りさねーぜ流!50代からの不安を楽しむ暮らし方3

「老後の孤独・不安」を軽くする、50代からの「気楽な居場所」の見つけ方

「老後の孤独・不安」を軽くする、50代からの「気楽な居場所」の見つけ方

更新日:2025年07月05日

公開日:2025年06月10日

「老後の孤独・不安」を軽くする、50代からの「気楽な居場所」の見つけ方

将来のことを考えるたびに「ひとりは寂しくてつらい」「老後が不安でたまらない」とモヤモヤしてしまう人へ。本記事ではりさねーぜさんの著書『57歳、いきいきハッピーおひとりさま暮らし』より一部抜粋して、50代からの孤独の楽しみ方をお届けします。

50代からの不安を楽しむ「暮らしのコツ」を紹介する連載。第1回の記事では「若さへの執着の捨て方と、今の自分に似合う服を見つけるコツ」、第2回の記事では、「グレイヘア」の始め方と、「無理をしない年相応の美しさへの気付き」についてお話ししてきました。

今回は、老後の不安をかきたてる「孤独や寂しさ」との向き合い方を紐解いていきます。

教えてくれた人:りさねーぜ(酒井りさこ)さん

北海道札幌市の一戸建てで、愛猫2匹、愛犬1匹とともに生活する独身50代。22歳から勤めた会社を56 歳で早期退職し、新たな働き方で生きていくことを決意。インスタグラム総フォロワー数10万人の経験を生かし、フリーランスとしてSNSビジネスのサポートなどに取り組む。Instagram アカウントは暮らし(@risa_hitorinokodate)、働き方・稼ぎ方(@ risa_consul)、おしゃれ(@risa_neze)の3つ。

「ひとり時間」の過ごし方を知っていれば怖くない

「ひとり時間」の過ごし方を知っていれば怖くない
mits / PIXTA

私にだって、老後に対する不安はあります。けど、怯えてはいません。何が起こるかはわかりませんが、起きてもいないことに怯えていても仕方がありませんから。

女性のほうが平均寿命が長いので、現在パートナーがいる人でも将来的にひとりになる可能性はあります。それが孤独かどうかは、その人の感じ方次第で、「ひとり時間の過ごし方を知っていれば、何も怖いことはないんです。

ただ「孤立」は怖い。

人間って、コミュニケーションをとらないと、どんどん脳が萎縮するみたいで。キレる老人は、それが原因の一つだと聞いたことがあります。自分の行動が制御できないなんて、とても怖い。だから、老後に孤立することは避けたいと思っています。

SNSや習い事で「ゆるく」外とつながってみる

SNSや習い事で「ゆるく」外とつながってみる
山辺 学(calmphoto)

でも、そのためにはどうしたらいいか......。友達をたくさんつくる? ご近所さんと仲良くする? 

正直どちらもおすすめしません。だって50歳から友達をたくさんつくるって、しんどくないですか? 私は、SNSを利用して同じ趣味や嗜好の人たちとコミュニケーションをとれる場をつくっています。適度な距離感こそ、心地よい関係です。

SNSを見ているだけの人も、自分の考えや好きなことを発信すると、共感してくれる人と交流ができて世界が広がります。

SNS発信を怖がる人もいますが、そんなに怖いことはありませんし、扱いに慣れておくと情報を得る力も身につくので、一石二鳥です。

推し活でつながったコミュニティが居場所に

推し活でつながったコミュニティが居場所に
こけ田 / PIXTA

どうしてもインターネットでの交流が怖いという人は、スポーツクラブや習い事、趣味などの、コミュニティに属するのもいいですね。

例えば私は、SMAPが好きなんです(解散してしまいましたが……)。森(且行)くんがいた頃からのファンで、30代半ばからは、全国のコンサートにも行っていました。会社でもプライベートでもつらいことがあり、どこにも居場所がないと感じていたあの頃、「推し活」が唯一リラックスできるところでした。

ちょうどインターネットが普及し始めたころで、ファンサイトや掲示板で熱い思いを語り合ったり、遠征(住んでいる地域以外のコンサートへ行くこと)先のグルメ情報を収集したり、そんな時間がとても楽しかった記憶があります。

ミクシィなどのSNSも登場し始め、そこでつながった推し活仲間と、各地のコンサートのあとに打ち上げ(飲み会)なんかもしていましたね。

その人たちの本名すら知らないこともあるわけですが、好きなものが同じというだけで、こんなにも楽しく盛り上がれるんだということを知りました。

人付き合いの「気楽な距離感」を知っておく

人付き合いの「気楽な距離感」を知っておく
buritora / PIXTA

推し活で得たことは、もう一つあります。それは、ひとり旅がしやすくなったということ。

海外でも国内でも、ひとりで旅行することに抵抗はないのですが、私の場合、観光地を巡ることにそれほど興味がないので、時間を持て余してしまう。だから、行った先に何か目的やイベントが欲しいんですよね。

そんな私にとって、「推し活遠征」というのは、まさにうってつけだったわけです。コンサート遠征もよく行っていましたが、プロ野球や相撲も好きで、それらの観戦のためにも遠征していました。

ひとり遠征旅は、他にもいいところがあって、コンサートではそのときだけの仲間ができます。隣の席の2人組と仲良くなって、開演前や終演後の規制退場の待ち時間におしゃべりをしたり。このぐらいの関係が、私にとっては気楽でちょうどいいんです。

人付き合いの「気楽な距離感」を知っておく
左は愛すべきSMAPの軌跡、上は応援してやまない巨人グッズ。推し活にまつわるものは大事に保管しています/山辺 学(calmphoto)

もし、ひとり旅はしてみたいけど、なかなか勇気が出ないなら、推し活のひとり遠征は本当におすすめ。

観光地をひとりでぶらぶらするのは手持ち無沙汰でも、コンサートやスポーツ観戦はステージに集中できるので、ひとりでも時間を持て余すことが少ないですよ。

私の場合は、SNSで好きなことを発信し、「好き」が同じ人とつながったことで、自分の居場所をつくれることを知りました。

そういった場所をつくることで、ひとりの時間をさらに楽しめるようになった気がします。

誕生日やクリスマスに予定がないのは「寂しい人」じゃない

誕生日やクリスマスに予定がないのは「寂しい人」じゃない
kuro3 / PIXTA

誕生日とクリスマスをひとりで過ごすのが、昔はとてもイヤでした。

それは寂しいからじゃなくて「寂しいと思われる」のがイヤだったから。私も30代までは、クリスマスに何も予定のない人は「かわいそうな寂しい人」って思っていました。

でも、今となっては浅はかだったと反省しています......。他人からどう見られるか気にならなくなってから、誕生日も、クリスマスも、なんなら歓送迎会やプレゼントの慣習も、「みんながやるから」とか「今までそうしてきたから」という理由で行うことに、疑問を感じるようになったんです。

やめてみると意外と、そんなに困ることはなかったんですよね。いや、私が気が付いていないだけで、陰ではいろいろ言われていたかもしれません(笑)

ただ、言われていたとしても、私の生活には何の支障もありません。支障がないどころか、くだらない周囲の意見が気にならなくなり、自由に生きられるようになりました。

大晦日や元旦だって「いつもの日常」

大晦日や元旦だって「いつもの日常」
玄武 / PIXTA

大晦日や元日といった、世間が楽しそうに賑わっている時期でも、特別なことをしていてうらやましいとも、ひとりの自分がかわいそうとも思わなくなりました。

いつもの日常をいつも通りに過ごせる。これって、ものすごく幸せなことだと思うんですよね。

ちなみに2024年のクリスマスは、大きな病院でMRI検査を受けたのですが(すでに治っている病気です)、帰りにお気に入りの和菓子屋さんで大好きな大福を買い、夕食後にデザートとしておいしくいただきました。

穏やかで平和な、ひとりのクリスマスでした。

このエピソードを読んで「年齢を重ねるのが怖い」「ひとりが寂しい」「老後の暮らしが不安」という気持ちが、少しでも和らいだらうれしいです。

※本記事は『57歳、いきいきハッピーおひとりさま暮らし』(KADOKAWA刊)より一部抜粋して構成しています。


もっと詳しく知りたい人は酒井さんの書籍をチェック!

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『57歳、いきいきハッピーおひとりさま暮らし』(KADOKAWA刊)

いきいきハッピーなミドルシニアを過ごすための、「りさねーぜ流・おひとりさま暮らし」メソッドを詰め込んだ一冊。「究極にストレスフリーな自分」を手に入れるまでの、りさねーぜさんの半生も必見です。

 

HALMEK up編集部
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