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86歳の義父が自宅の駐車場で転倒しました。80代の転倒は笑い事では済まされない、という現実を目の当たりにしたとき、家族の意識が変わり始めています。
![80代親のけが、60代から始まる介護生活](https://halmek.co.jp/media/article/image/3868cb69ad4ed5024cadc19f0bf2ec58.jpg)
自力で動けることは86歳の生きがい
100年ほど続いた老舗旅館三代目の義父86歳。物を捨てられず、右から左へ、左から右へと移動するのが日課です。
「いつか役に立つかもしれないから捨てない」と、穴の開いたバスタブや羽の落ちた釜、折れた床柱、昭和の書類など、私たちが見たらゴミ。
それらを数か月かけて東側の倉庫へ移動したと思えば、今度は小屋を2棟建てその中へ移動。空いた倉庫にドアの壊れたロッカーや動かないリヤカーを。その半年後にはまた大きな倉庫を買って西側へ設置。中国で買ってきた絵画や掛け軸、置物を収納。
毎日何かをあちらこちらへ移動し続ける義父がいました。
本人が思うより衰えてきた体
2024年4月のこと。「靴の脱ぎ履きが億劫」とサンダルでいつのも作業を始めた義父。
家族から「足元が危ない」と忠告されても何食わぬ顔で「はい、はい」と生返事ですが、誰がどう見ても歩行の足は上がっておらず、ずり足です。
そして案の定、転倒しました。個人の敷地内だけれど、次々設置した倉庫などの陰で自宅からは死角。スマートフォンを持っていたけれど、電話のかけ方を知らない義父、両手足が動かずに自力で立ち上がることができず絶体絶命です。
助けの来ないまま小一時間(本人の証言)、訪ねてきた義弟に発見され救急車で病院に行くことができました。
60歳からの介護生活
右手と右の額に擦り傷程度の傷、そして首に受けた衝撃で両手足のしびれが出ていました。レントゲン、CT、MRI検査の結果しびれの原因は、細くなった頚椎に転倒の衝撃を受けた影響とわかりました。
主治医からは広げる手術をすすめられたものの、本人が手術を拒絶したため、それならばリハビリセンターでの運動をするようにと。
夫は初めて親に介護が必要だと痛感して介護認定の申請し、ケアマネージャーさんに教わりながら介護サービスの利用をスタートさせました。
夫60歳、私58歳。私たちだって若くはありません。
「がんばりすぎず」を口癖にして、介護生活は始まったばかりです。
■もっと知りたい■
![](https://halmek.co.jp/media/account/15f9e321e0cf17207dddce70898d8266.jpg)
晴間千妣絽
はるまちひろ。老舗旅館を閉館して2023年より電子小説「大人だって友だちが欲しい」を配信中。女性の人生の悲喜交々を小説に綴り暮らしています。ハルトモ倶楽部を通して、日常のあれこれを楽しくほっこりとお伝えできればいいなと思っています。ブログ『普通の主婦のこだわり日記』『私の見ている世界』
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