貯まる人になるための「大人のマネー学」#19

「お得」「便利」につられない!キャッシュレス決済を上手に使いこなすコツ3つ

「お得」「便利」につられない!キャッシュレス決済を上手に使いこなすコツ3つ

公開日:2025年10月10日

巷にあふれるキャッシュレス決済方法。「お得」や「便利」につられて安易に取り入れていると、思わぬムダ使いにつながるようで…。そこで、キャッシュレス決済の上手な活用法について、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに詳しく教えてもらいます。

たくさんあるキャッシュレス決済に振り回されている人が急増中

たくさんあるキャッシュレス決済に振り回されている人が急増中
C-geo / PIXTA

国が推進するキャッシュレス決済が広く普及したことにより、クレジットカード(クレカ)以外に、ペイペイといったコード決済、交通系ICカード、デビットカードなど、支払い方法が多岐にわたるようになりました。

現金を使わない分、便利なのですが、実は「キャッシュレス決済に振り回され族」が急増中。

「振り回され族」とは、次のような人です。

  • ポイントを貯めるための、決済手段がいくつもある
  • 割引やポイント狙いで、会員向けクレカを作り、いろんなカードでお財布がパンパン
  • 複数枚のクレカの年会費を合計すると1万円を超える
  • 少額な支払いをコード決済にすると、いくら使ったのかわからなくなる
  • 結局、どれを使うと「お得」なのか、気になって仕方ない

「お得」「便利」につられると、お金の出口が増えることに

「お得」「便利」につられると、お金の出口が増えることに
freeangle / PIXTA

キャッシュレス決済のうち、クレカが一番身近な存在でしょう。社会人になってからすぐに1~2枚作って、使い続けてきたと思います。

そこへ、流通系やエアライン系のクレカが加わります。百貨店や駅ビル、スーパーなどの流通系クレカは、年に数回、カード会員向けに割引セールやポイントアップがあったりするので、「お得!」と複数のカードを保有している人は少なくないはず。

エアライン系だと、マイレージが貯まる特典があり、帰省や旅行で飛行機をよく利用する人は、つい作っちゃいますね。

また、コロナ渦で急速に普及したのが、コード決済です。スマホをかざせば支払いできるという、あれです。これもまた、ポイントが貯まるし、ユーザー同士の送金もできるから、お得、便利ということで、利用者は多いですね。

お得、便利を目指した結果、以前より「お金の出口」が増えてしまい、毎月いくら使っているのかわからなくなる、つまり、「キャッシュレス決済振り回され族」になってしまうのです。

キャッシュレス決済を上手に使いこなす!3つのポイント

支払い手段に振り回され、「これでいいのだろうか」とモヤモヤしてしまうキャッシュレス決済振り回され族から卒業し、上手に使いこなせるようになりましょう。

ポイントは3つです。

1.支出カテゴリー別に「どの決済手段を使うか」を決めておく
2.クレカは、最大3枚までに絞る
3.クレカの支払い明細は、必ず振り返り、使い過ぎがあれば改善する

一つ目の「支出カテゴリー別に決済手段を決める」ことは、多くの人ができていないです。マイルールないし漫然とキャッシュレスで支払っていくと、何にいくら使ったのか、振り返りにくくなるのです。

キャッシュレス決済を上手に使いこなす!3つのポイント
IYO / PIXTA

例えば、私は次のようにカテゴリー分け、決済手段を決めています。

「食費・日用品費」

1か月の予算を決めて、デビットカード支払いに集約する。前回の記事で書きましたので、参考にしてください。

「生活費以外のモノを買う時・旅行代金等」

エアライン系のクレカで決済して、マイルを貯めています。クレカを使い分けずに1枚のメインカードに絞ることで効率的にマイルをゲットします。

理由不明でなぜか決済できないなどのトラブル発生に備えるために予備のクレカを1~2枚持つのが安心ですが、5枚も10枚も持つ必要はナシ。年会費もかかるので「絞り込んで使う」のがおすすめです。ポイントやマイルも集約した方がより貯まりますよ。

「電車代・コンビニでの少額支払い」

交通系ICカードで支払います。みなさん、驚くかもしれませんが、私はオートチャージにせず、残高が2000円以下になったら、1万円を入金するというアナログな使い方をしています。1万円入金の頻度が高まったら、ちょっと使い過ぎかなと自覚したいからです。

ちなみに、コード決済は利用していません。理由は、「お金の出口」を増やしたくないからです。特に不便を感じませんよ~。

クレカの利用明細チェックは必須!マーカーペンで色分けすれば一目瞭然

クレカの利用明細チェックは必須!マーカーペンで色分けすれば一目瞭然
mits / PIXTA

銀行口座残高でコントールするデビットカード払いの「食費・日用品費」と、現金を交通系ICカードにチャージする「電車代・コンビニ出費」の2つについては、私は大まかに月の予算内でやりくりしています。

問題は、クレカで支払いをする「モノ出費」です。洋服や化粧品、ワインを考えなしに買うと、あっという間に10万円を超える月も……。旅行へ行った翌月の請求もなかなかな金額になります。

お金の専門家ですから、クレカの利用明細はちゃんとチェックして振り返りをしています。コツは、マーカーペンを活用すること。

請求総額を見て「使い過ぎたな」と思っても、そこだけ見ると何に使い過ぎたのかはわからないですね。

分析をするために利用明細に洋服代はピンク、ワインは黄色、旅行代金はオレンジといった具合にカテゴリー別にマーカーを引きます。そして色別に金額を集計して、じっと眺めます。

カテゴリー別の金額を見ると、「あぁ、先月はワインを買い過ぎた」とか「旅行代金がかなりの金額になっている」というように反省点が浮き彫りになるのです。みなさんもぜひやってみて。

最近は郵便料金の値上げやペーパーレス化が進み、紙の利用明細は有料になっています。100~200円払うくらいなら、紙の利用明細は不要としている人も多いと思います。インターネットでログインすると、明細をダウンロードできますから、プリントアウトしてマーカーペンでカテゴリー分けをしてください。

使ったお金のことでモヤモヤしないためには、お金の流れが管理できる仕組みを作ることが大切です。3つのコツを実行に移して、キャッシュレス決済を上手に活用しましょう。

文=深田晶恵

深田晶恵
深田晶恵

1967年生まれ。(株)生活設計塾クルー取締役、ファイナンシャルプランナー、CFP認定者、1級FP技能士。 外資系電機メーカーを退職後FP資格を取得。98年にファイナンシャルプランナーとして独立。現在は個人向けコンサルティングを中心に、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信中。モットーは「すぐに実行できるアドバイスをする」ことを心がけること。

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