貯まる人になるための「大人のマネー学」#22

夫婦でお金の話をどこまで共有すべき?老後資金に差がつく可能性も

夫婦でお金の話をどこまで共有すべき?老後資金に差がつく可能性も

公開日:2026年01月16日

夫婦でお金の話をどこまで共有すべき?老後資金に差がつく可能性も

夫婦共働きが多い今の時代、相手のお金事情をどこまでご存じですか?意外と知らない人も多いのでは。でも、それだと老後資金に差がついてしまうかも。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに詳しく教えてもらいます。

夫婦で「お金の話は内緒」は良くない

Graphs/PIXTA

FP相談で「夫婦でお金の話はどこまで共有すべきですか」と質問を受けることがよくあります。興味深いのは、この質問をするのは主に女性で、男性から聞かれることは、滅多にありません。

私がファイナンシャルプランナー(FP)になった1990年代半ば頃は、専業主婦が大多数の時代。夫の稼いだお金を妻がやりくり、管理し、貯蓄額を夫婦で共有する――こんな夫婦が多く、特に「内緒のお金」はないのが一般的でした。

共働き夫婦の増加によって、「お金の話は内緒」にしたい女性が増えてきたのかもしれません。50代も以前に比べてフルタイム共働き率も高くなりましたし、子育てが一段落して、パートタイムや派遣社員で働いている人も数多くいます。

自分の収入があると、どこまで配偶者に開示すべきなのか、しなくてもいいのかと迷うようです。

また、夫の収入と金融資産は知っておきたい、でも自分のお金事情は内緒にしたい……という声もよく聞きます。

「夫のお金は夫婦のお金、私のお金は私のお金」と考えたいというのが、本音のようです。

その気持ちはわからなくはないのですが、ファイナンシャルプランナーとしては、「夫婦のお金事情は共有する」のが理想形です。なぜかというと、自分のお金を内緒にすると、夫のお金事情を聞きにくくなり、どちらのお金も「内緒」になる可能性が大だからです。「内緒×内緒」は、よろしくないですね。

「年収」と「金融資産の額」どちらを知られたくない?

そもそも「自分のお金事情」とは、何を指すのでしょう。

大きく2つあり、まず、給与などの「年収」、フリーランスなら「売り上げ」や「事業所得」といったいわゆる「毎年の稼ぎ」。もう一つは、金融資産の総額、つまり「持っているお金」です。

emma/PIXTA

私のもとにマネー相談に訪れるご夫婦の大半は、お互いのお金事情について「オープン派」です。以前から共有しているという人もいれば、マネー相談をきっかけにお互いのお金事情の情報開示をしたケースもあります。

一方の「共有することをためらう派」が、配偶者にオープンにしたくない理由は何でしょうか。理由によってアドバイスが違ってくるので、「なぜ、言いたくないのですか」と尋ねてみます。

理由はさまざまですが、フルタイムの共働きの場合は、主に次のような理由です。

フルタイム共働き夫婦~配偶者にお金事情を言いたくない理由

  • 「自分の年収は夫と同じくらいで、金融資産もずいぶん貯まったので、パートナーに知られてアテにされたくない」
  • 「共働きを30年以上続けてきて、生活費の分担金を決めたら、残りはそれぞれの自由、関知しないというやり方を結婚以来とってきたので、今からオープンにするのもどうかと思う」

60歳を目前にして、今から何もかも情報開示をする必要はないかもれませんが、せめて金融資産の総額は、お互い情報共有しておくといいでしょう。

自分で貯めた老後資金を伝えた上で、夫にも「教えて」と尋ねてみるのがおすすめです。意外に貯まっていないかもしれませんからね。

また、「借金の有無の確認」も聞いておきたいです。住宅ローンの残高、クルマのローンの残高、キャッシングの有無です。借り入れがあると、老後資金に大きな影響を及ぼすからです。

パートや派遣社員の場合は、夫の退職金制度を聞いておきたい

foly/PIXTA

パートタイマーや派遣社員で働いている場合は、収入は夫のほうが高いでしょう。フルタイムのケースと同じように「私は老後資金をこのくらい貯めたけれど、あなたのも教えて」と聞いてみます。

併せて、夫の勤務先の退職金制度や企業年金の有無も確認しましょう。

夫の年収が高いと、漠然と「うちには、そこそこお金があるのだろうな」と考える人がいるのですが、必ずしも金融資産と年収は比例しないのです。お金というものは使えば残らないことを忘れずに。

この先、夫に先立たれた後に「えっ、うちのお金これだけしかないの!」といった事態にならないように、本格的な老後を迎える前にお金事情の共有をしておくのが安心です。

想像以上に金融資産が少なかったら、60歳以降の支出を見直す、長く働くなど対策が取れるので、先延ばしにせずに夫婦でアクションをとりましょう。

文=深田晶恵

深田晶恵
深田晶恵

1967年生まれ。(株)生活設計塾クルー取締役、ファイナンシャルプランナー、CFP認定者、1級FP技能士。 外資系電機メーカーを退職後FP資格を取得。98年にファイナンシャルプランナーとして独立。現在は個人向けコンサルティングを中心に、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信中。モットーは「すぐに実行できるアドバイスをする」ことを心がけること。

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