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公開日:2025年02月12日
50代婚活奮闘記6・B美の場合
恋愛・婚活ジャーナリストの清葉アキコが出会った婚活女子の第6話。新たな登場人物、バツイチ子無し56歳B美はバリキャリな雑誌編集長で、友達の電撃結婚を機に「結婚相談所」での婚活を決意。一流の雑誌スタッフが撮ったお見合写真は…なぜ撮り直すこととなったのか?
大手出版社でファッション雑誌の編集長を務める56歳。クールでかっこいいキャリア女性として、メディアに取材されたこともある。29歳のときに、友人の紹介で知り合った商社勤務の“3高”男性と結婚したが、生活のすれ違いが続き、3年弱で離婚。その後は仕事にまい進し、40代で編集長に。それからは仕事と宝塚歌劇団の推し活中心の生活に…。
女性誌の編集長をしているB美との出会いは4年ほど前。私が40代の頃に執筆していた恋愛エッセイを読んで、連載コラムを依頼されたのがきっかけだ。多くの部下を抱え、出版業界が厳しい現在も人気雑誌を成長させているだけあって、とてもエネルギッシュ。細身の体のどこにそんなパワーがあるのかと思うほど。サバサバとした性格で、人の何倍も仕事をこなしているキャリアウーマンだ。
若い頃、ファッション雑誌を担当していたと聞いたことがあるが、どんなに忙しいときでも、常にパンツスタイルでカッコよくキメている。ショートカットのグレイヘアも彼女のクールな雰囲気にぴったりだ。
いつものようにカフェで連載コラムの打ち合わせをしていたある日のこと、珍しくB美が「もうちょっと時間もらえる?」と声をかけてきた。「はい…」とうなづくと、ウエイターを呼びコーヒーのお代わりを1杯ずつオーダー。淹れたての香りを楽しむと、彼女の顔はいつもとは違ってやややわらかい表情に変わった。
「ちょっと仕事の話じゃないんだけど……」とB美が言った。彼女のプライベートのことは他の編集部員にもあまり知られていない。私も年齢すら知らなかったし、会話の端々や働き方から、勝手に育ち盛りの子どもはいないと決めつけていた。
話の内容は、一番仲の良い友だちが突然結婚をしたというものだった。「全然結婚したいなんて言っていなかったの。私と同じバツイチの56歳でね……」。さらっと自身の情報も公開した。「お互い仕事が忙しいし、恋愛でペースや気分を乱されるのが嫌だから一生1人でいいよねって話をしていたのに、まさか結婚するなんて! っていうか、バツイチの56歳で再婚ができるなんて!」
予定のない夜は誘い合って飲みに行き、休みがとれたら一緒に旅行に行く。一番仲の良かった女友だちを取られた……そんな感覚もあるのだろう。青天の霹靂ともいえる驚きと仲間に裏切られたような寂しさとが、複雑に入り混じっているように見受けられた。
「彼女ね、結婚の報告のときに私にこう言ったの。『B美と一緒にいる時間は楽しいから独身のままでいいや!って思っていたのは本当よ。でも、心のどこかでは家に帰ったときに旦那さんがいたらいいなって思っていたの。この思いをこの先も押さえ込んで、再婚を諦めたことを抱えて生きていきたくないって思っちゃって』って……」
その友人の言葉でB美はハッとした。「そうだ、私も口では『恋愛も人と暮らすのも面倒くさいからパートナーなんていらない!』って言ってはいたけれど、本当は、友人とは別の、いつも近くにいる存在が欲しかったのよねぇー」
「でもねーバツイチの56歳で結婚したいなんて、恥ずかしくて……、仲のいい友だちにも言えなかったの」とB美は私から視線をそらして小さな声で言った。笑ってはいるものの、その表情はどこか寂しそうに見えた。
「でね……私、結婚相談所に入会したの!」とB美は私の前にスマホの画面を差し出した。そこにはいつも以上にスタイリッシュな姿の写真があった。「結婚相談所に入るならお見合い写真が絶対に必要って聞いたから、いつも表紙のモデル撮影でお願いしているカメラマンさんやヘア&メイクさん、スタイリストさんにお願いして、写真を撮ってもらったのよ!贅沢でしょ~(笑)」。さすが編集長!仕事が早い!そして、写真のクオリティが高すぎる!芸能人のプロフィール写真のようだ。でも……。
「これ、結婚相談所の方に見せました?」と聞くと、彼女はかぶせぎみに答えを続けた。「見せたわよー。でも、『あぁ、これじゃダメなので撮り直してください』って即言われてしまったの」と言いながら、B美が再び操作し始める。「でね、相談所からすすめられた婚活用写真スタジオで撮り直したの。それがこれよ!」と再びスマホの画面を私の顔の前に差し出した。
「えっ!これ、B美さんですか!?」
私は、目の前にいる彼女と写真の中の女性を何度も見比べて、思わず笑ってしまった。もはや写真の中の女性は、「従妹です」と言われたらすんなり受け入れたかもしれないくらい、別人に見えたのだから!妹ではなく、従妹くらいの別人感(笑)。
あ、まずい。写真の破壊力に圧倒されて笑ってしまった……。
なんとか表情を立て直しつつ、フォローする言葉を脳内から探そうとしている私を見て、B美の方が大笑いしている。いつもクールでサバサバしているB美も、こんな大笑いするのかと驚いた。私はB美の笑いにつられ、笑いを止められなくなっていた。
「そうよね。カメラマン、ヘア&メイク、スタイリストなど、この業界の人たちはみんな、アキコさんと同じような反応をするのよ。見せた瞬間、爆笑して言うの。『言ってくれれば、もっとカッコよく、おしゃれに撮ってあげたのに~!』ってね」
流行やおしゃれの最先端にいる業界のプロフェッショナルたちが言わんとしていることはわかる。おしゃれに並々ならぬこだわりを持っている彼女が人に言われてファッションを変えるなんて、だれも想像ができなかったのだ。しかし、今その想像をはるかに超えたエレガント路線の彼女が写真の中にいる……。婚活の世界を知らない彼らは「それ、あなたらしくないけど、本当にその写真でいいの」と彼女を問い正したかったにちがいない。
一応、B美から仕事をいただいている身分。どうコメントしようかと考えあぐねていると、「正直、いつもと全然違うって思ったでしょ(笑)」と彼女の方から言った。「まぁ……、いや、そんなでも……」ともごもごしていると、B美が言った。「でもね、このコンサバな感じっていうの? 王道の女性らしさが正解なんですって、婚活の世界では!」
三島さんからのひと言
『写真は第一印象を決める大事なもの。最初から間口を狭める必要はありません。男性の多くが好む“王道の女性像”を狙うのが正解!』
婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある。
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