「33年、5度のがん闘病で得た気付き」加藤玲子さん
2024.01.232024年03月24日
愛犬の余命宣告、その時どうする
ペットの幸せはどこにあるかを考えてみる
この記事を出すことをとても迷いました。本当は老犬介護という優しい記事を書くつもりが、そうではない悲しい結末になってしまったから。
細胞は悪性腫瘍、ガンでした
我が家の愛犬シェリー、切除した左肺腫瘍の細胞検査の結果が出ました。結果は肉腫、悪性の腫瘍、ガンでした。
10日間の入院を経て、退院後の1週間は毎日通院、感染症や転移など体の異変に備えました。幸い術後の回復も早く、感染症も転移もなく3週間が過ぎていきました。
今回すべて摘出できたと判断されていますが、体内のどこかに潜んでいて、いずれ顔を出すかもしれませんでした。
新たなガンが見つかった
2024年1月23日夜、シェリーが突然ご飯を食べなくなりました。前日まで猛スピードの回復力を見せていてご機嫌だったのに。
翌日朝一番で病院へ行き検査をすると、腹部に複数の腫瘍が4cmほど重なるようにできていて、さらに腎臓にも小さな腫瘍が。
担当医から「今あるものを切除すればまた一時的に元気になりますが、そのあとまたさらに……という可能性が高いです」と。
これ以上シェリーの体を切ることも長期入院させることも嫌でした。
先生のすすめもあって、投薬による緩和ケアを選択。あと1か月持つかどうか。
少しでも長く生きることを願い、私たち家族は助け合い支え合いながら、全身をガンに蝕まれている老犬介護を続けると決意しました。
二つの予想外
週に2度、点滴と注射のために病院へ通い6週間が過ぎ、いびつな形状で成長を続けている腫瘍はほぼお腹全体にまで拡大。シェリーの体はすでに骨と皮と腫瘍だけ。
先生に再度余命を尋ねると「わからない」と。
「今の状況自体、僕ら医師の見立てを完全に越えています。予想を超えてシェリーちゃんががんばってくれているんです。実際、僕らは1か月を生きられないと思っていましたから。それに、腫瘍がこんなに大きくなって痛いはずなのに、穏やかで安心しきった優しい顔をしてるんです」
2024年3月9日午前1時、2分前まで懸命に尻尾を振って全身で喜びを伝えていた愛犬シェリー、家族全員に囲まれ、静かに穏やかに眠るように息を引き取りました。
14年かけて、小さな体でたくさんの愛と幸せを私たちに届けてくれて、ただただありがとう。
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