もはや他人事ではない!介護破産を予防する3つの心得
2024.10.012023年05月16日
「介護保険の申請は?」と聞かれたけれど
いつかは…と思っていた日は、突然やってくる(1)
私は母と二人暮らしです。母は86歳。私よりはるかに外向的な人で、地域の活動やボランティアなどを長年行い、叙勲を受けるほどの活躍ぶりでした。幸いなことに、認知機能の低下も見られません。
私は母と二人暮らしです
コロナ禍で多くの人がそうであったように、明るく外に出ることが大好きだった母も、家の中から出られず、友達とも会えない生活を強いられてしまいました。
一日中ソファーに座ったままの生活では足腰が衰えるので、家の中でも歩いたり、体操をしたりするようにと伝えていましたが……。
それまで人に囲まれて生活していた人が、狭い家の中を運動のために一人で歩くなどできるはずもなく。案の定、近所に買い物に出かけて転んで肋骨にひびが入り、それからは外では杖を使う生活となってしまいました。
玄関を開けたらそこに母が倒れていた
外に出るときは杖を必要としていましたが、家の中では自力で階段昇降もできましたし、身の回りのことは自分でほぼ全て行えていました。
そんな母が、先日私が友人たちとのランチを楽しんで家に戻ってみると、薄暗い部屋の入り口で電気もつけずに倒れていました。
どうしたのかと尋ねると、トイレから出て転んでしまい、そこから2時間近く動けずにいたとのこと。
電話も手元になく、どうすることもできないまま私の帰りを待っている時間は、不安で長く感じられたはずです。近所の目を気にする母が救急車を呼んで欲しいというくらいなので、よほどつらかったのだと思います。
救急車でかかりつけの大学病院に搬送され、検査の結果は大腿骨転子部骨折。手術が必要となり、即刻入院となりました。
手術も無事に終わり、整形外科の先生のお話では、手術翌日には離床し、さらにその翌日から歩行訓練を開始。2週間程度でリハビリを行える病院へ転院するのが、典型的なスケジュールだということでした。
リハビリをちゃんと行えば、歩けなくなることはないだろうという前向きな言葉に安堵しつつも
「すぐにリハビリを開始しないと、寝たきりになってしまいますからね」
という言葉に、「今どきの病院は、高齢の患者であっても結構厳しいんだなぁ……」そう思いながらも、寝たきりになられては私も困りますので、
「翌日からの離床訓練をよろしくお願いします」
と伝えて病院を後にしました。
医療連携室からの電話
リハビリさえしっかり行えば、不自由は残りながらも歩けるようにはなるという言葉に安心しつつ。でも、母が家に戻ってきたら、今までと同じような生活動線というわけにはいかないだろうから、不要なもの、歩くのに邪魔になるようなものは処分しておこう。
断捨離を快く思っていなかった母ですが、こうなったら有無を言わせずに処分、処分。母がいないのをよいことに、毎日家の中の片付けを行っていました。
そんなとき、病院の医療連携室から電話がありました。
医療連携室は、ソーシャルワーカーが退院後の患者の生活のサポートをする部署ということですが、母の場合は、医療連携室の方が転院先を探してくださるということです。
そこで言われたのが「介護保険の申請はされてますか?」
そう聞かれて、私は即答できなかったのです。
(つづく)
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