東京から大分まで、免許取り立ての息子とドライブ

私と母へ、息子からのダブル親孝行

公開日:2021.06.25

更新日:2021.06.21

9年前になるかしら、大学生の次男と夏休みを利用して長距離ドライブをしたのは。次男はまだ免許取りたてにも関わらず、夫の大胆な提案で、私の実家大分市まで東京から車で行くことになりました。

長距離運転の冒険

長距離運転の冒険

夫は子供たちに冒険をさせるのが好きでしたが「お母さんを連れて、大分に帰ってこい」の発言にはみんな目が点状態でした。

でも、最初は驚いた大学生になる次男がすぐに喜んで引き受けたのです。親が好きなことは、自然と子どもも興味を持つようになって、いつの間にか自分の趣味になっているのですね。

出発日が近くなってくると、夫の方が段々と緊張気味に……。「運転に慣れていないのに、東京から高速で、しかも長距離。大丈夫だろうか」。

初めての高速長距離運転

初めての高速長距離運転

「高速は初めてなんだよね。ナビもあることだし、何とかなるでしょ」。運転席の息子は得意げな顔で出発しました。慣れていなくてもラインの取り方は自然と身についていて、車線変更もスムーズ。夫の運転に似ていたように思います。

1時間半おきくらいに「今、どこだ」と、かかってくる夫からの電話には心配の色が隠せません。夫も頭の中で一緒に運転をしているかのように通過地点を聞いて、安堵していました。

若い人の漲る体力は凄いですね、あっという間に本州の端まで到着です。関門橋を渡って、後一息でしたが、霧の異常発生で、当日到着の夢は叶いませんでした。

車中泊

身動きがとれないので、駐車をすると後部座席をフラットにして、寝ることにしました。車窓から夜空を見ながら思い出話を始め、いろいろな話題で盛り上がっていましたが、慣れない運転で流石にクタクタだったようで、返事はいつしか寝息に変わっていました。魚釣りのお供で夫と一緒の車中泊もいい思い出ですが、機会の少ない貴重な体験になりました。

予定外の里帰り

両親には必ず電話で到着時間を知らせるのですが、今回は嬉しいサプライズにしたかったので、こっそり実家の駐車スペースに入って……。音は静かでもさすがに車が敷地内に入ると、母親が気づいて、窓越しに呆然と立ちすくんでいました。

「格好いいお兄ちゃんがいると思ったら……!」

次男だということはすぐに分かり、最高の笑顔で迎え入れてくれました。今は社会人の長男が4歳以降は、私一人だけの帰省でしたので、次男は15年以上ぶりです(今回、長男は残念ながら仕事でした)。ずっと手紙とともに入れた家族の写真で、子供たちの成長を喜んでくれていました。

実際に孫と直接話をしているときの母親の姿が何とも幸せそうで、今でも目に焼き付いています。

ドライブがてら母の実家へ

せっかく車があるので、みんなで湯平(大分県)に出かけることになりました。

私の中の映像は40年以上前のままです。その頃の記憶を頼りに出発したものの、月日の経過は新しい街への目まぐるしい変化で、ナビに住所を入れても到着まで苦労しました。兄夫婦との再会と念願のお墓詣りで、母はようやく肩の荷を下ろせたようです。

親孝行を兼ねた今回の大冒険は大成功で、強烈な思い出の1ページとなりました。

 

■もっと知りたい■

蒲池 香寿代

大分県生まれ。小学校の時に恩師の先生との日記を機に何かしら記録することが習慣になっていました。結婚後は家計簿日記と運動不足解消の体操が日課になっています。元気なうちに念願のキャンピングカーで日本全国を横断するのが夢です。

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