「介護費」の備え、「夫の死後ひとり」の年金生活を設計するには?

「介護費」の備え、「夫の死後ひとり」の年金生活を設計するには?

更新日:2025年07月15日

公開日:2025年07月07日

「介護費」の備え、「夫の死後ひとり」の年金生活を設計するには?

将来の備えで医療費と同じく気になるのが、家族や自分の介護費用。また、夫に先立たれた場合についても考えておくと、いざというとき慌てずに済みます。今回は「介護」と「夫の死後」のお金について、引き続きファイナンシャルプランナーの畠中さんに教えてもらいます。

教えてくれた人:畠中雅子(はたなか・まさこ)さん

ファイナンシャルプランナー。「高齢期のお金を考える会」主宰。著書に『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店刊)『得する年金生活』(TJMOOK)他多数。

【介護費】在宅介護費用の目安は「月5万円」

【介護費】在宅介護費用の目安は「月3万円」

介護保険制度を利用すれば、在宅介護なら、かかる費用の目安は月5万円程度。

「施設に入るともっとかかりますが、入居費は幅広いので、どこにでも入れるお金を用意するのは簡単ではありません。むしろ“そのときあるお金でどうするか”を考えるほうが現実的。だから、介護の備えに大切なのは、お金というより“情報”です」と畠中さんは語ります。

「どこにどんな施設があっていくら必要か具体的に調べておきましょう。お金の備えも目途がつき不安も減りますよ」

「介護費」の備えのために、知っておきたい3つのこと

(1)住宅改修や介護用ベッドには助成金の活用を

在宅介護にかかる費用は、月に「1万円~2万5000円」と答えた人が22.8%と最も多く、次に「2万5000円~5万円」で18.4%(生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査令和6年度」より)。中央値は月5.2万円でした。他にも、住宅改修や介護用ベッドの購入費などがかかるため、自治体の助成金の活用を。

「デイサービスやヘルパー派遣などの事業所がどこにあるのか、どんなサービスが受けられるのか、最新の情報を集めておくことが大切です」(畠中さん)

(2)「いざとなったら特養」でなく、地域の施設を調べておく

特別養護老人ホーム、いわゆる“特養”は、今は都市圏以外なら空き室も。ただし、「入居費用が安い大部屋は生活困窮者のために空けておくケースもあり、入れるのは個室が一般的です」。民間施設の方が 安いケースもあるので、早めに情報収集を。

「役所で、介護保険が適用される介護施設のリストをもらって公的施設、民間施設とも見学し、いざとなったらここに、と目星をつけておくことが、何よりの備えです」

(3)要介護3未満でも入れる「住宅型有料老人ホーム」とは

食事や洗濯、掃除などの生活支援や、緊急時のサポートが受けられます。自立から入居でき、要介護度状態になっても入居を継続できます。ただし要介護度が上がると費用が高くなったり、自立している入居者との暮らしは住み続けにくくなることも。

【夫の死後】夫が元気なうちに、ひとりになった後の生活設計を!

【夫の死後】夫が元気なうちに、ひとりになった後の生活設計を!

月々の生活費は管理していても、レジャー費や冠婚葬祭、家の修繕費など不定期な支出は見逃しがちです。夫の死後受け取れる年金額を確認した上で、そうした不定期の特別支出も含めて年間いくら使っているか、ムダはないか確認を。まずは、1年前と現在の貯蓄額の差から、年間の赤字額を計算してみましょう。

「夫の死後」に備えて、今からできる3つのこと

(1)夫の死後受け取れる年金額の目安を計算する

元会社員の夫が亡くなった場合、妻が受け取れる年金は下の手順で計算できます。
夫が自営業だった場合は、子どもが18歳になった年度の3月31日以降は、遺族年金はありません。ただし、その場合も妻が60~64歳の間で年金未受給なら、夫の老齢基礎年金の3/4を寡婦年金として受け取れます。詳しくは年金事務所で確認を。

(1)夫の死後受け取れる年金額の目安を計算する

  1. 夫の老齢厚生年金の報酬比例部分 × 3/4 = A
  2. A × 2/3 + 妻の老齢厚生年金 × 1/2 = B
    ※妻が専業主婦で厚生年金の加入履歴がない場合は「妻の老齢厚生年金」を「0」として計算してください。
  3. AかBの多い方が、妻に支給される年金

(2)子への援助や交際費などに“見栄”や“無理”はNG

不定期の支出のうち、特に注意したいのが、無理をしがちな子・孫への援助や交際費。「必要不可欠な家の修繕費や保険料に比べて見直しやすいはず。夫が元気なうちから無理して捻出していないか、チェックしておきましょう」

(3)所得が約89万円以下になったら給付金の申請を

年金を含めた所得が一定以下になると「年金生活者支援給付金」として、年金に月額5000円程度加算されます。支給対象者になると、年金事務所から申請用ハガキが届くので、忘れずに提出を。

◆問い合わせは給付金専用ダイヤル 0570-05-4092まで

取材・文=松尾肇子、野田有香(ともにハルメク編集部)、イラストレーション=熊本奈津子

※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年12月号を再編集しています

HALMEK up編集部
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