさんの誕生日なので、どうしてもこれを歌いたいとのこと。小せん師匠の美声で、さらに心に染み入る歌になりました。
寄席の3大ギタリストは、小せん・扇辰・ペペ桜井だそうで、ギターの手元がアップになり、ホールよりもいいかもという思いが、一層強くなりました。

「里帰り」泉谷しげる(文蔵)
文蔵師生もキャラに似合わず(?)優しい声で歌います。すっかり引き込まれてしまいました。

「I  Love you」チューリップ(扇辰)
扇辰師匠はいつもギターとピアノの二刀流です。いい歌です。

「コーヒールンバ」西田佐知子(小せん)
初めて「三K」を聞きに行った時、小せんさんが歌うこの歌が会場を盛り上げました。翌日もずっと、頭の中でこの曲が鳴り響いていました。

「桜散る」フォークシンガー小象(大場こういち)(文蔵)
この歌は泣かせます。昨夜の落語「子別れ」に続いて今夜も泣きました。

以下アンコール
「野良犬」泉谷しげる (文蔵)
「加茂の流れに」かぐや姫 (扇辰)
「また逢う日まで」尾崎紀世彦 (小せん)

最後は「また逢う日まで」を小せん師匠が熱唱、パソコンの画面に見入りながら泣きました。師匠も泣いているようでした。いつ安心して生で落語が聞ける日が来るのでしょうか? 画面を見つめながら、全国の人達と今、同じ想いで繋がっていると思いました。

終演後、皆さん名残惜しくて、Twitterでつぶやいていました。私もお礼の言葉を書きました。

新しい時代の幕開け、落語の歴史的転換期に立ち会えた喜びに浸っております。平時でもライブと同時に生配信なら、全国のファンと共有でき、たくさんの方が楽しめると思いました。

ちなみに、今回無観客なのに、大入り袋が出たそうです。会場のキャパよりずっとたくさんの方が視聴していたからですね。また、地方の方達からは「絶対に聞けないと思っていたのに、家で聞けて本当にうれしかった」という声が多数あがってました。次なる道筋が少し見えたようで、明るい気持ちになりました。

 

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・気功・テレビ体操・読書・トールペイント・美術館めぐり等。健康は食事からがモットーで「AGEフード・コーディネーター」の資格を取得、老化や病気の原因となるAGEを溜めない食事の仕方や調理の仕方をご紹介します。また、これから落語を楽しみたい方のためにその魅力もご案内します。

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