認知症初心者の父を見て、介護初心者の私が思ったこと
2023.09.292024年03月03日
父の認知症
【高齢親の認知症】父が訪問リハビリを続ける理由
父の認知症が分かって半年強。現在の症状は、行ったり来たりを繰り返しています。週1回のデイサービス、週1回の訪問リハビリを受ける以外は一日テレビを見ながら過ごしています。先日腰を痛めてしまい、室内でも杖をつく生活が始まりました。
ケアマネさんには「リハビリがんばっています」
月に数回、私は実家へ様子を見に行っています。
先日はケアマネージャーさんが来る日と重なりました。15時ごろケアマネさん到着。
ケアマネさん:「調子はどうですか?」
父:「あぁ、特に変わりはないです」
ケ:「リハビリをやっているんですよね、どうですか?」
父:「はぁ、先生が来てくれてね、なんとかやってますわ」
母はケアマネさんに「訪問リハビリの先生にはようやく心を開いてきて、先生が帰った後も復習がてら体を動かしています!」とうれしそうに報告。
話は1時間ほど続き、帰っていかれました。
あんなの、効くわけあらへん
その後、父と私はちょっと話をしました。
私:「おじいちゃん、リハビリがんばってるんだね、楽しい?」
父:「そんなことあるわけないやん。あんなことしてもどっこもよくならんわ」
えっ、意外な返答。
ケアマネさんには好意的に話していたのに、本当はそうでもないんだ。
私:「そうなんだ、やっぱり大変?」
父:「あんなん効くわけあらへんと思うが、ママが一生懸命手配してくれるさかい、しょうがないなぁと思ってやってる」
意外な返答と、その力強さに驚きました。
そしてまた、父は父なりに母に気を使っていることを知り、とても驚きました。
父の本当の気持ち
ところで父は、認知症になる前から気難しくて、ふとした拍子に急に怒りだしたりする人でした。
何を考えているのかわからない、いつ機嫌が悪くなるかわからない。
だから私は幼いころから常に距離を置いてきました。
それが。
認知症になった父は、今回のように自分の思いをうっかり(!)口にするようになりました。
そして私は父の正直な気持ちに触れるたび、これまで父もいろいろと我慢したり気を使ったりしてきたんだなと、父に対する印象が変わってきました。
本当の父を分かっていなかったし、分かろうともしなかったな。
父の素直な気持ちを聞けるようになったことは、認知症になったことで生まれた数少ない収穫? かもしれません。
いつまで聞けるかわからないけれど、いつか聞けなくなる日は必ずやってくる。
それまではできる限り対話を続けたいな、そう感じています。
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