落語自由自在(66)

気軽に楽しめる神田連雀亭と産経らくご

公開日:2023.01.21

神田連雀亭は、二つ目の落語家と講談師専用の定席です。地域おこしのために、空フロアを活用したいというビルのオーナーの思いと、二つ目の活躍の場を増やしたいという古今亭志ん輔師匠の思いから誕生しました。

二つ目という立場

江戸の落語には「前座」「二つ目」「真打」という階級があります。

「二つ目」になると、師匠宅の雑用や寄席の裏方仕事からは解放されますが、反面仕事は激減(寄席の二つ目の出番枠は少ない)。自分で仕事を取ってこなければならないので、噺家としては大変な時期です。

そのため神田連雀亭は、二つ目にとって貴重な存在なのです。

一方お客にとっても、ワンコイン寄席(11時半~12時半)木戸銭500円、昼席(13時半~15時)木戸銭1000円ですから、気軽に足を運べます。

神田連雀亭 昼席

「高砂屋」柳家吉緑

「高砂屋」柳家吉緑

2022年9月に開催された北とぴあ若手落語家競演会で、大賞を受賞した今話題の噺家です。

本日の演目「高砂屋」は、私の子供の頃はよく掛けられたものですが、最近あまり聞かないので懐かしく思いました。「高砂屋このうら船に帆をあげて~」このフレーズが耳に残ります。ご隠居さんとのやりとりも楽しく、落語を聴いた満足感でいっぱいになりました。

「おすわどん」立川寸志

「おすわどん」立川寸志

大学卒業後出版社に勤務、立川談四楼師に出会い、中学時代から秘めていた落語への思いが再燃。2011年44歳で入門、2015年二つ目昇進【遅れてきた落語少年】として活躍中です。

怪談話「おすわどん」は、故・桂歌丸師匠の十八番ですが、師匠とは噺の前提が違ったストーリーになっていました。畳み込むような語り口が心地よく、サゲまで実に鮮やかでした。

「ガマの油」三遊亭ぐんま

「ガマの油」三遊亭ぐんま

プロレスラーを目指し、全国大会5位という成績を残すも、身長が伸びずに断念。その後、ロックバンドのボーカルとして12年間全国ツアーで本格活動、それが一転落語家になりました。

白鳥門下ですが古典で勝負、見事な口上に、拍手が湧きおこりました。素晴らしい!

「父とパブロ」神田桜子

「父とパブロ」神田桜子

画家ピカソの生い立ちを語る新作講談です。ピカソの本名は、落語の「寿限無」のように長く、文献を見ても、抜けていたり、順番が入れ替わっていたりで、ピカソ自身も正確には覚えられなかったそうです。勉強になりました。

お得な産経らくご

神田連雀亭は、産経新聞社とコラボした生配信と2週間のアーカイブもあります。

産経らくごの会員になると月額1100円で、12月は「連雀亭オンライン寄席」の他「立川只四楼独演会」「三遊亭兼好けんこう一番」「桂宮治独演会」「大手町落語会」「ルート9最終公演」「立川志らく独演会」「弁財天和泉・落語の仮面第一話」と盛りだくさんでした。

これから落語を趣味にしたいという方におすすめです。

神田連雀亭
産経らくご

■もっと知りたい■

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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