誰にでも起こりうる一人暮らし女性の救急体験記 #4
更年期の偏頭痛…揺れる診断と薬、私を支えたセルフケア&メンタル対策
更年期の偏頭痛…揺れる診断と薬、私を支えたセルフケア&メンタル対策
更新日:2025年08月31日
公開日:2025年08月09日
5日ぶりのシャワーで襲った激痛――「またこの痛み…」
退院してから5日目。髪がべたつき気持ち悪さが増していました。もう我慢できず、「何かあっても、まだ病院も開いている時間だし」と思い切ってシャワーを浴びることに。
久々のお湯は心地よいはずが……、頭にシャワーを当てた瞬間、「ズキン!」あの激しい痛みが首元から後頭部へ走ったのです。
一瞬何が起こったかわからず、慌てて浴室から飛び出し、バスローブに身を包んでその場にうずくまります。「気のせいだ」と自分に言い聞かせようとしても、そのズキンズキンという脈打つような痛みはどんどん強まってきました。
涙が出てきますが、急ぎ、新たに処方されたロキソプロフェン系の薬を急ぎ飲み込みました。そして、元看護士の母親が教えてくれた冷やす方法を思い出し、濡れタオルを冷凍庫で冷やして首筋へ当て、「早く痛みが治まりますように」と祈りました。
激痛を耐える日々――生きる気力が奪われていく
血管がビクンビクン脈打つ感覚とともに襲う激しい疼痛は、生きる意欲を奪っていきます。「こんな苦しいのが続くんだったら、死んだほうがまし」と弱音も漏れそうになります。
それでも吐き気を必死で抑えながら、小一時間ほど経過すると わずかに痛みが和らいだ気が……。「薬のおかげかもしれない」と希望が芽生えました。
強い痛みに耐え続け、3時間ほど経った頃には窓の外はもう日が傾いていました。疲れ果てたのか、いつしか眠りについていたようです。目覚めたのは翌朝。前日のような強烈な痛みは引いていて、ホッと胸を撫で下ろしました。
またもスマホ検索魔になる――これは別症状?
目覚めると、昨日の恐怖を思い出し「シャワーが原因なの?なんで?もう二度とこんな思いも痛みも繰り返したくない」と、スマホ片手に検索がやめられません。
すると「シャワーによって誘発される激しい頭痛」という情報から見つけた「可逆性血管攣縮症候群」という病名に目が止まりました。この病気は血管収縮異常によって、強烈な疼痛などが起こる偏頭痛の一種で、シャワーなどの温度刺激など外部要因でも誘因され得るとのこと。
参照元:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/35/4/35_416/_pdf
さらに群発頭痛について改めて調べ直します。
典型的には「目の奥」を刺すような鋭利な非拍動性疼痛が特徴とされますが、一方私の場合、
- 痛む場所:首元~後頭部中心
- 症状:群発特有と言われる流涙・鼻づまりなどの自律神経症状はなし
- 発作頻度:夜間多かったものの日中シャワー時にも起こった
- セルフ診断:偏頭痛チェック項目(姿勢変化による悪化等)とは合致せず
と、それ以外のさまざまな病気の特徴が複合的に混ざっているようです。
だから主治医もすぐに判断をせず、診察や検査を細かく続けていたのかもしれません。
段階的な薬物療法に…トリプタン系鎮痛剤を追加したら
シャワー中の発作後の診察では、再発の怖さや薬の効き具合への不満、「夜の発作が怖くて眠れない」といった不安を必死に訴えました。
医師からは「発作自体の治療だけでなく、不安や眠れなさにもアプローチしてみては」と提案され、心療内科で睡眠薬の処方を受ける選択肢も提示されました。私は、薬の量をこれ以上増やしたくなくて断りましたが、つらい人は緊急時に頼るのも手だと思います。
頭痛の治療には、従来の薬ではコントロールしきれないことから、段階的な治療の一環として新たにトリプタン系の鎮痛剤を処方されました。この薬は痛みの原因になる血管収縮に作用するもの。副作用が強いため、月10錠以上服用しないよう、説明を受けました。
こんな強い薬を飲まなくちゃいけないのか……期待と同時に不安も募ります。
ところが、次の発作が起きたとき、指示通りこの薬を服用すると1時間ほどで痛みがかなり和らいだように感じました。痛みを感じたらすぐに服用、と言われていて、躊躇なく服用したのがよかったのか、これまで以上の効果に驚き、安堵しました。
さらに念のためCT検査も受けましたが、可逆性脳血管攣縮症候群に特徴的な危険サインや重篤な異常は見られませんでした。
「この薬があれば、発作が起きても、自分で対処ができる」
発作への恐怖はまだあるものの、早めの服用で症状がコントロールしやすくなったことに心底ほっとしました。
今後も、引き続きトリプタン系の鎮痛剤などの薬物治療で対応していくことになりました。
知識と判断は別!受診のコツと医師のアドバイス
振り返ると、ネットや本で大量の情報を調べては新たな不安を抱え、主治医には診察のたびに「これは?あれは?」と知識魔のように質問ばかりしていました。
そんな私に主治医は、不安を抱えて我慢するよりどんどん質問してもらった方がいい、と前置きした上でこうアドバイスをしてくれました。
「患者さんがまずすべきは、自分の症状をきちんと伝えること。そして指示通りにまずは服薬すること。その上で、治療や診断の判断は医師に委ねてください。ネットの情報は不安を煽ることもあるので、自己判断で薬や治療を変えないように」
一方で、ネット検索の中でも支えになったのは、同じ症状で悩む方々の体験談です。つらそうな投稿に気持ちが沈むこともありましたが、「こんなふうに医師に相談した」「こんなケースもあるんだ」といった質問の仕方や、民間療法、医療費や制度の活用法などのリアルな情報にとても助けられました。
同じような苦しみを抱えているのは自分一人じゃない――そう思えることも、心の支えでした。
完治ではなく「上手な付き合い方」を目指して
トリプタン系鎮痛薬というお守りのような薬に出合えたおかげで、安心してシャンプーができるようになったのは、救急搬送されてから15日後のことでした。
そして徐々に職場にも復帰。時短勤務から無理なくリスタートさせてもらえたことは、職場の理解と協力に感謝しかありません。
主治医によると、「一次性の頭痛疾患の多くは今のところ完治は簡単ではないが、適切な薬物療法と日々の工夫でQOL(生活の質)は十分維持できる」とのこと。CT検査でも問題なく、今は通院頻度を少しずつ減らして、投薬も減らしています。
更年期以降は、今回のような手術や治療ですぐに完治できない不調や症状に悩まされることが多くなるもの。
主治医からの「上手な付き合い方を探っていきましょう」は、一人暮らしで孤独と不安を抱えやすい私にとって永遠のテーマかもしれません。
【情報】原因不明、完治しない病気と上手に向き合う3つの工夫
1.安心できる予防・備えを習慣に
頭痛対策のストレッチや体操を、スマホのアラームをかけて習慣化しています。また、薬はいざという時にすぐ飲めるようピルケースや小袋にセットしてベッド脇やお風呂、財布の中などに設置。備えておくと気持ちの余裕につながります。
2. WEB情報は「適切に」活用する
同じ症状の体験談から相談のコツや医療費の工夫など参考になるポイントを見つけつつ、自己判断や薬の調整はせず、気になる点は必ず医師に相談を。
3.体の不調だけでなく「心のケア」も大切に
症状がつらい場合は、医師に相談し、必要に応じて専門家のサポートを受けることも検討しましょう。私はMRI検査がトラウマで閉所恐怖症になり、日常生活に支障が出始めたため、抗不安薬の使用を検討しています。
自分ひとりじゃない。つらい時は適切に“相談”する勇気が、明日を変える一歩です。
※本記事はあくまで個人の体験談であり、すべての人に当てはまるものではありません。症状や治療は個人差があるため、自己判断せず必ず医師に相談してください。
誰にでも起こりうる一人暮らし女性の救急体験記(全4話)




