誰にでも起こりうる一人暮らし女性の救急体験記 #3
退院翌日の激痛再発|“群発頭痛”の絶望と不安、そして救急外来の現実
退院翌日の激痛再発|“群発頭痛”の絶望と不安、そして救急外来の現実
更新日:2025年08月24日
公開日:2025年08月09日
退院したばかりの夜、再び激痛…治ってないの?
退院して自宅のベッドに戻り、「これでもう大丈夫」とほっとした、その夜のこと。安堵したのも束の間、あの首筋から後頭部を中心に激しい痛みがまた襲ってきたのです。
「まさか、また……」と絶望しながら、ただ眠れず耐えるだけの夜。
救急車を呼ぶ勇気もなく、痛みに震えながら朝になるのをひたすら待ち続けました。
明け方、体力も気力もほとんど残っていない中、タクシーで再び病院へ。搬送先の病院は遠いため、タクシー代は片道5000円、往復で1万円。手痛い出費です。
土曜の休日外来は混雑していて、思った以上に待ち時間が長く、フラフラの体で申込用紙を書かされるのもしんどく、心細さが募るばかりでした。
休日外来、そして「群発頭痛」という新たな病名
やっと診察室に呼ばれると、担当は内科の若い医師。「今日は主治医はいないんです」と告げられましたが、痛みの訴えに即座にCTスキャンの検査。結果、大きな異常は見つからず、とりあえず鎮痛剤の点滴を受けました。
そして「繰り返す激しい頭痛は “群発頭痛”の可能性があります。でも大半は2~3か月で落ち着きますよ」とのこと。これをまた繰り返す?3か月……?絶望で言葉を失います。詳しい診断は主治医でないとできないので、週明けの脳神経外来を必ず受診するように言われました。
ようやく点滴を終え、会計に進むと「本日1万5000円です」と告げられて愕然としました。
検査や治療代に、休日診療加算や初診時の“選定療養費”(紹介状なしで200床以上の病院を初診で受診する場合にかかるそうです)が上乗せされていたようです。昨日は入院費8万円。わずか2日で10万近いこの出費……。救急外来や休日外来は、医療費が通常の倍以上かかるという現実に頭がクラクラします。
「症状があれば遠慮なく救急車を呼んでくださいね。命あってこそですよ」と若い医師に背中を押されましたが――正直、この痛みと医療費を何度も味わう自信はありません。
孤独と不安の週末――51歳は頼れない、甘えられない
電車に乗って帰る体力気力は残っておらず、タクシーで自宅に戻り、そのままベッドへ。発作への恐怖から、お風呂にも入れず、簡易的に体を拭くだけにしました。
うとうとしていると両親や妹からLINEや電話で生存確認の連絡が届きました。どんなに眠くても、これ以上心配をかけたくないため即対応。力を振り絞って明るく振る舞ってしまいます。
一方、友人からのLINEは、「みんな体調を崩す年だよね」「必要なものがあったら持ってくよ~」と温かな言葉が。ですが、ありがたい反面、体調が悪すぎると人に会うのは負担の方が大きく、LINEで何気ない話をしたりするくらいがちょうどいいと感じてしまいました。
51歳、長年、人に頼る癖がついていないとこうなるのでしょうか……。
食欲はまったくなく、薬を飲むためだけに食べる程度。妹が買い置きしてくれていたバナナを、ほぼ義務的に食べてやり過ごしていました。
スマホ検索魔に……「偏頭痛」という病気の種類と特徴

痛みの正体と解決法が知りたくて、ベッドの中でスマホ検索を繰り返します。でも調べれば調べるほど、「頭痛」で苦しむ人は多く、しかも原因や経過も人それぞれ。際限なく不安になっていきました。
頭痛にはさまざまな種類があり、原因や症状も異なるようです。
◆ 偏頭痛とは?
女性に多く、20〜40代、ストレスやホルモンバランスの変化でも発症しやすい。脳の血管の拡張が原因となる。頭の片側もしくは両側のこめかみ付近がズキズキ痛む。
◆ 群発頭痛とは?
目の奥がえぐられるような、じっとしていられないほどの激しい痛みが続く時期が、年に1〜2回ほどみられる。
◆ 緊張型頭痛とは?
頭や首の筋肉が緊張、収縮することによって引き起こされる頭痛。後頭部〜首筋を中心として頭全体が締め付けられるような痛み方。めまい、立ちくらみが起こることもある
参照
https://halmek.co.jp/beauty/c/healthr/7497
「スマホやパソコンの見過ぎ」も誘因になるらしく、自分の仕事、生活環境がまさに当てはまる……。わかったからこそ、先の見えない不安が押し寄せてきます。
それでも仕事も生活も休めない――一人暮らしの現実
通院と不安の週末を過ごし、月曜の朝。会社のメールには仕事の連絡が山ほど入っていました。
独身一人暮らし、働かない選択肢は現実的ではありません。でもまた発作が起きたら……。パソコンを酷使する上、仕事の遅れを取り戻そうとすれば普段以上の激務になるのは想像できます。そんな働き方に戻って大丈夫だろうか。一方で、何かあるたびに積み重なっていく医療費も心配です。
思い切って上司に事情を話すと、「もう少し休んでいい、無理しないで」という温かな言葉。いつもなら「もう大丈夫です!」と即復帰するところですが、今回ばかりは有休を使って休養をとることにしました。
冷蔵庫には妹が事前に用意してくれていた食材があり、水や日用品などはネットスーパーを利用。寒さが厳しい時期だったこともあり、極力外出を控え、家で安静に過ごしながら、「このまま働けなくなったらどうしよう……」と一人不安を募らせていました。
やっぱり“主治医”の存在が支えになる
月曜になり、午前中の一般外来で、やっと主治医と対面。退院後の再発や薬が効かない現状を伝えると、「群発頭痛や緊張型頭痛の可能性もあるけど、無理せず、しばらく休養を。検査や診察をしながら、原因と合う薬を探りましょう。ただし、発作が起きたら遠慮なくすぐに病院に来てください」と言われました。
そして、何度も「前回はくも膜下出血ではなかったけれど、今後もそうとは限りません。不安があったらためらわず受診してください」と念押しされました。
治療法はというと、症状に合わせて新たにロキソプロフェン系の鎮痛薬と吐き気止め、胃腸薬、漢方薬が処方され、指示に従って服用するように指示が出されました。
主治医が穏やかに経過を診てくれる――それだけでも少し心が落ち着きました。医師と「一緒に闘う」感覚を、初めて実感しました。
【情報】救急外来・休日外来・一般外来はどう使い分ける?費用は?
まずは症状をチェック
命の危険・意識障害・呼吸困難・けいれん・急な激痛など
➡ 症状が重篤な場合は、ためらわず救急車を
休日・夜間で普段かかる診療所がやっていない/症状がつらい
➡ 休日外来・夜間外来を利用
軽い症状で日中の受診で間に合う
➡ 平日の日中の一般外来へ
受診すべきか迷う場合は、#7119(救急安心センター)などの電話窓口を活用。
地域の医療相談窓口や各自治体の案内も参考になります
受診前に確認・準備しておくこと
- 受診先の公式サイトで診療時間や加算・選定療養費を確認
- 健康保険証、診察券、お薬手帳など持参
- 持ち物や待ち時間、受付方法も事前に確認
医療費の負担について
「救急」や「休日」外来は、「選定療養費」(大病院の紹介状なし初診時):7000~8000円前後(例:初診7700円/再診3300円)などが加算され、通常の2~3倍の費用になることも。
受診時の加算・費用は病院ごとに異なるので公式サイトで事前にチェックしましょう。
高額療養費制度の活用
医療費が高額になった場合、「高額療養費制度」で自己負担額の上限を超えた分が戻ってくる場合があります。
詳しくはこちら>>
※本記事はあくまで個人の体験談であり、全ての人に当てはまるものではありません。症状や状況に応じて、適切な医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。医療費は症状や治療内容によって異なります。
次回予告>>
あの激痛が再び!?新しい薬を頼みに、久しぶりのシャワー……しかし、さらなる異変が! 続く「回復と不安のはざま」、一人暮らしの“備え”と“自分を守る判断力”をお伝えします。
誰にでも起こりうる一人暮らし女性の救急体験記(全4話)




