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- 落語体験記~春風亭小朝・林家たい平二人会~
落語が大好きなさいとうさんの落語体験記。落語を聞いて笑うことが、さいとうさんにとって元気の源なのだそう。今回は、「春風亭小朝・林家たい平二人会」のレポートです。人気実力ともに当代随一の落語家ともいえる小朝師匠をご紹介します。
人気随一の小朝師匠とたい平師匠
2020年1月4日は「小朝・たい平二人会」に行ってきました。この「落語自由自在」に小朝師匠が登場するのは初めてです。人気実力ともに当代随一の落語家ともいえる小朝師匠ですから、もっと早くにご紹介したかったのですが、落語会との日程が合わなくて何度も諦め、その間どうして春風亭小朝さんが出てこないのかと苦情がくるのではと、ヒヤヒヤしておりました。今日は満を持しての登場です。
小朝師匠は1955年生まれ、少年の頃より落語の天才と呼ばれ、中学1年の時「素人寄席」という番組で5週勝ち抜きチャンピオンになり、桂文楽師匠より絶賛されました。また、5代目春風亭柳朝師にも入門当初から落語界のトップになると絶賛さ
高校に通いながら前座修行し、1976年7月二ツ目に昇進、「横丁の若様」と言うキャッチフレーズで注目を集め、NHK新人落語コンクールで最優秀賞を受賞。1980年5月、25才の若さで36人抜きで真打に昇進。その後も数々の賞を獲得、2015年には芸術選奨文部大臣賞を受賞するという華々しい経歴の持ち主であり、現代の落語界を支える中心人物の一人です。
「一豊と千代」春風亭小朝
「昨年、仕事で福岡のホテルに泊まり、テレビを見ていました。夜11時頃、警報が鳴るんです。火事でした。慌ててドアを開けると、皆さん廊下に出ていてびっくり、どうやら11階が火元らしいとわかりました。私は12階にいますので、まず非常口を探しましたが、最近のホテルはおしゃれ過ぎて、分かりませんね。これかな?って見当付けて開けたら、そこは従業員だけが逃げられる道でした。とにかく全速力で逃げ、1階にたどり着きホッとしました。そしたら、やたら怒っている人がいるんです。その方13階に泊まっていらしたそうで、スプリンクラ―を信用するなって言っているんです。消火器があったら自分で消しながら降りたのに、何処にも消火器が無かったって言うんです。どんな方かと思ったら、大学病院のお医者さんで消化器内科だそうです」????拍手と笑いが弾けました。
「田舎の古い建物でどう見てもそんな設備ないだろうという病院で、やたら診療科目の多い所がありますね。内科・小児科・胃腸科・心療内科・外科に脳外科・泌尿器科なんてね。一番下におそらく患者さんでしょう、手描きで書いてありましたよ。大丈夫科って」
相変わらず、毒と笑いと品のある小粋なマクラがテンポよく飛び出します。
「軒並みドラマが不調の中『ドクターX』だけは高視聴率ですね。【わたし失敗しないので】のセリフが聞きたくて、みなさん見るんでしょうね。そう言ってくれるお医者さんに出会いたいですもの」
「医学が進んで、今にスプーン一本で何でもわかる時代が来るそうですよ。スプーンでがんが発見できたり、いろいろな病気がわかるんです。で、どうしょうもなくなったら、さじを投げるんです」大笑いでした。
「一豊と千代」は、山之内一豊夫妻の物語です。いわば金曜ファミリー劇場、滋賀長浜ラブストーリーで、二人の出会いから始まります。舞台は黒壁スクエアの「芋平」のお店の前あたりだそうで、クライマックスでミーシャの歌「逢いたくていま」が流れます。何とも素敵な物語でした。
「二番煎じ」林家たい平
たい平師匠はマクラで、必ずテレビ番組「笑点」の話しをします。
「歌丸師匠が亡くなって、1年半がたちました。早いですね。」に始まって「『笑点』にはどうしたら出られるんですか? とよく質問されます。はい、出たいですと手を上げたら出られるというものではありません。誰かが倒れないと駄目なんです。でも医学が進みましたから、入院しても、前以上に元気になって戻ってくる円楽師のような悪い例もありますから、中々チャンスはありません。ただ、真ん中に座っている三平君だけは違います。芸能界にありがちな忖度が働いて出られたんです。日本テレビ内で会議が開かれて決まった訳ですから、その議事録を出しなさいと僕が言ったら、その日のうちにシュレッダーにかけられました」大爆笑でした。
演目は冬に聞く滑稽噺「二番煎じ」。お酒を煎じ薬だと言って飲み、鍋をつつくシーンも、たい平師匠は実に丁寧に描きます。やはり古典落語を聞くとほっとします。
「二番を煎じておけ」のお馴染のサゲの後「今年はオリンピックイヤーですので、あちこちで花火が上がると思います。ではここでも、打ち上げましょう」と言って、高座をポンポンと叩き、飛び跳ねます。目をつむって聞くと花火に思えるから凄いです。そして師匠がお別れに、高座から手を振ってくれて、幕となりました。
午前11時開演~13時終演という変則的な時間にも関わらず、満席でした。西新井まで出かけた甲斐がありました。
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